つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2009年6月17日 外務委員会

2009.6.17

議事録

辻元委員

実際に働いている方々、一つは、今、日系ブラジル人の方々の話をしましたけれども。それから、日系ブラジル人の方々、そしてさらに、大きな意味で外国人労働者として日本に来て働いている人たちの失業率というのはどれぐらいとか今現状どうなっているかというのは、どこの省庁のどなたが把握されているんでしょうか。

よく、この間、失業率が五%になったという報道がされるんですけれども、確実に今外国人の労働者はふえている、そしてさらに、一番最初に首を切られているわけですね。この人たちも日本の中の社会を構成する一員であるし、それから、景気のいいときは、結果的には雇用の調整弁のように使われてしまっているという現状があるわけですが、一つの社会を支え経済を支える非常に大きな力を発揮してくださっているわけです。

ですから、失業率のカウントというのは、今よく政府が発表する失業率というのは外国人は含まれているのか、そして、例えば日系ブラジル人の方とか、ある程度日本も受け入れを促進していこうというように受け入れた人たちの失業率というのは把握しているのかどうか、お答えください。

岡崎政府参考人

失業率自体、労働力調査の結果でございまして、これは内閣府の所管でございます。これにつきまして、詳しいことは内閣府にお聞きいただきたいと思いますが、私どもが把握している限りでのブラジル人等の方の雇用状況でございます。

これについては、ハローワークに求職者として来られるという形で把握しておりますが、昨年の九月ごろまでは毎月の新規求職者が数百人程度でございましたけれども、十月以降千人台に乗りまして、それで、十二月には二千五百人ぐらい、それから、一月、二月はそれぞれ五千人ぐらいということでございます。その後、少し落ちついておりますが、やはり三、四千人、毎月、新規求職者が来ている。

したがいまして、これは就職される方とかおりますのでそこの差し引きはありますけれども、やはり、現にハローワークに来られている方だけで二万とか、そういう数字にはなっていると思います。あとは全体の人数との関係である程度推計するということになろうと思いますが、ハローワークに来ておられる方でそのぐらいいるというふうに認識しております。

辻元委員

今、ハローワークに来ている人の人数ということだったんですが、私は、政府として、これから開かれた、さっき国際化の中に、迎え入れる国際化というのがありました。そうしますと、外国人労働者、今どれぐらいいらっしゃっていて、そして失業率はどうなっているかとか。今までは、日本でも失業率が上がった下がったと、私たちも、一喜一憂と言うとおかしいですけれども、政治の場にいる者は物すごい心配するわけですね。しかし、その外に置かれちゃっているわけですよね。これで迎え入れる国際化だとか、それから日本の経済の活力をこれからつくっていくんだというようにはならないと思うんですね。

これは内閣府の所管と今おっしゃいましたですか。これからは、外国人労働者の失業率についてもきちんと、ハローワークに来た数だけ調べているというのではなくて、統計として日本はちゃんと、それ以外、日本人というか日本国籍の人はとっているわけですから、とっていく方向で検討なさった方がいいと思うんです。

というのは、失業が潜ってしまっているわけですね。例えば、学校の話もそうなんですけれども、これは埼玉県の例で、親が失業してしまって、何とかアルバイトして食べつないでいるけれども、ブラジル人学校は普通の私塾扱いですから、月に何万円も授業料がかかって、子供たちが学校にも行けない状況になっている。しかし、どこに言っていっていいかわからないとか、それから、雇用主がちゃんと社会保障もつけてくれていないというような事例があちこちで出てきているわけですね。

そうしますと、政府として、トータルに外国人労働者の失業率であったり状況というのをもっと積極的に、先ほど失業率は五%だというのはきちんと統計をとってカウントしているわけですから、把握し、そして対策を練っていくことが必要だと思いますが、いかがですか。

岡崎政府参考人

一つ訂正させてください。労働力調査の所管は内閣府じゃなくて総務省でございます。済みません。

きょう、ちょっと総務省がおられないので、私ども労働を担当している立場からお答えしますと、やはり、失業率の統計の手法の中で把握できるかどうかということになると、技術的になかなか難しい気もいたします。ただ、おっしゃいますように、外国人労働者、特に日系ブラジル人等、こういう形の方々がどういう状況になっているか、これをきちんとした形で把握しながら対策を立てていくということ自体は重要だろうというふうに思っています。

私どもは、でき得る限りハローワークを中心にその状況を把握しながら対応していきたいというふうに思っておりますので、そういう中で対応させていただきたいというふうに思います。

辻元委員

それと、私、外国人労働者を支援するNGOの皆さんとかともいろいろ意見交換するんですけれども、ハローワークに行くことすら知らない人もたくさんいるわけですね。私は、やはり、日本がこれからどういう国の形をつくっていくのか、多民族共生型になっていかざるを得ないし、いくべきだと思っています。今、一民族一政治形態の時代はもう終わっているわけなんですよ。ですから、そこの発想を切りかえていかないとまずいと思っているんですね。

もう一点、ちょっと伺いたいんです。これは法務省ですか。今回、日系人離職者に対する帰国支援事業というのを、この経済不況の中で、帰国される方は積極的に、帰っていただくのにも経済的にも応援しようということで支援をお決めになったようなんですが、これは法務省ですね。

その中で、入管制度上の措置として、支援を受けて帰った人は、当分の間、同様の身分に基づく在留資格による再入国は認めない。日本の政府の補助も受けて一回国に、もう仕事もないし、子供も学校も行かされへんし、大変やからと帰った人は、次、再入国を当分の間認めないというふうになっておるんですよ。

これは、認めない理由は何か、法的根拠はあるのか、それから、当分の間というのはどれぐらいの間なのか、お答えいただきたいと思います。

高宅政府参考人

日系人離職者に対する帰国支援事業は、厳しい再就職環境のもとで、我が国での再就職を断念されて帰国することを決意された、こういう方に対し帰国支援金を支給するというものでございます。その方については、当分の間、再度同様の身分での入国は認めないということとしております。

まず、その期間ですが、当分の間が具体的にどの程度の期間であるかということにつきましては、本事業開始から原則として三年をめどとしつつ、雇用、経済情勢の動向等を考慮しつつ見直しを行うということを想定しております。

それから、法的根拠についてでございますが、基本的に入管法の建前は、外国人個人が入国しますので、個々に外国人の審査を行うということになるわけでございます。ただ、本邦において安定して在留活動を継続することができるということが必要でありまして、それの観点からいいますと、やはり、日本で不幸にして離職されて、再就職の見込みがないということで帰られたということから、当面こういう条件に適合するということは難しいんではないかということで認めないということになると思います。