つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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<答弁書>ライドシェアをめぐる世界各国の犯罪事案等と禁止・規制事例に関する質問主意書の答弁書が出ました

2023.10.31

国会ブログ質問主意書国会質問

2023/10/20(金)、「ライドシェアをめぐる世界各国の犯罪事案等と禁止・規制事例に関する質問主意書」を提出しました。

→10/31(火)以下の通り答弁書が閣議決定されました。

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参議院議員辻元清美君提出ライドシェアをめぐる世界各国の犯罪事案等と禁止・規制事例に関する質問に対する答弁書

 

一及び二について

運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに、自家用自動車の運転者のみが運送責任を負う形態の有償の旅客運送についてお答えすれば、お尋ねの 「世界各国で、ライドシェアの利用に関連して発生した、暴行・傷害・殺人・強盗などの利用者が被害にあった犯罪行為についてどのような実態があるか」 及び 「世界各国で、ライドシェアの利用に関連して発生した、暴行・傷害・殺人・強盗などのライドシェアドライバーが被害にあった犯罪行為についてどのような実態があるか」 については把握していない。なお、政府として現時点で把握している限りでは、令和五年三月二十二日の衆議院国土交通委員会において、堀内国土交通省自動車局長 (当時) が 「日本のタクシーと米国の主要ライドシェア企業の比較として、輸送回数では、日本のタクシー約五・六億回、米国主要ライドシェア企業が約六・五億回と、おおむね似たような数字となっておりますが、例えば、令和二年における交通事故死者数につきましては、日本のタクシーで十六人、米国の主要ライドシェア企業では四十二人、身体的暴行による死者数につきましては、日本のタクシーにおいてはゼロ、それに対し、米国の主要ライドシェア企業では十一名、性的暴行件数につきましては、日本のタクシーでは十九件、米国ライドシェア企業におきましては九百九十八件となっております」 と答弁したとおりである。

 

三の1について

お尋ねの「「ライドシェアに関する注意喚起」」については、例えば、在ボストン日本国総領事館が作成する「安全の手引き」において記載があるところ、当該記載の内容をお示しすると、次のとおりである。

「車に乗る前に必ず車種、塗色、ナンバープレートが合致するか確認する。

必要であれば運転手に名前を尋ねて一致するか確認する。

友人や知人に目的地や到着時間を共有しておく。

ライドシェアのアプリによっては、乗車しているライドシェアのリアルタイムの走行経路を第三者と共有する機能があるので、活用する。

頼んでいない車や、事前に受けた情報と合致しない車には絶対に乗り込まない。

トラブルが発生した場合は、すぐに「911」に通報する。 」

 

三の2について

お尋ねについては、御指摘のとおりである。

 

四について

お尋ねの「OECD加盟国でライドシェアを禁止していない国」については、政府として現時点で把握している限りでは、米国において一部の地域で禁止されておらず、お尋ねの「割合」については、把握していない

 

五について

お尋ねについては、把握していない。

 

六について

お尋ねについては、現時点においても、 令和五年四月二十日の参議院国土交通委員会における森屋隆委員の質疑に対する斉藤国土交通大臣の答弁において述べているとおりである。

 

七について

お尋ねについては、現時点においても、令和五年四月二十日の参議院国土交通委員会における森屋隆委員の質疑に対する堀内国土交通省自動車局長 (当時) の答弁において述べているとおりである。

 

八について

御指摘の「国土交通省がまとめた対策」については、平成二十八年一月十五日に長野県北佐久郡軽井沢町の国道十八号碓氷バイパス入山峠付近において発生した貸切バスの事故を踏まえ、同年六月三日に 「軽井沢スキーバス事故対策検討委員会」がとりまとめた「安全・安心な貸切バスの運行を実現するための総合的な対策」を指すものと思われるが、 当該対策は、貸切バス事業を念頭に置いたものであり、「タクシー事業」を対象としたものではない。

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ライドシェアをめぐる世界各国の犯罪事案等と禁止・規制事例に関する質問主意書

 

