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拙速すぎる出入国管理法改正 「失踪技能実習生」調査票のすみやかな国会提出を

2018.11.16

国会ブログ

今国会の大きな焦点となっている出入国管理法改正案について、本日、拙速審議を許さない野党6党派の集会を開催しました。

この数年、たくさんの外国人技能実習生が低賃金で劣悪な環境で働かされ、重大な人権侵害から逃れようと失踪せざるを得ない人が後を絶ちません。

この問題をないがしろにしたままでは、外国人労働者の受け入れ拡大の検討はありえません。

法務省は昨年、”技能実習から失踪した”とされる当事者に調査をおこない、2,892人の実習生から回答を得ました。

法務省の報告では、失踪した動機について「より高い賃金を求めて」という回答が約87%を占めていました。

しかし、実習生への調査の際に使われた聴取票には、失踪理由の選択肢に「低賃金(契約賃金以下)」「労働時間が長い」などの項目はあったものの、「より高い賃金を求めて」という項目はなかったのです。

<実習実施者等から失踪した技能実習生に係る聴取票>(PDF)
(※赤枠:辻元清美事務所)

法務省のまとめは恣意的であり、実際の原因をわからなくするものであるため、私たちは野党合同ヒアリングで、実際の調査個票を提示するように強く求めてきました。

それに対し法務省は
「調査個票は、刑事訴追を受ける恐れのある者から任意に聴取した内容を記したものであるから」という理由で個票の提出を拒み、安倍総理や山下貴司法務大臣も、国会で同様の答弁をしました。

ところが昨日、法務省が2014年に各地方入国管理局長および支局長に対して出した通達が表に出たことにより、“失踪した技能実習生”に対する調査実施の背景が明らかになりました。

その書類によると、2009年の入国管理法の改正の際に「技能実習制度のあり方の抜本的見直しについて、総合的に検討する必要がある」との付帯決議が付されたことから、技能実習制度対応策の検討のためにすみやかに調査をすること、と書かれていたのです。

<法務省が地方入国管理局長および支局長に通達した「技能実習生の失踪に係る調査について(通知) 」>(PDF)

<法務省 『技能実習制度の見直しの方向性に関する検討結果(報告)8 2014年6月』>(PDF)
(※いずれも赤枠は辻元清美事務所)

調査は刑事訴追を受けることを前提におこなわれたものではありません。

法律の付帯決議に記されている以上、調査票を立法府に提出することは義務であるはずです。
失踪せざるを得なかった2,892人の技能実習生の調査票を検討することなしに、出入国管理法の改正をすすめることはできません。

しかし、私たちがどんなに調査票の提出を強く求めても、政府は国会に出そうとしないのです。

私にはその姿勢が、自衛隊の南スーダンPKO派遣の日報隠しと重なって見えました。

日報は安保法案が可決した後になって見つかりました。
まるで「安保法案を通すためには、日報に“戦闘”ということばや緊迫した状況が明るみに出てはまずい」という思惑から隠していたようにしか思えないタイミングでした。

今回、調査票を出し渋っているのも、技能実習生がどれだけ劣悪な状況で働かされていたかが明るみに出れば法案を通すことが困難になる、とわざと隠してるのではないかと思わざるを得ません。

いったい、誰のため、なんのための入管法改正なのでしょうか。
問題点を覆い隠し、誤魔化して、一部の人の金儲けにだけ外国人を利用しようとしている、そんな法案を許すわけにはいきません。

しかし今日、法務省は、失踪した技能実習生に対する調査結果に誤りがあったことを明らかにしました。

これまでは「より高い賃金を求めて」との失踪動機が約87%と説明していたのですが、実際には私たちが指摘してきた通り、「低賃金」という理由が約67%を占めていたというのです。
法務省は集計ミスと説明しましたが、法務省の官僚がこんな集計ミスをするなどありえません。

それにも関わらず、葉梨法務委員長は委員会をむりやり開いて入管法の審議入りを強行しようとしました。
言語道断です。

立憲民主党は、急きょ委員長解任決議案を提出しました。
これで今日の委員会での審議入りは見送られたため、審議は来週以降になります。

私たちは断固、改正法案の審議入りに反対します。