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つじとも通信VOL.29:歴史認識・脱原発・立憲主義の「三本の矢」。安倍政権とのたたかいの最前線にいます。

つじとも通信VOL.29:歴史認識・脱原発・立憲主義の「三本の矢」。安倍政権とのたたかいの最前線にいます。

 初当選から一七年、こんな政治状況は初めてです。「右傾化」なんて生易しい事態ではありません。かつて古代アテネが崩壊したように「詭弁家」に扇動され、日本社会が蝕まれ崩壊していくような危機感で胸が潰れそうになりながら、国会論戦を続けています。

「権力者が国民から憲法を奪う」
九六条改正
まず、憲法です。
安倍総理と橋下大阪市長は、改憲の手続きを定めた「九六条の改正」を「夏の参議院選挙の争点にする」と主張しています。改憲の発議要件のハードルを下げて衆参各院の総議員の三分の二から二分の一にしようというのです。他の政党では、争点化にする動きはありませんが、この二人がアツくなっている。彼らが二分の一に固執する理由は、これを憲法本体、九条などの改正への突破口にしたいからにほかなりません。
そんな自分の思いがなかなか達成できないから、それが実現しやすくなるように、まず、「ルール」を変えてしまえと言い出したのです。そこに、「人気者」の橋下さんが賛同したものだから、その力も利用して、なりふりかまわず突き進もうとしています。
これは、スポーツの世界でいえば、試合になかなか勝てないから、自分が有利になるようにルールを変えてしまえ、と言っているに等しい。どんな世界でもそんなことをしたら「ズルイ」「卑怯だ」という声が飛んできます。それは、道理に反するからです。
安倍総理は「こどもの道徳教育が大事」とおっしゃっています。そうであるのなら、今のルールで、正々堂々と自分の主張を実現する努力をするべきです。
憲法とは何でしょう。国民が守らなければならない最高のルールだ、と勘違いしている人が多いのには驚きます。実は、その正反対で、国民が権力者に守らせる規範であり、権力者が守らなければならない最高のルールなのです。国民もこの認識を深めるべきです。
安倍総理は「国民の手に憲法を取り戻す」とキャンペーンを張っていますが、政治家を縛る規範を、政治家が思い通りに変えやすくするというのは、「権力者が国民から憲法を奪う」ことになるのです。
また、橋下さんが「最終的には国民投票で決める。国民を信用していないのか」と言っていますが、国民を信用するかどうかではありません。歴史を見ても権力は暴走する時があるので、国民は、権力を疑う=信用しない、だから、あらかじめ憲法で権力を行使できる範囲を定めておく必要があるのです。そして、権力者の思いのままに憲法を変えることに厳しいハードルを課しているのです。
こんな立憲主義の原理をわきまえていない人たちが「支配者」の発想で「憲法改正」と権力の剣を振り回しているように見えます。
改憲派の学者である小林節さんは、「憲法九六条の改正は『何に使うかわからないけどピストルをくれ』と言っているのに等しい」と警告しています。
「安倍さんよくやっているのでは」と思っている人もたくさんいます。しかし、株価上昇による高支持率の影で政治の基本のキをはき違えているのです。
安倍総理は、「ホンネ」を隠した「仮面総理」のように見えます。

立憲フォーラム幹事長に
一方、こんな憲法をめぐる政治状況は「立憲主義」の土台が壊されかねないという危機感が広がっています。そこで、近藤昭一議員や吉田忠智議員、阿部知子議員らと、超党派の議員連盟「立憲フォーラム」を立ち上げました。私は幹事長に就任。顧問には横路孝弘前衆議院議長や菅直人元総理、沖縄の照屋寛徳議員など。政治家が立憲主義への認識を深める「道場」のような場づくりをめざします。

 「デフレは貨幣現象だ」と言い放ち、「(中国や韓国の)脅かしには屈しない」と閣僚の靖国参拝を正当化し、総理大臣が最も保障しなければならない基本的人権の条文は憲法何条かと問われて答えられず、憲法を理解してもいないのに「憲法改正」と絶叫し、原発事故を忘れたかのように「安価な電力」の大合唱で再稼働に突っ走り、国民栄誉賞で人気稼ぎ、「女性の活用」といいながら家制度に固執し、選択的夫婦別姓に反対する......。
「株価が上がっている。街角景気ウオッチャーが評価している。だからオレは正しいのだ」と言わんばかりの態度。

 こんな総理大臣に対して、「憲法を破棄しろ」「核武装を検討しろ」「南京大虐殺や従軍慰安婦はなかった」「道徳の国定教科書を作れ」という趣旨の主張を繰り返し、石原慎太郎代表はじめ日本維新の会の面々が補完勢力として太鼓をたたいています。アメリカやヨーロッパでは一言で議会追放になりそうな発言に、反論もせず頷きながら対応する安倍総理。かつて安倍総理や麻生副総理も核武装に言及していました。原発推進は核武装のためのプルトニウム維持が目的かしら、と海外からは懸念をもたれかねません。

 一方、脱原発、年金改革、格差問題、歴史認識、憲法などの私たちの質問には、これが一国の総理大臣かと嘆かわしいほど、色をなして反論し、一言のヤジに対しても名指しで指まで差す攻撃を繰り返しています。
そして、こんな総理大臣を国会で追及すると、「国賊」というメールが送られてくるのです。

安倍総理こそ最大の「外交リスク」
憲法を変えれば日本の主権回復ができる、お金をバンバン刷ってばらまけばデフレ退治ができる。外遊先のサウジアラビアでは、「世界一安全な原発技術を提供できる」と講演......まさに「詭弁」であり、現実を見ようとしない「妄想」です。
小泉元総理でさえ、安倍総理に対して「太平洋戦争だけは肯定しないように」と伝えたということですが、聞き流したそうです。そんな安倍政権に対し、海外からは厳しい目が向けられています。歴史認識をめぐる総理発言や、閣僚の靖国神社参拝に対し、東アジア情勢の不安定化を招きかねないとして、米政府が日本政府に対し非公式に懸念を伝えていたことが報じられました。
私は、国会では安倍さん、地元・大阪では橋下さんとの「はさみ撃ち」の最前線にいます。特に、大阪では維新・自民・公明以外の衆議院議員は私と生活の議員二人という厳しい状況。「政治の底が抜ける」ような危機感を、かつてないほどに感じています。
一〇年ほど前、「国家観の違いくっきり」というタイトルで安倍さんと私の違いを論じる記事が朝日新聞に出ました。今の政界の中でも安倍さんの最も対極にいるのは私かもしれません。私は「国のために命を捧げさせる政治」ではなく「国がすべての命を守る政治」を目指していますから。

 夏の参議院選挙の争点は、憲法改正のルールの変更ですか? 安倍さんや橋下さんはズレています。
まず、各党の経済政策を争点にすべきです。また、待ったなしの高齢化社会に対応する年金や医療制度改革、福島第一原発は今なおトラブル続きですが、原発・エネルギー政策、さらに、被災地の復興......などが議論されるべきだ、と私は考えます。
ひとつひとつの課題に取り組みながら、安倍総理とのたたかいの最前線に、私は踏みとどまります。それが、私を国会に送り出して下さったみなさんの「意思」であると信じて。

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