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2013年6月11日 法務委員会

2013.6.11

議事録

辻元委員

ということは、今、再犯の予防という御発言もありましたけれども、その当事者にとって、再犯の予防だけではなく、社会に復帰していくことに非常に大きな意味があるということをしっかり担保していくことが、この制度への、刑期を言い渡される者や、そして司法関係者だけではなくて、社会一般にこのように変わったということの理解を広げないと、これから、後で社会貢献活動の質問もしたいと思いますけれども、社会にも周知徹底し、そして、社会貢献活動や、その他さまざまなところで社会が受け入れるというような社会全体の理解と、そしてさらに、それがプラスになるんだというような認識をしっかり持っていくことが大事ではないかと私は思います。

その観点から、具体的に今から質問したいんですが、まず大臣に、社会全体の理解といいますか、今までは、執行猶予、実刑とか仮釈放というのはわかっていて、それでなくても、例えば仮釈放者に対しての差別があったり、さまざまなあつれきが生まれてきたのも事実です。そんな中で、もう一つ新しい制度といいますかシステムが入るということで、社会全体に受け入れられる、そのために努力をしていただかなければいけないとまず思いますが、いかがでしょうか。

谷垣国務大臣

おっしゃるとおりだと思います。特に、犯罪者、犯罪を起こして刑務所に入った人間もやがて社会に帰ってくるんだということを考えますと、社会の理解あるいは地域の理解、そういうものがなければなかなかうまくいかないと思います。

それで、今度の制度も、確かに、一部執行猶予を入れるという中には、先ほどの御質疑のように、まさに刑というのは、犯した犯罪に対応する、等しいものでなければならない、アンバランスに長かったりなんかしてはいけないわけですね。でも、その限度内でどうやったらよりよく社会復帰ができるかという観点がやはり今度の制度の背景にあるんだと思います。

したがいまして、なかなか、この量刑をどうするのか、一部執行猶予と仮釈放がどう違うのかというのは、ある意味では、刑事制度の素人の方にはわかりにくい面があることも事実ですが、何を目指してこういう制度をやっているのかというのはよくよく御理解をいただくように、広報的にも努力する必要があると思います。

辻元委員

広報的にもとおっしゃったんですけれども、社会全体の理解、その上で社会貢献活動やさまざまな保護観察ということが成り立ちますので、その根本のところを司法の関係者だけが割合、こういう制度が変わったりしたら、わかっているわけですけれども、そして裁判員で新しく来られる方も、なかなか、それでなくてもいろいろ負担が多いとか不安であったりということをお持ちの方がたくさん出ているということも聞いておりますので、人の一生を左右するというか拘束するという話ですから、そこは徹底していただくようにお願いいたします。

その上で、保護観察の特別遵守事項について、幾つか具体的にお聞きしたいと思います。

今回の一連の改正で、先ほどからも出ておりますが、社会貢献活動を保護観察の特別遵守事項として義務づけるとなされております。

ここで例示されている活動を見ますと、公共の場所での清掃活動や落書き消し、福祉施設における介護補助活動、公園の緑化活動などが挙がっているんですけれども、何かちょっと内容が乏しいというか、見ましても、どういう基準でこういう例示をされているのか。どのような活動が更生に適しているのかということの事例の収集とかそれから調査をして、事例の紹介だけではなくて、これからそれを実行に移していくわけですから、科学的にというところまでなかなか実証できないかもしれませんが、一定の根拠があってお示しになっていると思うんですね。

今までどういう議論を積み重ねてこの社会貢献活動という具体的な事例を挙げ、今後もそれを実行に移そうとされているのか、お答えいただきたいと思います。

齊藤政府参考人

お答え申し上げます。

社会貢献活動、地域の利益の増進に役立つような仕事をしていただく、活動していただくということで、自分も非常に役に立つんだという自己有用性を感じていただいたり、一つのことをやり遂げたという自己達成感というんですか、そういうものを持っていただく、さらに、そういう活動を通じて社会のルールなども学んでいただくという目的で、今回導入させていただこうとしているものでございます。

