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2007年3月 7日
3月が最大の山場の国民投票法案、住民投票と同列に論じるのは要注意――『辻元清美の永田町航海記リターンズ』2007.3.2より
国民投票法案をめぐる動きがおかしい。
動きをよーく見守ってほしい。
そのためにも、これまでの国民投票法案の動きがどうなっているのか、「週刊金曜日」の連載に書いてきた原稿から、憲法に関わるものを再録した。
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「3月が最大の山場の国民投票法案
住民投票と同列に論じるのは要注意」
「これでは、改憲のための改憲推進論者による改憲手続き法としての国民投票法案じゃないか」と叫び続けて一年半。反対運動をしているみんなと力を合わせて、なんとか採決させずにここまできた。だが、いよいよ、三月が最大の山場だ。
マスコミでは投票年齢が一八歳か二〇歳かというような両案の違いばかりがクローズアップされるが、自・公の与党案と民主党案の共通部分にこそ本質的な問題が潜んでいる。
「改正の発議は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成が必要」。一方で否決なら発議できないはず。ところが、両法案とも一方で否決されても「両院協議会」なるもので協議となっている。要するに、改憲案が可決されるまでは延々と協議できるってこと? ずるい。
発議後の国民への広報活動は、国会内の議席配分による「広報協議会」で行なう。衆院では自・公・民が改憲派としたら、現状では一〇人中八人が改憲派。護憲派は二人だけ。かりに全員改憲案賛成だと、反対派なしの広報協議会になる。
当初案では、公報の紙面スペースすら国会の議席配分によるとしていた。最終的な賛否を決めるのは国民で国会の議席ではない。賛成、反対を平等に扱うという「基本のキ」にこんな認識で、国民投票法を作る資格があるのか。
発議から投票までは六〇日から一八〇日。これでは充分国民運動を起こす時間なんてない。たとえば盗聴法五二七日、NPO法二八一日と、一つの法案でも成立まで充分な時間がかけられている。テレビコマーシャル規制も議論が深まっていない。コマーシャルの費用はケタ違い。資金力によって改憲論議が左右されかねないままだ。
また、「内容において関連する事項ごと」に投票となっている。私は自民党の新憲法草案を例にして、「自衛隊を自衛軍に」と「海外での武力行使」は別々か一括投票かを問うた。自、公、民主の答えは一括というもの。危険だ。
「憲法改正には国民の過半数の賛成が必要」は「日本の総人口の半分」ではない。両法案は「国民」を「有効投票総数か投票総数」と勝手に読み替えている。「最低投票率」の定めがないから、投票率六〇%なら三人に一人、四〇%では五人に一人の「賛成」で憲法が変えられてしまう勘定だ。
「アメリカにくっついてイラクに派兵を続けるべきか」「ジュゴンのいる海をつぶして基地をつくるべきか」と国民投票で決められるとしたら、ちょっといい。しかし、住民投票にはネガティブな人たちが改憲の国民投票を強力に推進している点に注意すべきだ。
住民投票と改憲の国民投票を同列に論じるのは落とし穴。安倍総理が「自分の内閣で憲法改正をめざす」と発言している昨今だ。国民投票という民主主義の実現を装いながら、中身は改憲派に都合のいい民主主義を操る道具だけができる。現場で対峙している私は声を大にして要注意!! と訴えたい。
(週刊金曜日『辻元清美の永田町航海記リターンズ』2007.3.2号掲載)
