つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

『「真珠湾訪問にあたっての安倍首相への公開質問状」に関する質問主意書』を提出しました

2017.1.25

質問主意書

1/23(月)に以下の質問主意書を提出しました。答弁書は1/31(火)に閣議決定される予定です。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

右の質問主意書を提出する。

平成二十九年一月二十三日

提出者  辻元清美

衆議院議長  大島理森殿

「真珠湾訪問にあたっての安倍首相への公開質問状」に関する質問主意書

ピース=フィロソフィー=センターが二〇一六年十二月二十五日付けで「真珠湾訪問にあたっての安倍首相への公開質問状」を発表し、映画監督のオリバー=ストーン氏や高橋哲哉・東京大学教授、テッサ=モリス=スズキ・オーストラリア国立大学教授など、日米韓豪の学者ら五十九人(二〇一七年一月二十三日現在)が署名している。内容は以下の通りである。

真珠湾訪問にあたっての安倍首相への公開質問状(二〇一六年十二月二十五日)
親愛なる安倍首相、
安倍首相は先日、一九四一年十二月八日(日本時間)に日本海軍が米国の海軍基地を攻撃した際の「犠牲者を慰霊する」目的で、十二月末にハワイの真珠湾を訪問する計画を発表しました。
実際のところ、その日に日本が攻撃した場所は真珠湾だけではありませんでした。その約一時間前には日本陸軍はマレー半島の北東沿岸を攻撃、同日にはアジア太平洋地域の他の幾つかの英米の植民地や基地を攻撃しています。日本は、中国に対する侵略戦争を続行するために不可欠な石油や他の資源を東南アジアに求めてこれらの攻撃を開始したのです。
米日の開戦の場所をあなたが公式に訪問するのが初めてであることからも、私たちは以下の質問をしたく思います。

一) あなたは、一九九四年末に、日本の侵略戦争を反省する国会決議に対抗する目的で結成された「終戦五十周年議員連盟」の事務局長代理を務めていました。その結成趣意書には、日本の二百万余の戦没者が「日本の自存自衛とアジアの平和」のために命を捧げたとあります。この連盟の一九九五年四月十三日の運動方針では、終戦五十周年を記念する国会決議に謝罪や不戦の誓いを入れることを拒否しています。一九九五年六月八日の声明では、与党の決議案が「侵略的行為」や「植民地支配」を認めていることから賛成できないと表明しています。安倍首相、あなたは今でもこの戦争についてこのような認識をお持ちですか。
二)二〇一三年四月二十三日の国会答弁では、首相として「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」と答弁しています。ということは、あなたは、連合国およびアジア太平洋諸国に対する戦争と、すでに続行していた対中戦争を侵略戦争とは認めないということでしょうか。
三)あなたは、真珠湾攻撃で亡くなった約二千四百人の米国人の「慰霊」のために訪問するということです。それなら、中国や、朝鮮半島、他のアジア太平洋諸国、他の連合国における数千万にも上る戦争被害者の「慰霊」にも行く予定はありますか。

首相としてあなたは、憲法九条を再解釈あるいは改定して自衛隊に海外のどこでも戦争ができるようにすることを推進してきました。これがアジア太平洋戦争において日本に被害を受けた国々にどのような合図として映るのか、考えてみてください。(以上引用)

以下、質問する。

問一 日本と米国の戦争が始まった日付と場所はいつ、どこか。また、日本と中国の戦争が始まった日付と場所はいつ、どこか。政府の認識を明らかにされたい。

問二 報道によれば、中国政府は日中戦争の起点を一九三一年九月の柳条湖事件にさかのぼらせることを通達した。日本政府と中国政府の間で認識に齟齬があるという認識か。

問三 日米、日中が開戦した理由は何だったか。政府の認識を明らかにされたい。

問四 一九四一年十二月八日(日本時間)に日本軍が侵攻した国・地域はどこか。

問五 一九四一年十二月八日(日本時間)以降に日本軍が占領した国・地域はどこか。

問六 フィリピン戦について問う。
1 レイテ戦を含むフィリピン戦において日本はどこの国と戦ったと政府は認識しているか。
2 レイテ戦を含むフィリピン戦における日本軍の戦没者はおよそ何人か。その主な死因について、どのように理解しているか。
3 一九五一年九月、サンフランシスコ講和会議でフィリピン政府代表が、「千八百万の人口のうち、われわれは百万人以上の生命を失った」と述べている。レイテ戦を含むフィリピン戦におけるフィリピン人犠牲者はおよそ何人と承知しているか。その主な死因について、どのように理解しているか。
4 とくに、一九四五年二~三月のマニラ市街戦の死者は、日本軍、米軍、マニラ市民それぞれおよそ何人か、政府が把握している数を示されたい。
5 日本の歴代総理大臣及び閣僚がフィリピンを訪問したとき、戦死した日本人、米国人及びフィリピン人犠牲者の慰霊を行ったことはあるか。

問七 二〇一五年八月十四日のいわゆる「安倍談話」について問う。
1 「先の大戦」とはいつからいつまでの戦争を指すのか。また、「先の大戦」において、日本と戦った国はどこか。
2 「進むべき針路を誤り」とあるが、日中戦争は誤りだったという認識か。
3 真珠湾攻撃は誤りだったという認識か。
4 対中国、米国以外で日本が行った戦争で、「誤り」でなかったものはあるか。
5 「先の大戦」そのものが、誤りだったという認識か。

問八 「真珠湾訪問にあたっての安倍首相への公開質問状」に関連し、安倍首相の歴史認識等について問う。
1 安倍首相は当該「質問状」が出されたことを知っているか。
2 安倍首相は当該「質問状」に回答したのか。しなかったとすれば、その理由は何か。
3 安倍首相が以前、「終戦五十周年議員連盟」の事務局長代理を務めていたのはいつからいつまでか。
4 日本の二百万余の戦没者は、「日本の自存自衛とアジアの平和」のために命を捧げたという認識か。
5 「先の大戦」において、日本による「侵略的行為」にはどのようなものがあったという認識か。
6 過去、日本が「植民地支配」した国はどこか。
7 真珠湾攻撃は「侵略行為」という認識か。
8 中国に対する戦争、及び真珠湾攻撃と同日の英領マレー攻撃、続く英領シンガポール、蘭領インドネシアに対する攻撃は、真珠湾攻撃と同じ「侵略行為」として認識しているか。
9 今後、中国や、朝鮮半島、他のアジア太平洋諸国、他の連合国における数千万にも上る戦争被害者の「慰霊」に行く検討はされているか。現在されていないのであれば、今後検討される予定はあるか。

右質問する。