つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

News

2009年3月25日 外務委員会

2009.3.25

議事録

松本内閣官房副長官

報道で、筋と言われる方からの御発言があったということは承知をしておりますが、詳細については私自身は承知をしておりません。

辻元委員

内閣官房の中で一緒に官房副長官で働いていらっしゃって承知していなかったら、日本は危機管理できていないですよ。違いますか。

これ、割と当たっていると思うんですよ。別にそんな悪い発言じゃない。それに対して、私、中曽根外務大臣はさすが御見識がある、今の日本の現状を。難しいのは事実だろう、ミサイルがどういう形でどういうふうに飛んでくるのか、どこへ飛んでくるのかわからないと指摘された。私は、この認識は間違っていないと思います。外務大臣、いかがですか。

中曽根国務大臣

私の発言が報道で取り上げられまして、いろいろな取り上げ方があるものだな、そういうふうに思いました。

私が申し上げたのは一般論でありまして、閣議後の記者会見、いわゆるぶら下がりでありますが、いきなり、政府筋の発言についてどう思いますか、そういう御質問でございました。

ミサイル防衛システムが非常に高度で、そして難しい技術だ、そういうことを申し上げたかったのでありまして、例えば辻元委員にミサイル防衛システムは簡単ですかと聞かれれば難しいとお答えになると思うんですが、ある意味ではそういうような認識で、突然ぶら下がりでお答えいたしました。

私自身は、そのお答えの前に、私はそういう発言は存じませんと。つまり、政府筋のこういう発言があるけれどもと言われたんですけれども、私自身、直接聞いていなかったものですから、正確な御発言も存じ上げないままに、難しいのは事実でしょうと申し上げましたし、確かに、今委員がおっしゃいましたように、我が国としてはまだ迎撃を行ったこともありませんし、どういう形でどのように飛んでくるのか、どこへ飛んでいくのかわかりません、とにかくそのようなことのないように、ぎりぎりまで全力で働きかけることだと思います、ここまで私は申し上げているわけでありまして、政府筋の発言、迎撃どうこうということじゃなくて、この技術は非常に難しいものですということを申し上げたということを皆さんに御理解いただきたいと思います。

辻元委員

この後、会合に出られるようですので、厳しい現状認識で話し合っていただかないと困ると思うんです。

どういうことかといいますと、これは仮に、何か落下物があるといって、迎撃するぞと八十二条の二の一か三で決めるとしますね。決めていて、対応して、失敗したらどうなるんですか。これはアメリカでも今ジレンマに陥っているわけです。もしも命中しちゃったら、北朝鮮は、人工衛星の実験なのに軍事対応をしたということで、中国やロシアを初め関係諸国に物すごいロビーイングをするだろう。これは、非難する国も出てくるだろう。そして、これが失敗したら、北朝鮮の勝利になると言ったらちょっと語弊がありますけれども、ほら見たことか、では、ミサイル防衛しているけれども使い物になっていないじゃないかと。

そうなると、撃ち放題と言ったらちょっと変な言葉ですけれども、これは外務大臣、日本の外交、安全保障上、失敗したときの日本が受けるダメージ、マイナスも考えてこの八十二条の二の一か三を適用するのかどうかということをこの後の会合で議論していただかないと、いわゆる日本の国益を大きく損ねると思うんですよ。

私はそんなに単純な話じゃないと思います。来たら撃ち落としたらいいとか、ミサイル防衛を持っているんだと、余り勇ましいことを言い過ぎた対応をすると、日本もジレンマに陥って身動きがとれなくなってしまう。何か落ちたら撃たないとしようがなくなってくる。そして、軍事対応だと言う国も出てくる。そしてさらには、失敗したら、使い物にならないじゃないかと。

今まで七千億程度のお金を使っていますからね。アメリカでも、財政が今厳しい中で、オバマ政権の中からは見直しみたいな声も出てきているわけですね。

外務大臣、この後、重要な会合に臨まれると思います。私は、外務大臣として、軍事的対応というニュアンスをとるような対応はやめて、外交努力でいこうということを最後まで主張なさった方がいいんじゃないかと思いますが、いかがですか。これは、失敗したときの日本の損なうリスク、ダメージを考えたら、外務大臣としてはそのお立場をおとりになるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

中曽根国務大臣

まず、三大臣会合と申しますか、それは安全保障のことについて話し合うことになると思いますし、細かいことについては現在私は承知しておりません。

それから、今委員がおっしゃいました自衛隊法を使わないでというようなお話でございますが、やはり政府といたしましては、仮に我が国の領土とかそういうところへ発射されたものが来るということであれば、国民の生命と財産を守る、あらゆる手段を講じて対処しなければならない、これは当然のことだと思いますので。それは技術的なこととかいろいろあろうかと思います、私は細かいことはわかりませんが。

そういうことで、先ほどから申し上げておりますが、まずは今おっしゃいました外交努力をぎりぎりまでやるということは、これはもう当然のことで、万が一そういうような発射が行われて、万が一日本に来るということであれば、それは、政府としてはそういうような対応をとるというのは、私は国民の皆さんも理解をしてくださると思います。

辻元委員

終わりますが、国民の生命と財産を守る方法なんですよ。総合的に考えていただきたい。そう単純なものではないと思います。後々のリスクも考え、トータルな御判断をいただかないと。

私は、外務大臣が、この発言、難しいのは事実だろう、すごく率直でいい発言だと思って評価申し上げたんです。そういう意味では、外務大臣のお立場をしっかり主張していただきたいということを申し上げて、質問を終わります。