つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

News

2013年10月30日 経済産業委員会

2013.10.30

議事録

私も、玉木委員に引き続きまして、原発政策そして汚染水対策、今国会の最大の議題だと思いますので、質問をいたします。

今、玉木さんとのやりとりで出てきました地下水の問題、ちょっと補足で幾つか確認をしておきたいと思います。地下水脈というのは、特に福島第一原発の場合、非常に複雑であるということが、ここに福島第一原発を建てたいと設置申請をしたときから問題になってきたということは、田中委員長も御存じだと思います。

そこで、私は、福島原子力発電所の原子炉設置許可申請書、昭和四十一年ですからもう随分前、四十年以上前のものを点検いたしました。

ここでは、最初に福島第一原発で使う水、途中からはダムをつくってそこの水を引いておりますけれども、二百五十メートルの井戸を掘って、ここの豊富な地下水を補給水として使うというところが福島第一原発の出発なんですね。利用できる主要な陸水としては地下水だけである。

そして、地表面下百六十から二百三十メートルの砂岩層が有力な帯水層であることが判明したとか、地下流動水はほぼ三千立方メートル・パー・デー、かなりの量なんですね。径三十センチメートル、深さ約二百五十メートルの深い井戸を数本設置し、所要の水量約一千立方メートル・パー・デーを確保するということで、かなりの量の地下水を最初から井戸を掘って使ってきた。

さらには、ここの地層は地下水の水圧で浮き上がってくる。建屋を建てたけれども地下水の水圧に押されて浮き上がってくるということを防ぐために、三月十一日の事故までの間に、建屋が浮いてこないように、一日八百五十トンもの水をくみ上げて建屋が浮上することを防いできたというような地層なんですね。

廣瀬社長、これでいいですか。

廣瀬参考人

お答え申し上げます。

先生御指摘のとおり、当初、ダムができるまで、昭和四十八年に坂下ダムというダムができておりますので、それ以降はそのダムから取水をして使っておりましたが、それ以前はおっしゃった井戸を使って、工業用水であるとか飲料水のためにそれを使っておりました。

それ以降も、四十八年以降もその井戸は防火用水として使うというためにずっとメンテをしてきておりまして、これはもちろん事故までのことでございますけれども、そうした用途で使ってきてはおりました。

辻元委員

そして、ここに、福島原子力発電所土木工事の概要、当時、第一原発を建てたときの現場の方が書いた「土木技術」の中に、非常に水との闘いだったということが出てまいります。

この中を幾つか御紹介しますと、いろいろな図があります。例えば、この部分は湧水が激しくて難渋した、さらには、いろいろなところ、ほかの部分でも水が出て、当所でも大いに悩まされたと。それから、いろいろな図の記号なんですけれども、EL二十六・五メートル付近から湧水が生じ、これが海岸の方へ向かって二・三%の勾配で走って、それをせきとめるのが、井戸を掘ってやったけれども非常にしんどかったとか、さまざまなところ、EL二十四メートル以下は湧水が全面的に地表に浸出してきてトラックの走行に支障を来した、敷地内に深さ六メートルの井戸を数本掘って何とか対応したとか、建てるときからこの地下水の問題というのは非常に深刻だった。

田中委員長にお聞きします。

二百五十メートルの井戸を掘って補給水に使っていたとか、当初から、福島第一原発の工事をするときから地下水との闘いであった、こういう資料が出ておりますけれども、こういうものを読んだり、御存じだったでしょうか。

田中政府特別補佐人

詳細までは読んでおりませんけれども、ずっと、発電の過程において地下水をくみ上げていたということは承知しております。

辻元委員

茂木大臣にお聞きします。

特に福島第一原発については、私は、この地下水の問題が出たときに、多くの技術者の方から、ああ、やはりねという声を聞いたんです。それぐらい有名だった話なんです。

茂木大臣は、土木工事のときにどうだったかとか、毎日八百五十トンの水をくみ上げないと地下水の水圧で建屋に影響が出るというような事実を御存じでしたか。

茂木国務大臣

そのレポート自身は拝見しておりませんが、地下水そして汚染水の問題、これは福島第一の事故収束を図る上で極めて重要な課題である。我々が政権に復帰させていただきまして、すぐに汚染水処理の委員会というものをつくらせていただきました。そして、五月の段階では、既に対策につきまして、緊急対策、抜本対策、こういったものもまとめさせていただきました。

さらに申し上げると、恐らく地下水という中でも、先ほど触れられた中粒砂岩層、一番浅いところの地下水、それから互層といいましていわゆる粘土質に挟まれた間の水、そしてさらに深いところが阿武隈山系から流れてくる地下水、大きく分けてこの三つがありまして、前者の二つについては雨水由来のものが多いというのが最近の研究結果だ、このように承知をいたしております。