運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かずに、自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態で、Uber、Lyft、DiDiなどのプラットフォーム事業者が配車を行う、いわゆる「ライドシェア」については、私が平成二十八年十一月十二日に衆議院に提出した「世界各国における自家用車ライドシェアをめぐる犯罪行為等に関する質問主意書」(第百九十二回国会質問第二二九号)で「米国・ボストン:女性客はUber社の運転手に目的地を伝えたが、女性の知らないところまで車を走らせて人目のつかないところで停車し、女性の座る後部座席に乗り込み、車の扉をロックした上で、女性を押さえつけ、性的暴行を加えた。(二〇一四年十二月、Huffington Post紙)」「米国・カリフォルニア州オレンジ郡:十代の少女がウーバーに乗客として乗車中にドライバーによってレイプされ、ドライバーが現地警察によって逮捕されたという。(略)ウーバーの広報担当は被告をドライバーから永久に除外すると述べているが、一方で、同社によるドライバーのバックグラウンドチェックはクリアしていたことも認めているという。(二〇一六年十一月、交通界Faxpress)」等の報道を示し、政府が把握している事案を質問したところ、当該ライドシェア運転者が逮捕又は起訴されたものとして、米豪印三カ国十一都市の事例が示された。

 

しかし、その後もライドシェアの利用に関連した犯罪は非常に多く発生しており、Uber社自身が発表した「Uber US Safety Report(アメリカ・ウーバーの安全性報告書)」には、Uber利用に関連した性犯罪が二〇一七年に二千九百三十六件うちレイプが二百二十九件、二〇一八年三千四十五件うちレイプ二百三十五件、二〇一九年二千八百二十六件うちレイプ二百四十七件、発生したと記載され、コロナ禍の影響により利用件数が五四%減少した二〇二〇年も性犯罪九百九十八件うちレイプ百四十一件が生じたと記載されている。なお、レイプに関し二〇一七から二〇一八年は被害者の九二%が乗客、二〇十九年から二〇二〇年は被害者の八八%が乗客であったことも同報告書に記載されている。性犯罪には、被害者が被害を申告しにくいという特徴があるため、実際の被害件数はこの数倍でもおかしくはない。内閣府の「令和二年度男女間における暴力に関する調査」では「無理やりに性交等をされた」被害経験者の五十九・九%は「誰にも相談しなかった」と回答しており、「警察に相談・連絡した」被害者は、男女とも六%程度だった。

 

また同報告書では、Uberのライドシェア利用に関連し、身体的暴行の結果、死に至った被害者が二〇一七年十人、二〇一八年九人、二〇一九年九人、二〇二〇年十一人というデータも記載されている。

 

具体的な事件の報道については「英国:十六歳の日本人留学生に性犯罪を犯した罪で、ウーバー運転手に実刑判決が下った。二〇一七年七月三十日、ヒースロー空港から学校が予約した車に乗るはずだったこの学生を騙して乗せ、キスを強要。「ここは英国だ」と放言。その後もしつこくスマホに連絡を入れ、逮捕された。(二〇一八年二月、Dailymail)」「米国・サンディエゴ:三十四件のレイプや婦女暴行を認めた元ウーバー運転手に八十年四ヵ月の禁固刑が言い渡された。五十三歳の男は罪状を認めている。高校から帰宅する女子生徒などを乗車中に酒や大麻で意識を失わせ、犯行に及んでいた。(二〇一七年十一月、The San Diego Union-Tribune)」「メキシコ・プエブラ州:二件の女子大生殺人事件を受け、メキシコ・プエブラ州はライドシェアの規制を強化した。現金払いは今後不可。非常ボタンの装備や運転手の薬物検査が義務化され、犯罪歴がチェックされる。ウーバーらは新法は不公平と反発。(二〇一七年十一月、Reuters)」「中国:(広東省の週刊紙「南方週末」によれば)過去四年間にメディアが報じたり、関係部門が処理した滴滴出行(DiDi・中国でライドシェアを展開するプラットフォーマー)の運転手による性暴力やセクハラ事件は少なくとも五十件あり、ほぼ毎月起こっている。五十件のうち、「故意殺人事件」は二件、強姦事件は十九件、強制猥褻事件は九件、行政処罰事件は五件で、まだ立件されていないセクハラ事件が十五件であった。犯罪行為を行った運転手は五十人で、被害者は五十三人で全て女性であり、そのうち七人は性暴力を受けた時には酩酊状態にあった。事件を起こした五十人の運転手のうち、少なくとも三人は人身の安全に危険を及ぼす前科が有ったが、「三証験真(身分証明書、運転免許証、車検証が本物かどうかの検査)」をパスしていた。二〇一八年五月十二日から滴滴出行は史上最大の業務改善を行ったというが、五月十九日に順風車(DiDiのライドシェアの名称)の営業を再開してからも「咸猪手(広東語の「痴漢」)」の魔の手は依然として女性乗客に伸びているのが実情である。(二〇一八年九月、日経ビジネス)」等がある。

