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2013年11月19日 国家安全保障に関する特別委員会

2013.11.19

議事録

辻元委員

個別具体的にとおっしゃいましたが、特定秘密が漏えいしたと疑われる全ての場合において、当該取材が不当な方法であったのかなかったのかと確認するために、当該記者や周辺記者などに捜査することになるんじゃないですか。

当該スクープが不当な方法だったかどうか、あらゆるスクープが出たときに、これは不当な方法で取材されたものかどうか捜査しないと、不当だったかどうかわからないじゃないですか。ということは、スクープした途端に全ての記者が捜査対象になるということじゃないですか。

森国務大臣

漏えいが行われた場合に、漏えいをした正犯である国家公務員等については捜査の対象となるというふうに思われますけれども、それに報道機関の方が関与しているような場合にあって、そこが捜査の対象となるかどうかというのは、個別具体的な事案に即して、捜査機関が二十一条の精神に照らして適切に判断するものと思われます。

例えば、中国潜水艦の動向に係る情報漏えい事件のような事件が起こった場合を考えますと、この事件の場合は、漏えいを行った自衛官は自衛隊法で起訴猶予処分とされておるわけなのでございますが、取材を行った記者等は立件等はされておりません。

辻元委員

それは、この特定秘密保護法案のような法律がなかった時代の話なんです。

森大臣は、ここに、法律にこの条文を入れたことで報道する側を守るとおっしゃったけれども、反対に使われる可能性が十分あるということなんです。不当な方法によらない場合はと、はっきり明文で入れているわけですよ。となると、捜査機関は、今おっしゃった事例はこういうような法律がなかったときですよ、報道機関に特化して一文を入れた、その中に不当な方法でない場合はということを挿入したことによって、捜査しなければならなくなるわけですよ。違いますか。

今おっしゃった例はこのような法律がなかった時代の話です。いかがですか。

森国務大臣

この条文は、原案が出された後に、各方面からさまざまな御意見をいただいたことによって、報道の自由または取材の自由に配慮する、そういう趣旨で特に規定をしたものでありまして、その逆に解釈されるようなことはあってはならないものと考えます。

この二十一条には、この法律の適用に当たっては、これを拡張して解釈することはならないと書いてあります。そして、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことはあってはならないと書いてあります。さらに、国民の知る権利の保障に資する報道または取材の自由に十分に配慮しなければならないと書いてあります。

この二十一条は、捜査機関、それから法律を適用する行政機関、それから裁判での司法機関、あらゆる場面において解釈指針となるものでありますので、反対の方向に運用されるという御懸念は当たらないものと考えます。

辻元委員

それは甘いと思います。私は、この法文が入ったことで、全ての記者が捜査の対象にまず網かけされることを促す法文というように読めます。

では、記者とそれから報道機関への捜査について、他国ではどうなっていますか。

例えばフランスでは、つい最近、報道機関の情報源秘匿を保障する法案というのを通しました。これは、はっきりと取材源に関する捜査は禁じられたんです。そしてさらに、ドイツでは、報道の自由強化法というのが成立しております。これは、幇助の容疑でジャーナリストが捜査を受けることが多々あった、その中で、憲法裁判所の違法認定を受けて、昨年、ジャーナリストは報道目的ならば機密を公表しても違法としないという法改正をしているわけです。

こうやって、取材源の保護や、そして本来のジャーナリズムの報道の目的を、社会の警鐘を鳴らす、権力をしっかりチェックするということを守っているわけです。

こういう条文をお入れになるのなら結構ですよ。しかし、「不当な方法によるものと認められない限りは、」とわざわざ入れているわけですよ。こんなことをなぜ入れているんですか、森大臣。

森国務大臣

報道機関による通常の取材行為は、処罰対象となるものではございません。

このことは、報道機関が公務員に対し根気強く執拗に説得ないし要請を続けることは、それが真に報道の目的から出たものであり、その手段、方法が法秩序全体の精神に照らし相当なものとして社会観念上是認されるものである限りは、実質的に違法性を欠き正当な業務行為であるとされている最高裁決定からも明らかであります。

しかしながら、取材の手段、方法が、贈賄、脅迫、強要等の一般の刑罰法令に触れる行為を伴う場合や、取材対象者の個人としての人格の尊厳を著しくじゅうりんするような態様のものである場合には、正常な取材活動の範囲を逸脱し違法性を帯びるとしておりまして、このような場合には、報道機関の取材も、特定秘密の漏えいの教唆や取得行為となる場合があり得ます。

この最高裁決定の趣旨を踏まえて、「出版又は報道の業務に従事する者の取材行為については、専ら公益を図る目的を有し、かつ、法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められない限りは、これを正当な業務による行為とするものとする。」というふうに規定したわけでございます。

辻元委員

今るるおっしゃいましたけれども、今のようなことを調べるために、全ての、スクープなどをした記者は捜査の対象にはなるということなんです。

では、不当な方法かどうかということについて、一、二、具体的な事例をお聞きしたいと思います。

この二十一条で著しく不当な方法と言われていることと、二十三条、罰則の中に、人を欺き、人に暴行を加え、人を脅迫する行為、財物の窃盗もしくは損壊、施設への侵入、有線電気通信の傍受、不正アクセス行為、その他の特定秘密を保有する者の管理を害する行為、これが罰せられると書いてあります。

この不当な行為というのと、この罰則に列挙されていること、これは不当な行為ということですか。

鈴木政府参考人

お答えします。

本法案二十一条第二項の著しく不当な方法とは、取材の手段、方法が一般の刑罰法令に触れないものであっても、取材対象者の個人としての人格の尊厳を著しくじゅうりんする等法秩序全体の精神に照らし社会観念上是認することができない態様のものである場合がこれに当たります。

一方、第二十三条は、同条に規定する、詐欺、暴行、脅迫や、財物の窃取等による特定秘密の保有者の管理を害する行為を対象としておりまして、本法案二十一条第二項の著しく不当な方法とは意味が異なります。

辻元委員

ということは、施設への侵入とか、それから管理を害する行為などとは意味が違うということですね。

では、ちょっとお聞きしたいんですが、森大臣、最近、ジャーナリストの中には、福島第一原発に作業員の身分で入って現場のルポをしている、そういうこともございます。これは、刑罰に当たる二十三条との関係でいえば、人を欺き、施設に侵入したに当たりますか。

森国務大臣

原発事故に関する情報は、特定秘密にそもそも当たりません。

辻元委員

警備はどうですか。

森国務大臣

通常の警備の情報も特定秘密に当たりません。