つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2006年11月9日 日本国憲法調査特別委員会

2006.11.9

議事録

辻元委員

枝野さん、さっきと同じ意見ですよね。

枝野議員

今保岡筆頭は、与党案はわかりやすく伝えることの作業のために広報協議会があるかのごとき趣旨のことをおっしゃいましたが、我々は全く違います。わかりやすく伝える責任は、賛成枠のところをもらっている政党、反対枠のところをもらっている政党、その枠の中でそれぞれ反対の立場からわかりやすく、賛成の立場からわかりやすく伝えるので、広報協議会がこれこれこう説明すればわかりやすいですねなんということで中立部分をつくるだなんということは、我々全く想定していません。

辻元委員

今これは両案の共通部分について私は質問をしているわけで、共通部分ですね。ただ、解釈がちょっと違うわけですよ。両案について、同じ部分にも解釈の違いがありますので、ここのところは物すごい大事なところです。

主権者から見ましても何か不公平だと感じるということはあってはならぬということは委員長が常々おっしゃっていることですけれども、共通の部分でもこうなんですよ。これはやはり、三分の二の原理は何かとか主権者とは何かというところにかかわってくると思いますので、この点についてはまだまだ議論を深めないと後でとんでもないことになるというように、枝野さんはうんうんと首を振ってはりますけれども、私は思うんですね。

さてそこで、会派の議席配分。先ほど船田委員は各政党平等にということも配慮してはどうかというような、何だかうむうむという感じでおっしゃったんですけれども、例えば会派の数も、社民党と共産党は今は反対にとりあえずなっていますけれども、同等程度の反対の会派があと三つか四つぐらいできたら、各政党平等にとなると、反対派の方が大きくなる場合だってあるわけですよ。

ですから、ここは賛否半分というのが一番、これはやはり外から見ても、ああ、そうかなと納得しやすいし、会派とか政治状況に振り回されるものではないというルールづくりの知恵を絞っていただきたいというように思います。

これは、例えば、民意の反映が議席であるという話がありましたけれども、ちょっと個人的なことで恐縮ですけれども、前の参議院選挙のとき、私は七十二万票で落選したんですよ。十五万票で当選している人もいるわけですね。さらに、一票の格差というものは最高裁でも問題にされているわけですよ。このような状況の中でそれを基本に物事を決めていくということは、主権者の権利の行使をするに当たっては二重三重に問題があるという点も指摘したいと思います。

先ほど政党、会派という発言もありましたが、船田委員にお伺いしますけれども、ここは両提案者が今ちょっと話しただけでも見解が違うわけですから、もっとさらに、かなり時間をかけて議論を深めるべきだと思いますが、船田委員、いかがですか。

船田議員

お答えしますが、いろいろな要素があって、どれを答えていいかよくわからないところもありますが……。

私に与えられた質問としては、いわゆる無料枠の広報においての配分をどうするか、こういうことがメーンだと思いますが、先ほど諸外国の例で議席数比例、議席数配分ですね、それから政党間平等、それから賛否平等、いろいろ各国の実情に応じてそれぞれ選択をしていると思います。

御指摘のように、政党間平等というのは確かに世界の中では割と多い形なのでありますが、ここで、今辻元委員御指摘のように、場合によっては、反対される党の数がふえていきますと、今度は逆に、賛否平等よりもさらに反対の方が多くなるということもあり得ると思います。これは、そのときそのときの政党の賛否の形、あるいは選挙の結果ということでそういったこともあり得ると思います。

ですから、私としては政党間平等にこだわるつもりは全くございませんで、例としてあったということを表現したわけでありまして、そういったことも考えると、やはり賛否平等ということを最初から掲げた方が公平公正でいいのではないか、そういう考えにもなっておりますので、そこから先はまたなお柔軟に対応し、またいろいろと議論していきたいと考えております。

辻元委員

これは先ほど何回も申し上げているんですけれども、発議までと発議後の取り扱いを政治状況や議席配分に依拠することは極力または全面的に排除する方向で規則をつくるときはつくらないと、今船田委員がいみじくもおっしゃったように、反対に偏ったり賛成に偏ったりするということなんですね。