委員御指摘のように、各地の実情に応じまして、公共の場所での清掃とか、落書き消しとか、福祉施設における介護等をやっておりますが、そのほか、公園の緑化、違法広告物の撤去、動物園での飼育補助、使用済み切手の整理などの活動も実施しております。公園の清掃など、諸外国でも行われておりまして、そういうものも参考に、いろいろなものを決めさせていただいているということでございます。

今、保護観察所では、今回の法改正も見据えまして、平成二十三年度から、現行の枠組みの中で、保護観察対象者の同意を得て社会貢献活動を先行実施しておりまして、平成二十四年度は千三百回の活動を実施して、約三千百名の対象の方が参加しております。活動に参加された保護対象者に対しましてアンケート調査を今実施しておりまして、それぞれの活動を通じて達成感とか自己有用感が得られたかどうかといった観点から意見を集約しておりまして、今その詳細について分析しているというところでございます。

辻元委員

諸外国の事例というのが今御答弁の中で出てまいりましたけれども、諸外国の事例もさまざま研究されたと思うんです。

その際に、こういう意味があるということと同時に、どういう問題点が生じたのかということも研究した上で踏み切らないと、先進的な事例で、問題点、何でも導入するときに、それは問題はなかったの、問題はどこにあったのということで、それを一つずつ消しながら運用していくことが必要だと思いますので、諸外国の事例などとおっしゃいましたので、そこで起こっている問題点などはしっかりと検証されたのかどうかが一点。

それと、私は割とNPO活動とかボランティアとかやっているんですけれども、今、自治会の清掃でも人が集まらなくて、みんな長続きしなかったりというようなことが言われておりまして、落書き消しなんかも、これはいろいろなボランティアで、日本だけではなく、ヨーロッパなんかも雇用対策として取り入れたりしていたりもするんですが、なかなか人が集まらなくて長続きしなかったりということが、日常または雇用という場面でも出てきているということを、現状をいろいろお聞きもしております。ですから、そういう点も含めてよく検討していかないと実効性に乏しいものになるのではないかと思っているんですね。

先ほど枝野さんの話でペナルティーということがございましたけれども、ペナルティーとしてするのではなくて、ポジティブ。しかし、ポジティブも、皆さん自治会の掃除をされたかどうかわかりませんけれども、なかなか長続きができなくて、かなりいろいろ地域地域で問題を抱えているということもある中で、この制度を導入されたときに一体どういう問題やあつれきが出てくるのか、先進的に外国なんかでもやっているところがあると聞いておりますけれども、そこでは一体問題は出なかったのかどうか、その辺はどういうように検証されたんでしょうか。

齊藤政府参考人

お答えいたします。

イギリスとか韓国などでもこのような類似の制度が行われているわけですが、社会奉仕命令を履行した者の再犯率が低いといったような報告がなされております。

しかしながら、委員御指摘のように、他方、問題点もいろいろと指摘されておりまして、諸外国における社会奉仕命令につきましては、例えば犯罪者の改善更生や再犯防止に役立てるためには、それをさせる対象者を適切に選ぶ必要がある、ふさわしい者をちゃんときちっとそれなりに科学的に判断して選ぶ必要があるということがまず指摘されております。

それから、実際にやっていただくにしても、いろいろな種類のものがあると思うんですが、その対象者に適合するものをよく考えてやっていただく必要がある、そこら辺を十分準備する必要があるというふうな課題が指摘されております。

さらに、活動中に種々の事故なども起こるようですので、そういうものに対する対策などについても十分検討する必要があるという課題などが指摘されております。

これら諸外国の課題も踏まえまして、我が国においても社会貢献活動を適切に実施できるよう配慮してまいりたいというふうに思っております。

それから、活動場所の確保というものでやはりなかなか大変な部分がございまして、地元の御理解も得なければいけません。それから、いろいろな団体の御理解も得なければいけません。そういうことで、例えば、平成二十三年には、総務省さんと連名で、各都道府県に対しまして、活動場所に関する情報とか、それから、そういう活動をされている方の情報などの提供をお願いしますというような文書も出させていただき、また、この社会貢献活動の内容について各都道府県に御説明に上がるといったようなこともさせていただいています。

また、それ以外に、いろいろな福祉団体等もございます、そういうところにも赴かせていただきまして社会貢献活動の趣旨なども説明させていただき、また、そういう場所の情報提供等にも御協力いただくようお願いしているというところでございます。