辻元分科員
それでは、集団的自衛権の行使という、最も戦後、私は、十七年前に初当選から安保委員会、それから周辺事態法の議論にも参加しておりまして、その都度都度、集団的自衛権の行使の制約があるために、何ができて何ができないかとさんざん国会で議論してきて、歴代の法制局長官とも議論してまいりました。非常に日本の根幹をつかさどっている憲法九条。
そうしたら、法制局長官にお答えいただきたいと思いますが、現時点で、この憲法九条では何が禁じられているんですか、現時点で。
小松政府特別補佐人
これは、安倍総理も、それから官房長官も私も、現時点において、憲法九条に関する解釈は従来どおりであると言っているのです。その上で、今、安保法制懇で議論をしているので、その結果を踏まえて再検討するというのが現在の内閣の立場でございまして、それは私の立場でもございます。
そこで、今の、従来の憲法解釈は何かということ、これは長々と申し上げるのは大変申しわけございませんので、なるべく短く申し上げたいと思いますが、こういうことでございます。概略、次のように言っております。
憲法第九条一項は、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と規定し……(発言する者あり)
岩屋主査代理
質疑者以外は御静粛に願います。
小松政府特別補佐人
さらに、同条第二項は、「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」と規定している。
しかしながら、憲法前文で確認している日本国民の平和的生存権や、憲法第十三条が生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利を国政上尊重しているという趣旨を踏まえて考えると、憲法第九条は、外国からの武力攻撃によって国民の生命や身体が危険にさらされているような場合に、これを排除するために必要最小限度の範囲内で実力を行使することまで禁じてはいないと解され、そのための必要最小限度の実力を保持することは禁じていないと解される。
したがって、こういう考え方に基づきまして、次のようなことを言っております。
我が国が例外的にやむを得ず武力を行使する場合があるが、その要件として、以下の自衛権発動の三要件が満たされなければならないということでございます。
すなわち、第一要件、我が国に対する急迫不正の侵害があること……(発言する者あり)
岩屋主査代理
答弁中ですから。
小松政府特別補佐人
すなわち、我が国に対する武力攻撃が発生したこと、二、これを排除するために他の適当な手段がないこと、三、必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと、この三要件を満たさない武力行使が禁じられているというのが政府の見解でございます。