ですから、いわゆる広報協議会の構成も、それから、そこからアウトプットと枝野さんがおっしゃいましたけれども、さまざまな印刷物などの問題も一緒です。例えば議席配分でいいますと、もしも一時間テレビで無料広告枠を設けたら、現状ですと反対が三分足らずで賛成は五十七分。例えば提案者がみんな賛成とすればですよ。ですから、それはもうもってのほかだということは共通の認識になってきたかと思いますけれども、さらにこの点は議論を深めていっていただきたい、一緒に深めたいと私も思っております。反対の立場ですけれども、深めていきたいと思っております。

さて、そこでちょっと具体的な点も幾つか伺いたいんです。

この間、広報活動における、どういうものを載せるかという具体的な話の中に、現行憲法の取り扱いが小委員会でも出ました。やはり参考人の方からも、改憲案だけではなく現行憲法も入れるということが、対照表みたいなものをつくるのがわかりやすいだろうという御指摘もありましたので、この点についていかがお考えかということ。

それからもう一つは、解説というのが入っているんですね、要旨や解説。これについても御指摘がありまして、解説となると、例えば自民党の新憲法草案を私も拝見しましたけれども、九条の例で挙げると、集団的自衛権の行使とか海外での武力行使ということは非常に関心のあるところですけれども、それをどう解説するのかとか、反対派がどう解説するのかとか、非常に難しいわけですね。ですから、そもそもの原案だけではなくて解説というところの取り扱いについて、本法案にこのまま残すのかどうかという点が二点目です。

それからもう一つ、広報協議会の行う任務については、説明会というのがあるわけですよ。広報物をどうつくるだけじゃなくて説明会。例えば、説明会ですと、憲法みたいな場合は四十七都道府県全部でやるのがもちろん当たり前だと思うんですけれども、そういうことをどこでどういう形でやるかということも決めるもので、その採決については三分の二で表決するという多数決の原理も導入されている。この説明会などについてはどのようなイメージで両案に入れられたのか。

それから最後に、結局、小委員会でも説明会のこととか広報のことと関連して運動期間のことを言われました、六十日から百八十日。四十七都道府県全部で説明会を三日に一回やったらもうそれだけで百何十日かかってしまうとか、あと、私もそのときに小委員会で例を挙げましたけれども、教育基本法の今回の法案の取り扱いでも、六十日の二カ月なんというのは、まあ無理な話ですね。ですから、憲法になりますとあの期間では短いんじゃないかという小委員会での意見も出たし、私も広報のあり方との関連でそう思うんですが、今の点について、最後に立て続けで質問をいたしましたが、両案の提出者に答弁を求めます。

保岡議員

先ほど枝野筆頭からもお話がありましたとおり、これを提案していただいたのは民主党で、我々も、なるほど、発議したものをきちっと国民に示す、これは国会議員の責任で、国会に設置された機関でやるべきだ、それ以外にない、こう考えてこの提案を受け入れたわけです。ですから、基本的にまず枝野筆頭からお答えいただいた後、私が答えるというのがいいと思います。

ただ、先ほど枝野筆頭から、賛成意見と反対意見の取り扱いについて私と見解が違うと言われましたけれども、法としては、反対意見、賛成意見は公正、平等に扱うという規定があるわけですね。だから、法としてはこれだけ書いてあるわけですけれども、公正、平等、その中で公正という点にかかわるいろいろ懸念を指摘されていると思うんですが、私は、この点については、これはもともと提案した民主党のお考えを基本として、重く考えるべきだと思っております。そういった意味で、私の理解としては、あくまでも法というよりも運用においてそういうことが予定されている、それで当然いいんだというふうに理解しております。

運動期間については、これはいろいろ今までも議論がありましたけれども、憲法の総合的な調査をする段階、それからそれによって憲法の改正事項などを整理した上で三分の二で憲法改正を提案する、そして提案したものについて審議をしていく期間等、憲法改正の発議に至るまでは非常に長い期間議論をして、国会でそれを国民に知らしめていくべきであるということが前提になっております。

したがって、確かにパンフレットをつくる期間とかいろいろ技術的な考慮も必要でございますけれども、余り一年とか二年とか長くなることは間延びする、かえって憲法改正の焦点がぼけていく、拡散していくというようなことになりかねないので、六十日以上百八十日以内が適当であると我々は考えたわけでございます。