つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

News

2009年4月8日 外務委員会

2009.4.8

議事録

辻元委員

私も、どうもやはりこのパッケージ論が理解できなくて、一つ一つ実行していく、同時並行に実行したいという意図がアメリカ側にあるならば、パッケージにせずに一つ一つを主張して、本協定で八千人と二十八億ドルの関係を規定するだったら規定する、私たちは反対ですけれども、というようにするのがフェアじゃないかというように思うわけですね。

そこで、伊波市長にお伺いしたいんですが、もう一つ出てくるのが、普天間にかかわることですけれども、普天間の負担が重い、ですから、普天間から出ていってもらえるんだったらどんなことでもするぞと強く訴える声があるというように主張される委員の方もいらっしゃるわけです。県内からもちろん出ていってほしいけれども、それが認められないんなら、県内でどこか受け入れるところがあるならそこへ行ってもらって、もう一刻も早く普天間から出ていってほしいというような声が強いとおっしゃるわけなんです。

私が、沖縄にも再三参りまして、関係者の皆さんや地元の皆さんにお聞きしましても、そうではなくて、基地のたらい回しは嫌だ、そして、普天間の基地というのは、代替施設をつくる、つくらないにかかわらず、クリアゾーンの話、先ほどありましたけれども、アメリカでは成り立たない基地をそもそも日本に置いていて、そしてこれだけの事故があるわけですから、そういう意味から見ても、この基地はもともとやはり一刻も早く閉鎖する、それを代替としてどうするかというのはその次の話であって、しかし、私は、普天間の住民の皆さんが、いや、辺野古に行ってくれるんだったら普天間からいなくなるからいいよと思っていらっしゃるとは決して思いたくないんですね。

やはり七五%の基地の負担があり、そしてたらい回しは嫌だという思いがある。日ごろ地元の皆さんと接していらっしゃって、普天間の皆さんの思いというのは率直なところどういうところなのかということをお聞かせいただきたいと思います。

伊波参考人

宜野湾市民の多くは、普天間飛行場を辺野古に持っていけばいいというふうには考えていないと思います。沖縄世論全体としても、調査をしてみましても、辺野古やむなしというのは二割以下ぐらいになっていて、やはり県外への移設というのが七割はいつもコンスタントにあると思いますので、直接的に議会でなんかだとそういう主張をする方はおられますけれども、市民の多くは普天間のこれだけの被害の状況を毎日のように感じておりますので、それを辺野古に持っていって、それで解決だというふうには多くの皆さんは思っていらっしゃらないというふうに思いますし、そのことが直接私に、なぜ辺野古に持っていかないのかというふうなことを言われたことはございません。

辻元委員

伊波市長も選挙で選ばれていらっしゃる市民の代表としてきょうお越しいただいていますけれども、選挙のときも普天間の基地は即時閉鎖だ、しかし、辺野古に持っていくことも反対だということを堂々と主張されて当選していらっしゃるので、やはりその声が、私は皆さん苦しいと思いますよ、人間ですから。一刻も早く出ていってほしい、どこかに受け入れてくれるんだったら、どこか受け入れてくれるところがあれば、もうどこでもいいから、この騒音から、事故から解放されたいとか、人間ですから思うと思います。しかし、そうじゃないんですよね、皆さんの思いは。

ですから、私は、そこのところを取り違えて、普天間の皆さんが、普天間からさえ出ていってもらえばいいと思っていないということを私自身は考えながら今回の協定を審議すべきだというふうに思っています。

といいますのは、今おっしゃいましたように、普天間の皆さんは基地被害を一番よく御存じなわけですね。それで、辺野古地区の新基地を建設したいと今政府もアメリカも言っているわけですけれども、このことについて、普天間の基地被害の経験から伊波市長に御質問したい点があります。

まず、普天間ではいろいろな訓練をされていると思います。十時までというのを十一時までやっているという話も先ほど伺いました。タッチ・アンド・ゴーの訓練はどれぐらい行われているんでしょう。

伊波参考人

基本的に普天間の訓練というのはそういうタッチ・アンド・ゴーのような訓練なんです。というのは、演習場じゃございませんので、専らそういう基礎的な、飛行回数を一時間あるいは二時間、五分に一回、回りながら、着陸するような形でおりて、そしてまた上がっていく。これはKC130もそうですし、P3Cもそうですし、対潜哨戒機もそうですし、それから中型ヘリコプターもそうですし、大型ヘリコプターもそうですし、攻撃型ヘリコプターもそうです。

つまり、基地というのは、そこにいる駐留部隊が技量を維持していく、練度を維持していく、そしてそれを、必要な回数が、多分これはハワイの方の司令部から個々のパイロットに対して課されているものをしっかりやっていくということで、それだけのものが課されていて、深夜も含めてですが、それを行っているのが普天間の実態だと思います。そして、多いときは一日に三百回を超えるタッチ・アンド・ゴーが繰り返されていたわけでございます。

辻元委員

今一日に三百回を超えるタッチ・アンド・ゴーの訓練と聞きまして、私だけではなく委員の皆さんも、普天間の現状、びっくりされたんじゃないかなと思うわけです。

さて、そこで、辺野古地区への新基地の建設の案はV字形滑走路になっているわけです。このV字形滑走路というのを提案した際の提案理由に、辺野古地区の集落の上を避けて飛ぶから、離陸する滑走路と着陸する滑走路は別にして、離陸は離陸で集落の上を飛ばない、着陸は着陸で集落の上を飛ばないというような機能にするので、地元の皆様の集落の上空は飛びませんというのが政府の説明なわけです。

そして、一方、普天間の基地機能の移転を辺野古地区にしたいと言っています。では、普天間でどんな訓練をしているかというと、一日に三百回以上もタッチ・アンド・ゴーの訓練をしているという今市長の証言でした。

そうすると、辺野古地区のV字滑走路で、普天間の基地機能を移転して訓練をやるんだったら、タッチ・アンド・ゴーをやらないというのはちょっと考えられないと思うんですよね。そんなにやって、実際の訓練そのものが、それが主体であるという現状ですから。

そうすると、結局、V字滑走路という政府の案にしても、タッチ・アンド・ゴーでいけば、着陸と離陸は別の滑走路だから集落の上を飛ばないというようなことは、現実的に見て、今の普天間の状況を見ますと、それは単なる絵にかいたもち、政府が言っていることは私は実態とかけ離れたことを沖縄の県民にも示し、そして国民にも示しているのではないかと思いますが、いかがでしょうか、伊波市長。

伊波参考人

当然そのように私たちは考えております。

そこで、それが発表されたときに、防衛大臣等との懇談の場もありまして、やはりタッチ・アンド・ゴーというものが頻繁に繰り返されているのが普天間飛行場でございますということで、それは着陸だけじゃなくて、着陸と同時に離陸をするという訓練が二時間ないし三時間続くわけです。

P3CやKC130だと五分に一回回ってきますので、さらに攻撃型ヘリだと、二機ぐらいでやりますと一分三十秒ぐらいで交互に回ってきますので、それだけの回数がその時間ずっとずっと繰り返されるということでありまして、当然、どの滑走路を使うにしても、滑走路は一つを使うことになるのだろう、このように思います。