つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2006年10月17日 安全保障委員会

2006.10.17

議事録

久間国務大臣

インド、パキスタンの場合はいいと言っているわけじゃございませんで、インド、パキスタンについても、とにかく核兵器を廃止してもらいたい、そしてまた、それについてはこれから先も言い続けたい、そういう気持ちはあるわけです。

ただ、北朝鮮と比べると、インド、パキスタンの場合は脅威としての感じ方が違うというニュアンスで先ほど言ったわけでございますので、そこのところは、どうかひとつ誤解のないようにしていただきたいと思います。

麻生国務大臣

キロトンで申し上げた方がいいんだと思いますが、正確な数字は必ずしも明らかではありませんが、一九九八年、インドの核実験の規模につきましては、政府発表ですけれども、合計五回の爆発が行われておりまして、それぞれ、一回に十二から十五キロトン、それから四十三から四十五キロトン、残りの三回につきましては一キロトン以下であったと承知をいたしております。

同じ年のパキスタンの核実験の規模につきましては、パキスタン政府関係者がプレスに述べたところによりますと、合計六回の爆発が行われ、そのうち一回は三十から三十五キロトン、もう一回は十四から十五キロトンであったと承知をしております。(辻元委員「北朝鮮は」と呼ぶ)北朝鮮は全然わからないわけですよ。

辻元委員

きょうの報道によりますと、北朝鮮の実験、アメリカが確認ということですけれども、一キロトン以下という報道がなされています。どちらにいたしましても、パキスタンが三十から三十五、インドが十二から十五、アメリカもかなり大きい実験を行っておりますので、規模でいえば、かなり北朝鮮の場合は小さいわけですね。

ですから、脅威というのが有効とか、私は、核の場合は違うと思います。先ほど長官は、インドとパキスタンはそれぞれ対立しているので核の抑止と言いました。そうおっしゃったですよ。そうすると、例えば北朝鮮がもしも持つんだったら韓国もと、これが核のドミノというわけです。

ですから、私は、あらゆる核に対して、今、ダブルスタンダードと言われています。あっちはええけれどもこっちはあかんと。すると、それを見ている人が余計反発してとか、核を持っている国がおまえら捨てろと言うても、あんたらも持っているやん、こうなってしまって、日本は非常にいい位置にいると思うんです。唯一の被爆国です。あんたら持ったらあかん、持っている国々にも、もう持たさぬようにするんやと。一番いいポジションにいると思いますので、私はそのポジションのメリットを生かすべきだと思っています。

さてそこで、今度はインドなんですけれども、NPT体制にもインドは入っていません。ところが、二〇〇五年に、昨年、アメリカが原子力協定を結んだわけです、インドと核協力をすると。そして、ことし七月にはアメリカの下院で、アメリカとインドの原子力協力促進法というのを成立させました。これは結局、ウランの確保にかなりインドは苦心していましたから、アメリカはそこに協力していくということなんですね。いわゆる民生用のところに協力するということで、そうすると、国内的に、軍事に転用する量がふえるんじゃないかという専門家の指摘もなされています。

さてここで、今北朝鮮に対して、各国そろって、足並みそろえて制裁しようというときに、NPT体制にもインドは入っていない。そしてさらに、これはアメリカとインドだけが協定を結んでもできません。四十五カ国で原子力供給国グループというのがあります。これは全会一致が原則なんですけれども、そこも、インドはNPT体制に入ってへんけれどもアメリカと協力していいですよと言うのか、この状況下で、核拡散が心配されている状況下で。日本も間もなく態度が迫られるわけです。

私は、先ほど言いました、唯一の被爆国として、核はすべてだめだと。北朝鮮に強いことを言うためにも、ここは、NPT体制に入っていないインドに対しては例外を認めないという態度をとるべきだと思いますが、外務大臣、いかがですか。

麻生国務大臣

これは、ダブルスタンダードの話は前からある話ですけれども、民生用の原子力協定に関する米印合意、意味わかりますね、物すごく大事なところですよ。インドの戦略的重要性、エネルギー需要の増大の手当ての必要性については、これは日本としても理解をしております、この点に関しては。すごく大事なところです、ここのところは。ここのところは、これはインドがあの十億人の数が爆発的にふえていくときに当たって、いわゆる石油のということになりますと、これはえらいことになりますので、そういった意味でも、理解をしております。

他方、NPTに加入していないインドに対して原子力協力を行うことについては、NPTを基礎としております国際的な核軍縮・核不拡散体制への影響というのは必ず出ますので、その他関連の要因を注意深く検討する必要があると常々申し上げてきております。

そのような観点から、日本としては、先ほどおっしゃいましたNSG、原子力供給グループなどでの国際的な議論にも積極的に参加をしているところであって、先ほど言われましたように、被爆国の話もありましたとおり、日本としてはこの点を最も言いやすい立場にもあるというのは間違いない事実だと思います。

辻元委員

民生用というのがよくダブルスタンダードに使われる、それも常套手段なんですよ。イランは民生用と言っておるわけです。ですから、そこは大臣、そんなに甘くないですよ、この状況は。私は、きちっと、日本は毅然と被爆国として反対すべきだと思います。

さて、その大臣にお伺いします。

これは二〇〇三年なんですけれども、毎日新聞が、核武装を検討すべきかどうかということを選挙の直前にすべての候補者に調査をいたしました。そこでは、今問題になっている中川自民党政調会長や、安倍当時の幹事長も検討すべきと返事をされていて、麻生大臣も、びっくりしました、検討すべきという御回答をされているんですけれども、そういう認識なんでしょうか。私は、今外務大臣がそういう御認識なのかと愕然といたしました。

麻生国務大臣

そもそも、日本において核兵器保有の選択肢というのは考えられないという政治の立場については、もう従来から累次にわたって説明してきたと思っております。

ただ、日本の核政策の変更の議論というのは全くされておりませんが、その当時、核兵器というものの保有について検討すべきか、だんだんだんだん隣がみんな持っていくときに、日本だけ何の検討もされていないというのはいかがなものか。いろいろなものを検討した上で持たないというのも一つの結論ですから、そういった意味で、何の勉強もしないまま、無知のままでいくよりは、きちんと勉強した上で持たないというのも一つの選択肢だと思っております。

辻元委員

私は、その点は非常に残念な御発言でした。

この北朝鮮核問題に、直接いろいろな国と交渉なさるわけです。日本はやはり被爆国。非核三原則を堅持するということをしっかり示されないと、検討するということは、変える余地もあるということですよ。ですから、私は、外務大臣こそよく勉強していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。この問題は引き続きまたやりたいと思います。