つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

緊急事態対応は平時に法律改正するのが立法府の責務:5/10参議院憲法審査会速記録

2023.5.11

国会ブログ速記録・議事録

2023年5月10日(水)参議院憲法審査会

 

○辻元清美君 立憲民主・社民の辻元清美です。

本日、何人かの委員から出された緊急時における内閣による緊急政令等について意見を述べます。

改憲を主張する自民党などが緊急事態の対象として挙げている事態、一、大規模自然災害事態、二、テロ・内乱事態、三、感染症蔓延事態、四、国家有事・安全保障事態については、既にある法律、災害対策基本法百九条、国民保護法百三十条及び九十三条、新型インフルエンザ特措法五十三条に、緊急事態の際には内閣は次の各号に挙げる事項について必要な措置をとるため政令を制定することができるとあらかじめ書かれており、更に政令対応が必要な事項があるのならば、平時のときにこそ既にあるこの枠組みに追加していくことが現実的であり、憲法改正の必要はないと考えます。

既に、物資の供給制限、物価統制まで入っています。金融債務のモラトリアム、支払猶予も入っています。更に必要な事項があれば、緊急時が発生してからばたばたと対応を考えるのではなく、あらかじめ平時から必要な対応を検討し、必要事項があれば追加し、法律改正しておくことこそが立法府の責務だと考えます。

例えば、感染症蔓延事態。五月八日に新型コロナ対応が変わりました。この機会を捉えて検証をしっかり行い、緊急時の政令対応が必要な事項があれば、新フルエンザ特措法の五十八条、緊急政令事項に追加しておく必要があります。

災害対策基本法では、阪神・淡路大震災のときにこの緊急政令の項目が議論され追加され、さらに、東日本大震災後の発災の翌年の二〇一二年にも改正され、さらにその後、南海トラフ地震を想定し、政府審議会で検討を重ね、二〇一三年に南海トラフ地震型の対応も追加されております。

この改正を取りまとめたのは当時の山谷えり子災害担当大臣です。このとき、山谷大臣の下で、政府審議会からも、参議院の緊急集会すら開けない事態での緊急政令も加えるべき事項があるのか、一切ないと、一つも指摘されていないのが現状です。取りまとめをされた山谷元大臣は緊急事態について憲法改正が必要だと主張されているようですけれども、矛盾しているんじゃないですか。必要事項があるのならば、なぜ大臣のときに、既に法律に規定されている緊急事態の政令制定に追加をされなかったのか、その議論しなかったのか、私はその理由を教えていただきたいと思います。

四月の十二日の本委員会で中曽根会長に、改憲による緊急政令の対象分野や具体的事例、立法事実を自民党などに本審査会への提示を求めましたが、本日に至るまで一つも提示されておりません。この国会が閉会されるまでに、平時の今こそ考えて、どんなことが必要だから政令が必要なのか、一つでも御提示いただきたいと思います。引き続きの御検討をお願いします。

会長、いかがでしょうか。

○会長(中曽根弘文君) ただいまの件につきましては、後刻幹事会において協議いたします。

 

○辻元清美君 私は、東日本大震災のときに総理補佐官で被災地対応をしました。このときも、緊急事態の政令が必要だと改憲を言った人たちがいます。しかし、現場の自治体の長が反対の声を上げたんです。むしろ、災害のときは、福島でも宮城でも、それから岩手でも、対応が違うんですよ。ですから、むしろ、中央政府の権限を緊急事態だからといって強くするのではなく、知事の権限を強めてくれという意見でした。コロナでも同じですよ。地域によって全く違いました。

そういう現状をしっかり見た危機対応を今こそやっておくべきなんです。改憲、改憲とおっしゃいますけれども、今やりましょうよ、その中身を、ここで議論を。

そして、最後にもう一点申し上げます。

東日本大震災から三か月もたっていない緊急事態の真っ最中に、自民党などは内閣不信任案を提出しました。緊急時には選挙ができないので、衆議院の任期延長をし、またその場合の内閣不信任案の議決や解散の禁止という改憲を主張しながら、危機の真っ最中に内閣不信任案を提出したのは自民党ですよ。おっしゃっていることとやっていることが全く矛盾しているんじゃないですか。

○会長(中曽根弘文君) 時間を過ぎておりますので、おまとめください。

○辻元清美君 これでは衆議院議員の任期延長も改憲の単なる口実にすぎないのではないかと申し上げて、終わります。