つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2006年4月21日 安全保障委員会

2006.4.21

議事録

額賀国務大臣

アメリカの場合も、そういう先制的な考え方というものは、この前のQDR等々にもあるいは戦略構想にも入っておりますけれども、それがいわゆる国家侵略のための正当化されるものではないということ、その前に平和的に外交的な手段をもって国際的な安定を考えるのは当然であるということ、あるいはまた国際的な法的な枠組み、国際協調、そういうことを尊重しなければならないということもあわせて言っているわけでございますから、それを一つだけピックアップして取り上げるのはアメリカについての健全な理解にはならないのではないかというふうに思っております。

辻元委員

なぜ申し上げるかといいますと、やはりその点について私たちは深く考えなければいけないのではないかと思っているからなんです。

イラク戦争の行方を見ましても、非常に混迷を深めております。このイラク戦争に対するいわゆるアメリカの攻撃というものをどう総括していくのか。私は、そこは日本も、日本政府及び私たち独自に、これは一体どういうことだったのかということの検証が必要だと思うんです。ああいう形でこれからも世界じゅうに、テロの脅威かもしれない、または関連があるのかもしれないということで武力行使をしていく、軍事攻撃をかけるということについては、私は賛成しかねる立場ですけれども、日本政府はイラク戦争について当時支持及びサポートするということでしたけれども、しかし、この点についてはかなり深刻に検証し直す必要があると思うんです。

そういう中で、アメリカがまだ先制攻撃のことを言っております。ここはやはり突出していますよ、アメリカの政策としては。ですから申し上げているんですね。

イラク戦争については、いかがですか、私は深刻に総括した方がいいと思いますが。どうでしょう。

額賀国務大臣

これはもう何度も議論されておりますけれども、イラクは当時、独裁国家として、さまざまな大量破壊兵器を使って、自国の国民を虐殺したりした経緯がある、あるいはまた侵略戦争を行った経緯もある。そういう中で、十二年間にわたって国連の決議を無視して我が物顔で国家運営を図っていた。そして、そういう中で、我々は、国連の決議に基づいて、こういう独裁国家あるいは大量破壊兵器の拡散、そういったものが世界じゅうに広まっていくことを恐れて、多国籍軍の戦争に対して同調をしたわけでございます。それは、テロの温床として世界の不安定な要因をつくり出していくことをやはり我々は恐れたわけでございます。

戦争の後に、今、さまざまなイラクの民主主義国家を目指す動き、政治プロセスが行われているわけでございますけれども、我が国は、やはりイラクの国家においてイラク人の手で民主化されていく作業を少しでもお手伝いしようということで、自衛隊を派遣させていただいているわけでございます。イラクがきちっと国家としてみずからの手で成り立っていくことが我々の理想とすることでありますから、そういう環境づくりのために国際社会の一員としてそれなりの汗をかかせていただきたいというのが我々のスタンスと思っていただきたいと思います。

辻元委員

今の御答弁の中にもあらわれているんですけれども、私はもっと深刻な事態だと思うんです。これからアメリカがどういう軍事戦略をとっていくのか、そして私たちはどうつき合っていくのかというところをきちっと考え直す時期ではないかというふうに私は思っております。

今、長官の御発言の中に、恐れてという言葉が二、三回出てまいりました。そういうことなんです、恐れて攻撃するという。これは、やはり過去の戦争の歴史の中で、私たちは何回も過ちも繰り返してきたわけです。

今、同時代に生きる者として、私たちがどういう方向に進んでいくべきなのか。例えば、テロの拡散とおっしゃいましたけれども、イラク戦争の結果、テロは私はふえていると思います。拡散していっているわけです。

ですから、今、政府としてのかなり一つの定型の御答弁をいただきましたけれども、私は、日本の安全保障を考える上でも、このイラク戦争及びアメリカの世界戦略をどう見るのかということをしっかり考えるべきだと思うんです。なぜかといいますと、同床異夢じゃないかと思うんです。

先ほど長官は、日本の安全保障というようなことを中心に御答弁を最初にされました。しかし、アメリカは世界じゅうに、いわゆる自由主義という発言もございましたけれども、ある意味先制攻撃も辞さずという姿勢で臨もうとしています。これは世界に大きく戦場を広げたという考え方もできると思うんですね。そういう中で、日本とアメリカの関係をどうすべきか。日本は、いや、うちの安全保障やと言って、アメリカは世界戦略。

そういう中で、やはり、自衛隊との人事、情報、作戦、兵たん、調整の一体化を進めていくということがどういう方向に行くのかという懸念を持っております。

例えば、陸海空といいますけれども、陸の話は、先ほど座間の話が出てきました。アメリカの陸軍第一軍団司令部、そして中央即応集団が行く、かつ空の方でも、共同統合運用調整所と、横田に自衛隊とアメリカの空軍、そして海の方は、横須賀、第七艦隊ということで、私は、統合を進めていく方向というものは、アメリカの世界戦略の中に日本がどんどん組み込まれていくというのでいいのかというように思っているわけです。ですから懸念を申し上げているわけです。この話は最後にもちょっとお聞きしたいので。

その中で、先日私が質問いたしました普天間の代替施設の問題についても一、二お聞きしたいんです。沖縄というのはその中核を担う可能性がありますので。

一つは、どういうものが普天間から代替施設に、まだ決まっておりませんけれども、行こうとしているのか、具体的にお答えいただきたいんです。ヘリの訓練とかというのは抽象的なんですよ。ヘリコプターが何機、そして固定翼機、先日は御答弁で三機ということでしたが、何がどれだけ行こうとしているのか。これは地元の住民の皆さんも、一体どうなるんだろうというふうに不安をお持ちですので、ここではっきり事実を確認しておきたいと思います。いかがですか。

額賀国務大臣

お答えいたします。

今の普天間はキャンプ・シュワブに移転することになるわけでありますが、現在の普天間にある状況というものを説明させていただきますと、海兵隊のヘリ約六十機、固定翼連絡機三機及び空中給油機十二機が配備されている。機種については、ヘリがCH46E二十六機、CH53E十四機、AH1W十三機、UH1N八機、固定翼連絡機、人員輸送機ですが、C12二機、UC35一機、空中給油機、いわゆるKC130十二機と承知をしているわけでございます。

この中で、普天間飛行場代替施設に配備される航空機について、現時点で申し上げられることは、KC130以外の航空機が代替施設に移転するものというふうに思います。

辻元委員

そうすると、それが移転するのみと考えてよろしいですか。