つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2005年10月7日 安全保障委員会

2005.10.7

議事録

井貫政府参考人

水産庁が一九九八年に編集いたしました日本の希少な野生水生生物に関するデータブックにおきまして、ジュゴンについては絶滅危惧種と評価されておるところでございます。

辻元委員

ジュゴンも絶滅危惧種であると。

私は今回、SACOの合意で、先ほど防衛庁長官がちょっと反省という言葉を述べられた中には、やはり環境との共生や地元住民の皆さんの感情を考えたときに、ちょっと無理があったなというお気持ちを察しながら、反省という言葉をお聞きしておりました。

これはアメリカ国内でも、これからこの裁判が始まっていく中で、結局、先ほど申し上げましたように、歴史保護法に基づいて国内の基準が外国に適用される場合、このジュゴンというものについてもそれが適用されるということが裁判所では認定され、裁判が始まる。一方で、アメリカの中では先ほどのような判決も出ております。

ということになりますと、この裁判そのものの行方によっては、この辺野古の今までの案も、それからいわゆるリーフ案と言われるものについても、これは中断を余儀なくされる可能性があるというところまで私はきちんと見越しておかないといけないと考えていますが、防衛庁長官、いかがですか。

大野国務大臣

今のジュゴン裁判でございますけれども、原告が日米の環境保護団体等でございまして、等の中にジュゴンが入っている、ジュゴンが原告のお一人だと。いや、おもしろいなと思って、興味深いなと思っておりますけれども、何しろアメリカの裁判でございます。アメリカの裁判について、私としては、やはりいろいろな考え、所見を述べるということは差し控えさせていただきたいな、このように思っています。

辻元委員

それは、よく係争中のことにつきましてはというのは、どういう判決が出るかわからないのでなかなか今言えないと。どういう判決が出るかわからないんですよ。

これは、今ここに私はその判決文というか、この間ラムズフェルド長官の棄却されたものを持っていますが、まさしく原告は沖縄ジュゴンなどと書いてありますね。下にラムズフェルドと書いてあるわけですね。

私はやはり、この辺野古、それから辺野古ライトというのは無理があると思いますし、先ほど民主党の議員の方がおっしゃって、いろいろ質問されていましたけれども、シュワブの中にというのもかなり無理があると。

これは、SACOのこの合意のときにも一つの焦点になったのは、住民の理解が本当に得られるのかという点でした。それは、沖縄の負担を軽減する、しかし、辺野古の沖合に新しいものができるじゃないか、そうすると、これは負担軽減というより新しい基地、それも、あの美しい海の上にコンクリートの塊でつくるということですから、新しい基地ができる、負担の軽減と違うやないか、それから、ほかに持っていくといったら基地のたらい回しやないかという議論が、SACOの合意のあの時点でもかなりそういう意見が出たわけです。

そういう中で、自治体選挙は確かに私も、岸本さんや稲嶺さん、大田さんの選挙などのときも現場に行っていました。ただ、辺野古の場合は、住民投票では、これはノーという住民の意思も示されたわけなんですね。ですから、もとからやはり県内に移設していくということの無理が今噴出してきているように見えます。

その中で、小泉総理がこういう発言を先日予算委員会でされました。これは辺野古の皆さんについてです。「地元の実情、そして座り込みをしている方々の強い阻止の決意、御苦労を私もよく理解しているつもりであります。」そして、もう一つ、これはある講演で、小泉総理がこういう発言をしています。これは昨年の十月一日、東京都内の講演ですけれども、沖縄以外の都道府県のどこに持っていくか日本政府は考えて、自治体に事前に相談しなきゃいけないことがあるかもしれないと。やはり、なかなか中でというのは難しいというような認識はお持ちだと思うんですね。

特にこの辺野古の、防衛庁長官も辺野古に行かれたかどうか、辺野古の海を見られたかどうか。地元の住民の皆さん、この方々、小泉総理も座り込みをしていらっしゃる方々という、わざわざこれはここを指して発言していますけれども、こういう地元の感情についてどのように受けとめていらっしゃるのか。

私は、先ほど反省という言葉の中に、やはり環境と地元の皆さんへの配慮についてのお気持ちが込められていたと思いますね。ですから、そこはいかがかを最後にお聞きし、先ほどの裁判については、非常にこれから世論が盛り上がっていく可能性もあるというところを重々ちょっと検討していただく価値があると私は思っております。いかがでしょうか。

大野国務大臣

まず申し上げたいのは、米軍が日本に駐留している、このことでございます。

これは、日米安全保障条約に基づきまして、米軍は日本とともに日本の安全を守ってくれている、平和を守ってくれている、こういう存在でありますから、大変大きな抑止力になっている、このことは十分認識していかなきゃいけない。その上で、やはり実際に基地のあるところには大変な御負担をおかけしている、このことも我々は十分配慮していかなきゃいけないわけでございます。

その場合に、この駐留しているアメリカ軍と地元の皆様がいつもけんかばっかりしている、相反した行動ばっかりしている、これは大変不幸なことじゃないか、私どもはそれを少しでも解消していきたいがために、やはり地元の皆様に十分御説明をして、地元の御理解を得られるような基地にしていかなきゃいけないなと。

なかなか難しい課題でございますけれども、そういう意味で、先生がおっしゃったようなあらゆる側面、自然環境のことを特におっしゃいましたけれども、騒音とか自然環境、あるいは危険性とか基地の大きさとか、あらゆる要素を勘案して、せっかくSACOの合意の延長線上で辺野古沖の案ができたわけですけれども、振り返ってみると、十年たってまだなかなか進んでいない。こういうことも反省していかなきゃいけない。あれが十分進んでいけば、あの普天間飛行場の移設問題が昨年急に浮かび上がってくることはなかったわけですから、そういうことも反省しながら、あの苦渋の選択は辺野古だった、しかし、今まさに、もう一つ苦渋を抱えながら、今先生もおっしゃったような意味でもよりよき選択をしていきたい、このように思っています。

辻元委員

終わります。