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2003年1月30日
読書日記
いろいろな人の事務所やご自宅を訪問した時、まず、本棚を眺めてしまうことがよくあります。 そして、そこに並ぶ本を見て、その人の内面を勝手に推察してしまうことって、ないですか? 私は、時々、「どんな本を読んでいますか?」と質問をいただきます。
読んでいる本を知られるというのは、自分の中を覗き込まれるような気分になって、ちょっとためらってしまうのですが、今日は、ここ一週間で読んだ本を紹介したいと思います。
『憂国呆談リターンズ(ダイヤモンド社)』浅田彰さんと田中康夫さんの対談。かつて出版された『新・憂国呆談(小学館)』も面白かったのですがその続編です。
浅田)この本には、田中さんが最初に長野県知事に当選した2000年秋から、今回再選されて「リターン」するまでのわれわれの対談が入っている。読み返してみると、まさに波乱万丈の二年間という感じだね。
田中)長野県に留まらず、世界的に見ても9・11テロが発生し、日本国内でも小泉純一郎政権が誕生したわけだから。と、いう調子で始まり、この2年間の森羅万象を「ホンネ」で語っていて、刺激的です。
私にとっても、この2年間は波乱万丈だったのですが、自分の事が論じられている箇所も見受けられ、こわごわ、読み進みました。
2001年5月の対談「イメージだけではなく、実体あるパフォーマンスを」では、「女性たちが議決権をもつことこそが、きな臭い日本の暴走を防ぐ。(中略)辻元清美的なOSでないと困るけどね(笑)。」と田中さん。
昨年の私の辞職まで、田中さんは私の選挙区(大阪10区/高槻・島本)の会合にも、友人の河内家菊水丸家元と一緒に足を運んでくれたりしていました。
康夫と清美で、政界でヤス・キヨコンビを結成しようという話が飛び出して、「いい感じ」だったのでした。
ところが、その矢先の私の辞任。
2002年4月の対談「半世紀前に逆戻りした世界?」では、「辻元清美の愚かさと哀れさ」という表現で田中さんが私を批判。 浅田さんが「われわれは辻元清美を応援していたし、彼女もがんばったと思うよ。」と一応フォローして下さっているのですが、このスルドイお二人のご批判は、本当に傾聴に値すると思いながら読みました。
浅田さんと初めてお会いしたのは、二人ともまだ20代でした。彼の著作『構造と力』がベストセラーになった頃で、私はピースボート時代です。 その頃、対談をしたことがきっかけで時々、お目にかかっていました。 彼は、同世代の「知」のホープだと思っています。さらに続編が楽しみです。
『あなたを危機から救う 一分間謝罪法(扶桑社)』という本の新聞広告が目に飛び込んできました。その広告のキャッチコピーの一つに「みんなやってるやん 私だけちゃうやん」というフレーズを発見。
ドキッ、「これって、私のことを指しているのかしら?」すぐに、本屋へ走り込みました。
「人にあやまるうえで最もむずかしいのは自分の誤りをさとり認めることである。」
「正直であるとは自分やほかの人に対して真実を伝えること。誠実であることはその真実に沿った生きかたをすること。」
「あやまるのを先に延ばすほど弱さは悪意として受けとられるようになる。」
ケン・ブランチャードとマーグレット・マクブライドが、行動科学の最新の成果をふまえ、上記のような「謝罪する」ことの意味や方法を読みやすい寓話で綴っています。
自分の心の声を聞きながら、一挙に読み切りました。
仏文学者の海老坂武さんの『新・シングルライフ(集英社新書)』は、シングルの私にとっては、必読書でした。
1996年の初出馬の時、私は近畿の比例候補でした。選挙最終日、兵庫県で最後の街頭演説をしたのですが、演説の最中に、聴衆の中に海老坂さんを発見しました。
「がんばれよ」と励ましてくださったことを思い出します。私よりずっと年上なんですが、ステキな方です。
本の中で、若い頃はモテナカッタとありますが「ウッソー」と思いながら読みました。
今後、だれとどのように生きていけばいいのだろうと試行錯誤の私は、前作の『シングルライフ(中央公論社)』を読んだ時より身につまされる思いがしました。
『戦後と高度成長の終焉』は、講談社の日本の歴史シリーズ24巻で、法政大学の河野康子教授の力作です。
「今、問われているのは、政治がどのように社会を変え得るか」というテーマについて、戦後から今日までを内政と外交に揺れる政党政治を軸にたどっています。
「政治は『希望の組織化』であり『妥協の芸術』であり『不可能を可能にする技術』である」と言いながら、私は、政界にいた5年半を疾走していました。
今は、自分が向き合っていた「政治というもの」の歴史的な流れや意味についてじっくり考えたいという自然な欲求がフツフツと出てきています。ですから、どうしても政治関係の書籍を手にすることが多くなるようです。
最後に、今、並行して読んでいる2冊をご紹介します。
『日本経済不作為の罪(日本経済新聞社/滝田洋一著)』と『資本主義は何処へ行く(NTT出版/佐和隆光著)』です。
両著とも「不況と戦争の時代」の既視感(前著)、9・11同時多発テロは二つの原理主義の衝突(後著)というように、経済と戦争の関係が論じられています。
「戦争中毒」といわれるアメリカの行動を読み解くヒントになります。
日本の市場経済を、自由、透明、公正なものに作り替えること。もうひとつは、『排除』される人や組織がいないという意味での『平等』な社会の実現、そして自分というヒューマン・キャピタルへの原資を福祉が提供し、福祉による『リスクの共同管理』を旨とする、ポジティブな福祉社会を建設することが大事だと佐和さんは論じています。
「第三の道」を基調にしたヨーロッパ型社民政策で、私が目指している方向に近いように思います。
「こんな本を読んだらいいよ」というオススメがありましたら、メールくださいね。
