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◎ 全ての力を合わせて被災地支援を

3月11日、東日本を未曾有の災害が襲いました。多くの方々が亡くなられ、いまなお哀しみと不安に震える方々がいます。
私は、この過酷な現実から眼をそむけることなく、未来を見据えながら、被災者の方々の生活を少しでもよくするために全力投球しています。
これまでの取り組みと今後の課題を報告します。

<官民でのスタート>
3月11日東日本大震災発生。13日、私は震災ボランティア担当の内閣総理大臣補佐官に任命されました。総理大臣官邸での任命式のその場で防災服に着替えて活動を開始しました。そして、早速NPO・NGOの人たちと被災者支援について情報交換を開始しました。
16日には「内閣官房震災ボランティア連携室(室長・湯浅誠内閣府参与)」(以下連携室)が官民のメンバーで立ち上げられ、同日のNPO・NGOとの会合で今後の連携が確認されました。そして、翌17日には連携室とNPO・NGOのメンバーで被災地の共同調査を実施し、官民での被災者支援がスタートしました。


総理大臣補佐官就任直後、全閣僚出席の緊急災害対策本部会議に出席。


<総理大臣補佐官と震災ボランティア連携室>
総理大臣補佐官という私の役職は、総理大臣の命を受けて重要施策について総理に直接意見具申するという職務でした。災害ボランティア担当の補佐官を置いたということは、ボランティアが被災者支援にとって重要であるということを政治が認識したということの現れです。
私は、総理大臣すなわち政府の政策の方向性や具体策が実効性をもつようにするために、被災地のボランティア団体の要望聴取や全国からの支援団体との意見交換を継続的に行っていました。被災者やボランティアのみなさんの思いを共有し、出来る限り現場の声を反映させることを心がけてきました。
そして官房長官のもとに設置された連携室の官民メンバーと情報共有し、連携チームの各省担当官と協力し政策を推進しています。
仙台、七ヶ浜、盛岡、遠野、花巻、野田村、宮古、大槌、塩釜、大船渡、陸前高田、気仙沼、南三陸、女川、石巻、亘理、山本、相馬、福島、いわき、郡山…。各地で自治体、ボランティアセンター、避難所などを時には寝袋持参で訪問し意見交換をしてきました。


左)プレハブ建ての、岩手県大槌町の災害ボランティアセンターにて。
右)岩手県陸前高田市の災害ボランティアセンターにて。


宮城県女川町にて。「18歳の息子と両親を亡くして立ち直ることはできません」と私の手を握り続けた女性。泣きながら、彼女の背中をさすり続けた。


<ボランティア活動の現状>
5月29日の時点で、被災地には、岩手県22ヶ所、宮城県13ヶ所、福島県30ヶ所のボランティアセンターが設置され、主に個人ボランティアの受け入れを行っていました。さらにNPO・NGO、医療関係団体、労働組合、生協や農協、商工関係団体、企業など、さまざまな立場の方々が活動しています。

○ 被災地のボランティアセンター設置状況はこちら


左)総理大臣補佐官就任から3日目、NPO・NGOや経済団体、生協などと緊急協議。
右)労働組合の連合は、震災発生後3ヶ月でのべ2万5千人のボランティアを派遣。


炊き出し、避難所でのケアや足湯、物資の仕分けや配布、孤立者の発見、泥だし、心のケアなど多種多様な活動がなされ、ボランティアセンターに登録して活動した個人ボランティアが約67万人(2011年8月14日現在)、それ以外の団体などによる活動も加えればさらに多くの人たちが参加しています。

○ 岩手県・宮城県・福島県の災害ボランティアセンターに登録し活動を行った人数はこちら(2011年8月19日現在)

被災3県だけではなく、被災者受け入れの全国の自治体でもボランティア活動は展開されています。
また、被災者のニーズのマッチングやボランティア情報の提供などをネットで行うITボランティアも日本国内外で展開されています。

<連携室の取り組み>
【1】政府・地方自治体・ボランティア団体などの緊密な連携
ボランティア活動の現場から寄せられる被災者の方々のさまざまなニーズを政府の被災者生活支援施策に反映させる役割も果たしてきました。
3月17日に設置された「被災者生活支援特別対策本部」(現・「被災者生活支援チーム」)では、松本防災担当大臣、平野内閣府副大臣、片山総務大臣、仙谷官房副長官そして関係省庁の担当者による会議が開かれています。
この会議には震災ボランティア担当補佐官の私と連携室員が出席しています。公的支援とボランティアによる支援活動の連携を図っています。
物資調整、医療福祉、国内外の支援受入、運輸通信、自衛隊調整、二次避難など総合的な「生活支援」を協議。給油、仕事づくりや学校対策、金融関係調整、倒壊家屋などの法的問題処理、仮設住宅、ご遺体の安置問題なども話し合ってきました。

