つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2006年2月27日 安全保障委員会

2006.2.27

議事録

麻生国務大臣

辻元先生から国益という話を聞いて、ああと思って非常に感激していたところだったんですけれども、直ちに取り消しされるような話だったので少々残念でしたけれども。

いずれにいたしましても、今、私どもとしてはイスラエルに対しても、これまでもいろいろ、天野等々、天野というのは軍縮の管理官ですけれども、こういった者を使いまして、過去にいろいろ、NPTに参加する等、イスラエルにいろいろ働きかけを直接やってきたという点に関しては、アメリカよりはるかにいろいろ直接な影響を与えようと努力したことは確かです。

しかし、今私どもとして一番の問題なのは、おっしゃるとおりに、イスラエルを巻き込んだ方がいいのではないか、一つの考え方だと思いますけれども、問題は、このイランという国は、やっとらぬ、そんなことはやっとらぬと言いながら実はやっておったという話で、IAEAに対してうちは全然やっとらぬと言い続けていた、うそついていたわけです。そういったことになりますと、これはなかなか信用がされにくいというところが、今多分一番の不信を買っているところだ。やれということになって、これは大分、ロシアを含めて皆、これはとんでもないということになっていったんだと思うんですね。

こういった原子力のことに関しましては、これは御存じのように、日本でもいろいろ、我々はイランと違って、こっちは石油のない国ですから、原子力発電所等々いろいろ私どもやっていますが、私どもが文句を言われないのは、うちは完全にオープンだったからということが一番の違いだと思いますので、イランに関しては、断固、そこのところの不信感から取り除かないと、前に全然進まないんだと思います。

辻元委員

では、最後にもう一言だけ。

今、先ほどの御答弁の中では、平和利用であるなら全部出せと御発言されました。情報をということだと思いますね、査察も含めて。日本はそれをやっているから国際的に信用されているという御発言もあったんです。

そうしたら、全部出したらやっていいんですかという話になってくるわけですよ。そこも、今、NPT体制、核不拡散の問題では国際的に一番大きな焦点になっています。要するに、同じように査察を受け入れ、その体制を受け入れるならば、どこの国でも再処理やウラン濃縮をやっていいのかというところが焦点になってきているわけです。

そこで、エルバラダイIAEA事務局長が、日本は今六ケ所で初めて再処理すると言っていますけれども、日本は物すごくプルトニウムを持っているわけですよ。このままあっちもこっちも、日本もやっている、日本と同じ条件やったらうちもやらせて、うちもやらせてといって、どんどん地球上にプルトニウムがふえていいのかという局面まで来ている中でのイランの核開発なんです。エルバラダイ事務局長は、日本も含めて一たん再処理をとめてくれ、そして、その間に国際的にこの問題をどう取り扱うか、今度ウラン濃縮についてはロシアにという委託を言っていますけれども、それでいいのかということも含めて、国際的にどういう管理体制で進んでいくのかということを議論したいからとめてくれということを提案しています。

ですから、私は、最初、アメリカのこと、そしてイスラエルのこと、そして国際的にそういう平和利用ならいいのかというところまで議論が進んでいるということを背景に、認識された上で、イランの外務大臣と議論された方がいいと思います。

私は、このエルバラダイ事務局長の……

浜田委員長

時間です。

辻元委員

提案は非常に懸命な提案だと思っています。

外務大臣、何か最後に、平和利用なら日本と同じように、では条件を満たせばイランは開発していいんでしょうか。どう思われますか。

浜田委員長

時間ですので、手短に、一言でよろしくお願いいたします。

麻生国務大臣

この種の話を手短にやると、手短な部分だけとられてまた話が込み入りますので、ちょっと時間をいただくことになるかもしれませんけれども、御希望に沿うようにいたします。

今の話ですけれども、平和利用だったら何やってもいいのかと言われても、それは、法律に違反してなきゃ何をやってもいいのかという最近はやっている話と似たような話ですよ。

そういった意味でも、そういうことを言っても、辻元さんならいいわと言うか、麻生さんならだめだと言うか、それは世界じゅうの信用問題ですから、ここのところは、平和だから利用せいと言っても、ある日突然その技術が平和のためじゃない方にぱっと使われる可能性のある国というのも、これは危ないなと思うと、なかなかみんなオーケーしない。エルバラダイの気持ちはわからぬでもないなという感じはいたしますけれども。

私どもは、平和利用だったらだれでもええのかと言われると、それはなかなか、それはまた別の次元の話ではないのかなという感じはいたします。

いずれにしても、今の御提案というのは一つの参考に使わせていただきます。

辻元委員

終わります。