つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2009年2月23日 予算委員会

2009.2.23

議事録

与謝野国務大臣

特定という国ではなくて、新古典主義と申しますか、フリードマンのマネタリストの流れをくむ人たちの考え方を、余り批判的な精神なしに日本に持ってきたんじゃないかなという印象を持っております。

辻元委員

この十年間とおっしゃっているわけなんですけれども、大臣の御経歴を拝見しますと、小泉内閣でも経済財政担当の大臣を務められました。そして、安倍内閣では内閣官房長官をお務めになり、福田内閣では経済財政政策の御担当、そして麻生内閣では三大臣を兼務されるということで、私は、やはりきょうの閣僚の皆さん、いろいろ出入りされていますけれども、同じような人たちがこの十年、席がえだけしてやってきた十年だと思うんですよ。

ですから、私は、大臣は評論家ではありませんので、そのうちの大きな責任を担っていらっしゃると思います。ですから、この十年間の御自身の責任をどのようにお考えか、そして、どの点を反省されているのか、お聞かせください。

与謝野国務大臣

私も自民党の一員でございますし、その間閣僚も経験しましたし、また、党の政策責任者をやっておりましたから、いろいろな出来事を人のせいにするというような立場はとりません。みずからの責任がある、そのように思っております。

私が通産大臣時代に、やはり三つの過剰を解消する必要があると。一つは債務の過剰、あるいは人員の過剰、設備の過剰、こういうことを、三つの過剰ということで供給サイドの改革というものを非常に促したわけでございます。その結果、労働のフレキシビリティー、労働市場の流動化ということは確かに図られましたけれども、やはりその間、労働のセーフティーネットというものが失われてしまった。

特にその中でも、これは北大の宮本太郎先生という方が指摘されているんですけれども、日本の社会が持っていたセーフティーネットの中で一番大きなものの一つは、やはり終身雇用だ、こういう指摘もされているわけで、我々としては、労働市場のフレキシビリティーということはある程度は進めましたけれども、そのセーフティーネットの部分で足りないところがあったのではないかということは、やはり政策をやっていく上で一つ省みなきゃいけないことだろうと思っております。

辻元委員

私は、今の御指摘もその一端だと思うんですね。トータルな政策のバックボーンになる理念がやはり違っていたんじゃないかなというように思っております。その理念から派生するさまざまな政策が結局行き過ぎたということだと思うんです。

その中で、大臣が今回最初に本会議場で演説されたとき、経済有事だとおっしゃいました。そして、この有事を乗り切るためには、国民皆さんとの信頼と協力が大事だということをおっしゃったんですね。

私は、今、支持率がどんどん下がっていますけれども、もう国民との信頼が今の政権は壊れちゃったんじゃないかというように率直に思っております。それはやはり、この十年間やってこられたけれども、席がえではもう無理だという一つの国民の皆さんの審判が下っていると思うんですね。ですから、このおっしゃっている信頼というのは壊れていると思います。

私は、与謝野大臣が出てこられるときはいつも非常時で、安倍政権も崩壊直前にお出ましになって、またそういう感じかしらというようにちょっと思ったりもしておりまして、御就任になったばかりなんですけれども、率直におっしゃって、信頼は壊れているなと思っていらっしゃるんじゃないですか。いかがですか。

与謝野国務大臣

私は、正直言って、麻生総理のやっておられる政策は、間違った政策はないし、いい政策をやっておられると思いますし、与党も真剣にやっておられると確信をしております。

まあ、言葉足らずのこともあったりして、御批判を浴びていることは正直に認めます。

辻元委員

私は、政策を運営する土台に信用がないんだと思うんです。結局、政権と国民のきずなが切れているんだと思うんですよ。この政権と国民のきずなは何かと言ったら、たった一つだと思うんです。自分たちの手で選んだということだと思います。

経済有事で、これはだれが政権運営をしても、はっきり言うと非常に難しいと思います、今の経済を立て直すのは。しかし、国民の皆さんが、一緒に頑張ってくれというのならば、自分たちの手で選んだから一回この政権にやらせてみよう、それは失敗するかもしれぬけれどもという。そこがないから、どんな政策を打ってももうきかない。例えば、御夫婦でも友人関係でも、信頼関係が壊れちゃったら、何ぼプレゼントを上げても甘い言葉を言ってももう修復不可能という、あの状態に来ていると思います。

ですから、信頼と協力ということを言うのならば、私は、やはりもう解散・総選挙をして、国民の皆さんに選んでいただくしか方法がないと思っているわけですよ。いかがですか。