またボランティア活動現場からの被災者のニーズによる支援策も実現してきました。
たとえば・・・。

いずれも官邸HPのトップページで閲覧できます。


宮城県亘理町の漁港にて。仙谷官房副長官とともに漁業関係者の方々の悲痛な訴えを聞く。緊急雇用の枠組みを紹介。

【2】関係者に対する必要な情報の提供
官民連携サイト「たすけあいジャパン」を通じての被災者支援の方法のご案内や政府からの情報の発信です。「たすけあいジャパン」は他の支援サイトと相互リンクをはって、幅広い情報提供を展開しています。英語での発信も行い、国内外のボランティアの手で運営されています。

【3】ボランティア現場からの意見や要望の窓口
阪神大震災の時、行政や国に意見や提案があってもどこに言えはいいのかわからないという声がありました。また、各団体も海外支援団体は外務省、防災ボランティア関係は内閣府、介護や障害者団体は厚生労働省というように関係省庁が異なります。そこで「とにかく何かあれば連携室にアクセスしてください」という窓口としての機能も果たしています

【4】ボランティアの受け入れ体制の確保
「仕事のマッチングやボランティアセンターの運営するスタッフが足りない」という声が各地から上がっていました。そこでボランティアコーディネーターなどの人員確保に必要な資金への厚生労働省等の助成制度(セーフティーネット支援対策等事業、雇用創出基金)について、ボランティアセンター、NPO・NGO、地方自治体に活用の働きかけを行ってきました。

【5】ボランティア活動に対する資金面の支援
今回の震災で、NPO・NGOをはじめ様々な団体がいち早く現地での支援活動を始めました。継続的な被災者支援が求められるなか、ボランティア団体からは運営が長期化すれば運営が厳しくなるという懸念が寄せられていました。そこで、「新しい公共支援事業」など内閣府の助成制度や民間の助成制度(中央共同募金会・日本財団・ジャパンプラットフォームなど)について、NPO・NGOや地方自治体に対して周知し、活用していただけるように働きかけています。

【6】ボランティア活動の促進
だれでも参加しやすいしくみ作りを進めてきました。
まず、学生、会社員、公務員…。だれでもボランティア活動に参加する時間を取りやすくするための取り組みです。

学生 ボランティア活動が大学の単位に認定されるように各大学に検討を促す通知を文部科学省が出しました。個人だけではなく大学単位でボランティア活動に参加する動きも出ています。
企業人 経済団体にボランティア休暇促進の要請をしました。企業単位で社員のローテーションによる継続的な参加や新人研修、またOB・OGへの参加の働きかけをする企業も増えてきました。
労働界 労働組合に組織として派遣を要請してきました。日本労働組合総連合会(連合)は3ヶ月でのべ2万5千人、自治労はのべ1万7千人の派遣を決定し被災三県各地で活動継続中です。その他組合単位の活動が展開されています。
公務員 ボランティア休暇を5日から7日に延長し継続的な参加呼びかけています。環境省では職員1千人内のべ250人がすでに参加、総務省、防衛省、外務省など新人官僚を中心に積極的に参加しています。地方公務員も自治体支援の即戦力として活動しています。

また、現場への交通運賃のボランティア割引の促進も交通機関に働きかけています。

高速道路 ボランティア活動従事の場合は通行料が無料(受け入れのボランティアセンターが必要)になりました。※出発地点の市町村の災害対応窓口に問い合わせてください。
鉄道 JR東北管区内からの復路運賃は半額になっています。
航空 航空会社各社が割引をしてくれることになりました。
※各航空会社に問い合わせてください。

ボランティアツアーの推進も行っています。
宿と交通手段さえ確保できれば参加してみたいという声が多数寄せられました。そこで、を旅行業界にボランティアツアーへの取り組みを要請しました。
被災地では復旧だけではなく地元産業の振興が大きな課題になっています。東北地方には温泉など魅力的な観光地がたくさんあります。しかし震災以降、訪問客の数が減っています。
そこで、ボランティア参加者に温泉などの旅館に宿泊してもらい、ボランティア活動と共に観光や交流も体験してもらって地域振興をすすめるという「東北応援W作戦」です。旅行業界と各地のボランティアセンターをマッチングするアレンジなどをしています。


<新しい官民連携の取り組み>
官民の新しい組織的な連携も始まっています。いくつかの事例を紹介します。
全国約500団体が加盟し「東日本大震災支援全国ネットワーク」が結成され、さまざまな被災者支援活動が展開されています。そしてこの会が主催をしてNPO・NGOと政府の定期協議も行われています。震災ボランティア連携室だけではなく内閣府、厚生労働省、外務省、文部科学省、経済産業省、警察庁、消防庁、気象庁などが参加し各種課題の解決を官民で共に進めています。5月25日には仙台6月3日には盛岡でも開催され、私も連携室員と一緒に参加しました。

