つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

佐川氏証言は総理夫妻擁護のパフォーマンス? さらなる当事者たちの証人喚問が必要だ

2018.3.28

国会ブログ

昨日の佐川さんの証人喚問を終えて、「総理夫妻をまもるための儀式だったのかしら」「虚偽=ウソ答弁をしたのではないかとただされているのに、ウソの上塗りのような証言じゃないの?」「佐川さんに期待した私が甘かったのね」と、ますます疑惑が深まりました。テレビのアンケートでも7割の人が「納得できない」「あまり納得できない」と答えています。
刑事訴追を理由に50回以上も証言拒否、改ざんがあったにもかかわらず「8億円の値引き」は適正だったと強弁。文書改ざんや文書破棄、さまざまな特例が生まれた経緯はまったく明らかになりませんでした。一方、与党側の露骨な質問に対し、安倍夫妻や官邸の「指示」については明確に、でも根拠なく否定。そして、理財局だけですべてが完結していたと自ら強調。進んでトカゲのしっぽとなって幕引きをはかろうとしているという意図を感じました。

野党国対委員長会談の様子

今日、野党国対委員長は会談して、真相が明らかになっていないことを確認しました。そして、①安倍昭恵総理夫人、迫田元理財局長、谷前総理夫人付職員、今井総理秘書官等の証人喚問を求めていく。②衆参予算委員会の集中審議を求めていく。③立法府としてけじめをつける。④安倍総理、麻生財務大臣の責任をますます問うていく。などで一致しました。私は野党を代表して、自民党の森山国対委員長に申し入れをしました。

自民党森山国対委員長に申し入れ

今回の証人喚問は、公務員の信頼を地に落とした財務省が、国民に説明責任をはたすチャンスでした。それが、まるで総理夫妻を守るためのパフォーマンスに終始したとすれば罪は重いと思います。そのパフォーマンスにのって一部の与党議員が「これで総理の関与はないとはっきりした」といっているようですが、見当違いです。
昨年の国会で「交渉記録を廃棄した」と答弁した佐川さん。しかし今回の「改ざん前文書」には交渉の経過が詳しく記録されていました。これを野党議員に証人喚問で問われた佐川さんは、「文書の取り扱い規則を確認した」「(当時の国会答弁は)丁寧さを欠いた」「虚偽答弁という認識はもっていなかった」と逃げ続けました。いったい誰をまもっているのでしょうか。
嘘の答弁をしたのでは、という疑いで証人喚問された人が、さらに嘘の答弁を重ねたのでは、という疑いがあります。証人としても「適材適所」ではなかった、ということでしょうか。

しかし、佐川さんが何も答えなかったことで、かえって浮き彫りになったこともあります。
文書の改ざんについては佐川氏は「官邸からの指示はなかった」と繰り返しましたが、問題の本質は土地の貸借や売買について何らかの便宜をはかるように、という示唆があったのか、なのです。
「①貸借の特例→②売却価格の特例→③文書管理の特例(改ざん)」と続く一連の森友疑惑のなかで、佐川さんが関与している可能性が高いのは③文書の改ざんです。佐川さんが、新聞報道を見るまで本当に何も知らなかったのであれば、①や②についてはやはり、当事者に聞くしかありません。

佐川さんの証言は「勉強した範囲では」という限定がずっとついていました。そして問題の「8億円値引き」の当事者である迫田元局長との間には、何の引継ぎもないと証言しています。佐川さんの「勉強」が及ばない範囲、すなわち文書で残っていないところや部下の報告にないところ、前任者からの引継ぎがないところでは何が起きていたのかはまだ闇の中。佐川さん自身が「経緯などは答えていないので明らかになっていない」と答えていることは、「真実は他にある」と言っているように聞こえてなりません。
ますます安倍総理や麻生財務大臣の責任を追及していかなくてはなりません。

そして、いま世界は米・中・韓と北朝鮮のリーダーが緊張緩和に向けて大きく動き始めています。安倍総理は、これまで圧力をかけてきた結果だと強弁していますが、安倍総理だけが蚊帳の外に置かれているのでは、という懸念があります。関係諸国が水面下で綿密な調整を続けているなかで、日本の外交を世界の政治のなかで置いてきぼりにするわけにはいきません。
現在安倍総理は息つく間もなく外交日程をいれています。ロシアのプーチン大統領にも会いに行くということですが、ロシア軍が択捉島を拠点に迎撃訓練をしたことが明らかになりました。2016年には択捉島と国後島に最新鋭の地対艦ミサイルを配備しており、ますます基地化が進むのではと懸念されています。こうしたなかでプーチン大統領にお会いして、いったい何を話すというのでしょうか。ヨーロッパ諸国などロシアとの対立が広がる中、「ウラジミール!」とノコノコとプーチン大統領と会談することは、国際的な孤立に繋がらないのか、心配しています。「地球儀を俯瞰する外交」を胸をはってきた安倍総理ですが、外交でも歯車は逆回転しはじめているのでは。
森友問題から国民の目をそらすため、という声もありますが、強弁だけの外交も強弁だけの国会運営もやめさせなくてはなりません。引き続ぎ、与野党を超えて真相究明にとりくんでいきます。