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2008年3月10日

「永田町航海記リターンズ56」(『週刊金曜日』2008.3.7発売号)

福田さん、イージス艦事故で
「幸か不幸か」って何ですか?

 総理大臣が答弁で携帯電話を取り出すとは。ジタバタしている証拠。
二月二九日、衆議院予算委員会の「イージス艦問題集中審議」でのこと。
事故発生から一〇日間、総理が何をしているか見えない。新聞の「首相動静」を見ても、事故当日を除くと石破防衛相と会った形跡もない。事故から三日後には高村外相夫妻と会食。高村外相は沖縄少女強かん事件の所轄大臣で、えひめ丸事件当時の法相だった(ちなみに町村官房長官は事件を所轄した文科相、石破防衛相は防衛庁副長官だった)。内閣のナンバー1と2がそろって他人事。えひめ丸やなだしお事件の教訓が活かされているとは思えない。
その指摘に福田総理が気色ばんだ。「何もやっていなかったわけではない。事故以来、幸か不幸かずっと委員会だった」。意味不明。「幸」ってなに? さらに「携帯を押せばすぐ石破大臣が出る。なんだったら今やってみましょうか」だって。ポケットから携帯電話を取り出し、私に見せようとする。
まさか携帯電話で軍事機密をやりとりしているのではないでしょうね、と「日本国」の運命を心配してしまう。
福田総理の危機感が何とも希薄。石破大臣の進退問題についても同じ。
「もはや石破大臣は真相を究明する側ではなく究明される側です。総理、重大な決断をする時期ですよ」と私。石破さんの資質の問題ではない。疑惑の目で見られる人より、無関係の人の方が、客観的に真相究明の陣頭指揮に立てるのでは。それでも福田総理は全面石破大臣まかせの答弁だ。
福田総理はえひめ丸事件当時の官房長官。「森総理のゴルフをとめなかったのか」と聞かれて「トゥー・レイト(手遅れ)」と答えた。私はその迷言をお返し。「総理、このままではトゥー・レイトです。思い出してください」。
そして「総理、これが終わったら予算案を強行採決するのではなく、勝浦に行ってください。政治にぬくもりを取り戻してください」と訴えた。
翌々日の朝、ある記者から「福田総理が勝浦に行った」との電話。
「あなたに『なぜ行かない』と言われたのがよっぽど、こたえたのかな」だって。最高責任者が謝りに行くのは、人間として当たり前。遅すぎるくらい。
小泉政権でのミサイル防衛計画(MD)導入時、福田官房長官、石破防衛庁長官、あの守屋防衛事務次官。イージス艦事件と沖縄少女強かん事件の背景に、彼らが舵取りした安全保障政策=日米軍事一体化やミサイル防衛計画。同じメンツがくっついたり離れたり。
そもそもアメリカというスーパーパワー、常軌を逸した軍事国家と一体化する戦略そのものが、九条をもつ日本にはムリがある。ハイテクをそろえても、漁船一隻かわせない最新艦。アメリカといびつな関係を続けてきた戦後の安保体制の歪みが、防衛省不祥事という「吹き出物」として出た。
年金も防衛省もまるで「トゥー・レイト」。政権交替がベストの処方箋だ。


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辻元清美ブログ


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