○ 「東日本大震災支援全国ネットワーク」定例会議資料・抜粋(PDF)

宮城では「ボランティア団体(ボランティアセンター、NPO、NGO)・国・県・自衛隊」の被災者支援四者連絡会が立ち上がりました。炊き出しや物資配布、女性や子どものケアなどさまざまな課題を現場で話し合っています。これに呼応するように石巻や気仙沼などでは、「ボランティア団体・市・自衛隊」の支援協議の場ももたれています。これも今までにはなかった新しい動きです。

○ 被災者支援4者連絡会議資料・抜粋(PDF)

岩手では「いわて連携復興センター」が立ち上がりました。街づくりなどに取り組んできた岩手県内各地のNPOや商工団体などが一緒になって、仕事づくりや復興に地元の力を合わせて取り組もうという試みです。
現在政府では「日本は一つしごとプロジェクト」の推進をしています。瓦礫処理、避難所での各種仕事、町のパトロールや掃除など、被災者のみなさんに仕事として取り組んでいただき賃金を支払うというプロジェクトです。海外支援のNGOが展開する「キャッシュ・フォー・ワーク」の政府版です。第一次補正予算で500億円分の枠が確保されました。
県や市町村だけではなく企業や商工会議所、NPOなども雇用の受け皿になれます。「いわて連携復興センター」をはじめ各地で被災者の仕事作りに取り組むNPOや団体との連携も進めています。

○ いわて連携復興センター資料(PDF)

郡山のビックパレット福島では5月初旬に「おだがいさまセンター」が立ち上がりました。被災者自らが避難所の中に立ち上げたボランティアセンターです。中越地震の支援経験者や医療や法律相談窓口には全国からの応援ボランティアの方々が入って活発に活動が始まりました。


福島県郡山市の避難所で、被災者が自らたちあげた「おだがいさまセンター」。


○ おだがいさまセンター資料(PDF)

<NPO法と寄附税制の改正>
1995年、阪神大震災の時、私はNGO団体のスタッフとしてボランティア活動に従事しました。その時、ボランティア活動を継続的に続けるためには各種団体の運営や財政基盤を強化することが重要だと痛感しました。
そこで翌年、「NPO法と被災者生活再建支援法の制定」を公約に衆議院選挙に立候補しました。その後、当事者のみなさんの粘り強い運動が展開され両案は議員立法で成立しました。
しかし、NPO団体などへの寄附に対する優遇促進など改善点はたくさんありました。私は東日本大震災以前から超党派のNPO議員連盟(加藤紘一会長)の幹事長としてNPO法と税額控除導入の寄附税制の改正に取り組んできました。

この改正案は全会一致で6月10日に衆議院を通過しました。
持続可能な被災者支援だけではなく、日本社会に絆を取り戻すために大きな一歩となります。

<中長期の支援のために>
今回の震災では、息の長いボランティア活動の継続が必要です。
被災地が広域なため泥だしや仮設住宅への引越し手伝いなどまだまだ支援が必要です。さらに被災者のリラックスや心のケアなど多岐にわたるボランティア活動が求められています。
町ごと流された南三陸町のボランティアセンターではかわら版で「こんなボランティアさんありますよ」と呼びかけています。ヨガ、鍼灸、落語、カット、気孔、映画上映など特技を活かしたボランティアも活躍しています。

○ 南三陸ボランティアセンターかわら版(PDF)

今後、仮設住宅に移ってからもボランティアの支援が必要です。
阪神大震災の時、孤立死が問題になりました。この教訓からコミュニティー単位での仮設住宅への入居や集いの場づくりが進められていますが、この段階でもボランティアが重要な役割を果たします。外からの支援だけではなく、地域に根ざしたボランティアやNPOが継続的に活動できるように人づくりや基盤整備に取り組んでいきます。

私はNGO出身の議員です。ボランティアやNPO・NGOの活動は自主的に行われるものであり政府の指図によるものでも行政の下請けでもなく、官民がお互いに対等なパートナーとして連携することが原則だと自分の経験からも考えてきました。今回も「政府が号令をかけるべき」との声もありますが、政府の号令による活動はボランティアではなくなってしまうのではないでしょうか。補佐官の私や連携室など政府は「黒子」でした。
今後も、各県で活動中のボランティアコーディネーターやNPO・NGOスタッフなどと連携し、状況把握や問題解決など息長く努めていきたいと思っています。

<参考URL>

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辻元清美、いまやってます!

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