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◎ 「社会的包摂」で何度でもチャレンジできる社会を!

長い間日本政府は「日本に貧困はない」と言い続けてきました。しかし、2008年末の「年越し派遣村」には派遣切りにあい住むところを失った人たちが集まり、まざまざと日本の「貧困」が可視化されました。
私は「年越し派遣村」に何度も駆けつけ、翌1月、政権交代直前の通常国会冒頭に代表質問に立ち、当時の麻生太郎総理にこう質問しました。
「私は現地に行きましたが、政治に携わる者として、申し訳なく、恥ずかしくなりました。私は、今こそ、政府と自治体、企業、労働組合、さらにNPOが一緒になって、総合的な『対策本部』を、早急に、立ち上げるべきと考えますが、いかがですか? 仕事を無くした人、年とって不安な人、資金繰りに疲れはてた人。孤立し、絶望に追いやるのではなく、『ひとりじゃない、一緒にがんばれる』と実感できる政治にしたい。そのためには、『自分たちの手で選んだんだ』という、国民と政治との『絆』の回復が、『はじめのいっぽ』だと思います。総理、堂々と、国民の皆さんに、選挙で『日本の未来』を選んでもらいましょうよ」


2009年1月、日比谷公園の「年越し派遣村」にて。


経済成長を求めるだけでなく、セーフティネットをはって現代の多様なリスクから個人を守るのは政治の果たすべき最大の役割です。私は国土交通副大臣時代に、パーソナルサポートサービスの充実や、低所得者のための住宅政策の大転換をはかろうと、官庁をまたいだ会議の設立・運営に奔走しました。このとき立ち上げたパーソナルサポートサービスは、約20の自治体でモデル事業としてスタートし、注目されています。


2010年12月、近畿のパーソナルサポートサービスの現場で意見交換。京都府(左)・箕面市(右)。


そしていまは、年越し派遣村村長だった湯浅誠内閣府参与とともに「一人ひとりを包摂する社会」特命チーム
に参加し、座長代理として現場との議論を重ね「孤立化」の実態把握につとめています。これは、先の代表質問で私が提案した「総合的な対策本部」。今年の夏までに政策提言をまとめ、実態調査を進めると同時に、2012年度中に「社会的包摂戦略」をとりまとめます。もちろん当面の施策もどんどん実地させていきます。


2011年1月にスタートした「一人ひとりを包摂する社会」特命チーム、官邸会議室で協議を重ねる。


今回の震災で、多くの被災者の方々が生活基盤を失いました。いまなお多くの方々が避難所で寝泊まりし、阪神淡路大震災や中越地震のときも仮設住宅に移られた方々の社会的孤立や孤独死が深刻な社会問題となりました。この教訓から被災者支援も社会的包摂政策の大きな柱になります。とくに親を亡くした子どもたちへの支援や、放射能汚染から子どもたちを守ることは、最重要の課題と考えます。
政治は弱い人のためにあります。弱い立場の人たちが孤立していくのをなんとかくい止めなければ。そのためにも、今まで以上に力を入れて「社会的包摂政策」を推し進めます。

8月10日、「社会的包摂に関する緊急政策提言(案)」が出されました。私は、これこそ菅政権を象徴する仕事だと思います。このときの会議に並んだのは菅総理、福山官房副長官、湯浅誠さんらNPOのメンバー、そして私。「年越し派遣村」で社会を変えなければと誓い合ったメンバーです。菅総理も「私がやりたいことを5つの特命チームとして指示した」と発言。社会的包摂というコンセプトは、「社会保障・税一体改革」でも明示され、「東日本大震災からの復興の基本方針」のなかでも色濃く反映されました。ここに示された政策を、確実に実現していきます。

そしてもう一つ、長い間政府が認めてこなかったことがあります。それは原子力発電の「リスク」です。私は一年生議員のときに科学技術委員会に所属し、使用済み核燃料やJCOの臨界事故について質問を繰り返し、十分な情報公開や保安院の分離独立などを提言してきました。しかし当時の政府がいままでの政策を変えることはありませんでした。
今回、政府の要請を受けて浜岡原子力発電所の停止がやっと実現しました。様々な反応がありましたが、現実に「止まった」という事実はもう動きません。ここから未来をどう創っていくかが本当の勝負です。
巨大な発電設備による「電力の大量生産・大量消費」が安価で安定した電力を供給する、というのが戦後日本のエネルギー政策の根幹でした。しかし、ひとたび事故を起こせば原発はとてつもない人的・社会的・経済的損失につながります(欧米で新規原発の建設が進まない理由には、高額な損害保険金など経済合理性の観点もあるのです)。
私は、健全な形で市場の原理を導入することが、エネルギー政策に必要だと考えます。利用者が自分の意思でエネルギーを選択できるように政府が後押しするのです。カギになるのが、発送電の分離。そして「地域の絆」と「地域の資源」を活かした自然エネルギーの育成です。
太陽光発電に関心をもつ自治体は急増しています。バイオマス発電に取り組もうとしている森林組合や漁業組合などもあります。都市部では、下水道の「水流」を利用したマイクロ水流発電の試みも始まっています。温泉の余熱を活かした温泉発電も可能性があります。そうした事業や研究に対して集中的な投資を行い、競争力をつけ、消費者が電力を選べるようにするのです。
電力の安定供給という点からも、小さくて多様な発電所を分散的につくることでリスクを減らし、電力利用の効率化を促進するという主張が高まっています。
「自然エネルギーへの転換」と「社会の絆の再生」は、日本の政治・経済だけでなく、私たちの生き方・価値観(ライフスタイル)を「持続可能な共生社会」に向かって変えていきます。自然と人間の共生、都市と地方の共生、生産者と消費者の共生、世代間の共生、地域の共生、男女の共生、世界との共生……。そして中央集権型ではない地域分散型エネルギー政策への転換、即ち「エネルギー・デモクラシー(民主化)」の実現は、社会全体の民主化と情報公開、そして市民の政治や経済への参加促進につながると世界中で立証されています。
未来志向でつながり、政府・自治体・企業・研究者・市民が力をあわせ、新しいエネルギーのビジョンを探すことが大事です。
助けあいと自然エネルギー、この両輪で日本を変えましょう。

<参考URL>

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