つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2006年11月24日 安全保障委員会

2006.11.24

議事録

木村委員長

時間が参っておりますので、参考人、簡潔に願います。

増田参考人

私は、一人の学者でございまして、先生からすれば机上の空論を並べているものにすぎない、先生のように、現場に携わって、つぶさに体験をしたような立場からお話しすることはできません。しかし、物事というのは大所高所からやはりとらえるということが大事であって、政治家もまたそのとおりであろうと私は考えております。

そういう意味において、先ほど申し上げたことをもうここで繰り返すことはいたしませんけれども、やはり、九〇年代を通じて日本のPKO活動というものが国際社会に評価されたということは、もう厳然たる事実として私はそのように指摘できると思います。

富井参考人

辻元先生の御指摘、もっともだと思います。ただ、評価しろといっても、ここで時間がないし、私も細かいところまでは知りません。

ただ、最後に一言確認のために申し上げておきますけれども、改正案の三条二項というのは、これまでの周辺事態法とPKO、いろいろな活動、それを、本来任務化という意味がちょっと、確かに危険、今話を聞いていると、危険だ、危険な香りがあるなんというような感じもしないわけでもないんですが、むしろ、これまで百条にだらだらつけていたものを精緻化するということが基本だというふうに考えております。ということで、特に問題ないというのか、そういうことでいいんじゃないか。

それで、あと、具体的な中身を知らないかということですけれども、しかし、本来任務化したからといって、すべての例えばPKOに出るということではもちろんないわけです。PKO法がそこで法律的に優先するわけで、PKO法では、ちゃんと国会の承認ですとかそういうことがあるわけです。したがって、一番重要なのは、例えば三条二項というのがもしできて、それが危険というかいろいろ解釈されるということがあったとしても、しかし、個別法では、議会、国会の承認ということを置いています。だから国会がしっかりしてもらわなきゃいけないということだと思います。

前田参考人

おっしゃるとおり、PKOは、初期はフィンランド、ノルウェー、カナダといった北欧の中立国が主に担ってきました。今は、バングラデシュ、パプアニューギニア、フィジーといった国が、多く兵力を、歩兵部隊に関しては参加させています。これは、経済的な理由が御指摘のとおりあると思います。ですから、日本は、そのような分野ではなしに、医療であるとか通信であるとか、より高度な技能を要するようなところに出していくことが望ましいと思います。

私は、カンボジアとルワンダ難民救援で何度か現地を見ました。ルワンダの給水活動支援は大変考えさせられるものがありました。スウェーデンから引き継ぎ、ドイツに渡したんですが、スウェーデンはNGOでした。ドイツは、政府機関、内務省の組織でした。両方とも百人以下でやっているのを、日本の自衛隊はたしか四百人ぐらいでした、でやる。能率は同じで、スウェーデンとドイツは運んでいっているんだけれども、日本は蛇口を設けてそこにとりに来てもらうというようなことで、これはむしろ、本当に、下請といいますか、そういう民間に任せた方が、きめ細かな、また的確なサービスをより安くできるということを痛感したわけです。

今回、三条二項にああいう形で自衛隊の基本任務としてなるとすれば、PKOだけではなしに、大きな国際救援という名目で自衛隊が出ていく。そうしますと、武装部隊が出ていくわけですから、武器の防護のための武器使用というようなことにわたるような、自己肥大的なものになっていく。PKOを初めとする人道的救援に関しては、もっと別のところできちんと議論をしていくべきだし、またできると思います。それに自衛隊の能力や施設を活用するということは、自衛隊違憲論とは別の次元で議論できるというふうに私は考えております。

以上です。