つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2013年6月3日 決算行政監視委員会

2013.6.3

議事録

辻元委員

もう一つ、「いわばその重たい閣議決定をしたのは初めてであります。」と、安倍総理が、これも残念ながら、先ほど申し上げました、証拠はなかったというところだけを取り出しておっしゃっているわけですね。歴代の内閣と同じことを言っているにもかかわらず、一部だけ取り出して、そして初めてなんだということを強調されることによって誤解が増幅していると思います。

そして、初めてかどうかというのを、次のページを見てください。

二〇〇七年にこれを私が内閣に出しましたが、その十年前に、橋本内閣のときに、高市さんに対しての答弁書を閣議決定しております。この線を引いたところを見ていただければわかるんですが、「軍や官憲による慰安婦の強制連行を直接的に示すような記述は見られなかった。」しかし、総合的に考えて河野官房長官談話になったという同じ答弁なんです。初めて安倍政権で閣議決定したのではないんですよ。既に十年前に、橋本内閣のときにもされているわけですね。

質問主意書を出したのを官房長官は御存じだと思いますが、改めて問うたら、高市さんの質問は教科書問題についてだ、質問の主意書のタイトルが違うというか、そういう御答弁だったんですよ。

しかし、高市さんはどういう質問をしているかというのは上に書いてありますけれども、先ほどあった政府の調査結果、この強制性について疑義はないのかと。強制性の問題について、既に軍や官憲によることはなかったと答弁しておりますので、何も安倍政権で初めて新しいことを閣議決定したわけでもないし、歴代の内閣の答弁を安倍政権も引き継いで素直に答弁されたという認識で、私はここをはっきりさせておいた方がよろしいかと思いますので、あえて官房長官にお聞きをいたします。

菅国務大臣

そこは委員、当時、自民党の高市衆議院議員の質問というのは、慰安婦問題の教科書掲載に関する再質問に対しての答弁ですよね。委員に対しての答弁というのは、慰安婦の問題への認識に関する質問に対する答弁書、そういうことですから、これはやはり、初めて具体的な形でここの部分について質問されたんですから、私は、総理が初めて答えると言ったことについて、それを否定することはおかしいと思います。

辻元委員

ちょっと苦しい答弁じゃないでしょうか。

見ていただいたら、三枚目、高市さんの質問の内容も書いてあるんですよ。これは、タイトルは教科書の記述に関する質問主意書ですが、直接の質問は、やはり強制性についてこれは証拠も見つかっていないんじゃないかという問いかけで、私と同じ質問なんです。

官房長官、私はなぜこういうことをこの前も申し上げたかといいますと、やはり国際的に日本が孤立することも避けなきゃいけないし、橋下市長の発言をめぐって、きのう国連総長が発言されるとか、それから国連の拷問禁止委員会で勧告が出るとか、ここ数日だけでもこういうことが起こっているわけですよ。

ですから、最後に申し上げたいんですけれども、安倍政権で初めてあたかも何か新しい閣議決定をしたというようなこと、そして、それが強制性を示す証拠はなかったという部分だけを全体を見ずに取り出して御発言をされることは、私は、今後控えられた方がいいのではないかと思います。

最後に答弁を求めて、終わります。

菅国務大臣

ここは非常に見解の相違になるんだろうと思いますけれども、強制性の定義について質問されたのは、実はこれは答弁書というのは初めてでありますから、そこの部分について、そして、その部分についてはまた第一次安倍内閣の閣議決定の中で、そこの全体の文章の中で官房長官談話を継承するということも含まれているわけですから、やはり私は、第一次安倍内閣で決めたことが全てであって、第二次安倍内閣も全くそこについては変わっていないということであります。

辻元委員

行政監視の立場から、これからも点検していきたいと思います。

ありがとうございました。