 

ライドシェアを装った偽ドライバーによる犯罪も多発しており、複数の日本国総領事館が注意喚起を行っている。例えば在ロサンゼルス日本国総領事館の「安全の手引き」(二〇二〇年十一月改訂)には、ライドシェアについて「依頼中のドライバーを装って利用者を乗せ込み、非正規の値段を請求したり、見ず知らずの土地に連れて行き、強姦等を行う事件が発生しております」という記述もある。事実、二〇一八年サンフランシスコでは五年間で四件のレイプ事件を起こした偽ライドシェア運転手の有罪が確定。二〇一九年サウスカロライナ州で女子大学生が殺害される事件も起きた。タクシーのように外観で判別し難い点が、なりすまし犯罪を可能としている。

 

またライドシェアのドライバーが被害者となる事例も多く、二〇一七年以来、米国ではライドシェアやフードデリバリーで個人偉業主として働くドライバー五十人以上が殺害されたとの報告もある(二〇二二年四月、The New York Times)。二〇一八年にはシカゴ大学とライス大学の研究者により、ライドシェアが営業を開始して以降、米国の交通事故死者数が増加したとの研究報告も発表された。

 

このように、世界各国で痛ましい事件や事故が起き、多くの人命が失われ、また認可されたタクシー事業等との間に極めて不公正な競争を引き起こすことや、ドライバーの低所得化など様々な問題を生じたことから、海外では以下に示すようにライドシェアを禁止する動きが相次いできた。

○イスラエルでは二〇一七年十一月にテルアビブ地裁が違法判決を下した。

○欧州連合(EU)の最高裁にあたる欧州司法裁判所は二〇一七年十二月二十日、「ウーバーは運輸業」と判決。「配車アプリを介して運転手と乗客をつなぐデジタルサービス」というウーバーの主張を退けた。欧州司法裁判所の判決は控訴できず、欧州全域に適用される。司法判断を受けたウーバーは、欧州でライドシェアである「ウーバーポップ」を断念。他社も含めて現在、主としてハイヤー配車サービスに専念している。なお欧州でEUに加盟していない、アイスランド、イギリス、スイス、ノルウェーでもライドシェアは禁止されている。

○韓国では二〇一九年旅客自動車運輸事業法の改正により厳格にライドシェアを禁止した。

○トルコでは、税務登録をせずにライドシェアを広めたUberに対し、タクシーの運転手協会などがイスタンブールの商業裁判所に違法事業の停止を求め提訴。二〇二三年六月の最高裁判決で、ライドシェアの違法性が確定した。

○台湾では法改正によりライドシェアを禁止するとともに、配車アプリ専用の新サービス「多元化タクシー」を始め、Uberもこの合法サービスに従って営業している。

また禁止までの措置を取っていない国でも、なんらかの規制は行われている。

○国土交通省・国土交通政策研究所が二〇一八年六月にまとめた「運輸分野における個人の財・サービスの仲介ビジネスに係る国際的な動向・問題点等に関する調査研究」(国土交通政策研究第一四八号)には、営利型ライドシェアを容認している中国、インドネシア、シンガポール、フィリピンなどにおいても、ドライバーの資格や営業車両の台数、運賃、車両の規格、納税義務等について法令上の規制が存在することが明示されている。

○ニュージーランドでは二〇二二年に「ウーバーの運転手は個人事業主ではなく従業員」と雇用裁判所が判断した。

などの事例があり、米国でも、ライドシェアドライバーに労働者の権利を認めるかどうかについて、各州で州法の改定や訴訟が続いている。このように、一旦は法のグレーゾーンを突いて拡大したライドシェアも、禁止・規制されることが世界の流れである。

 

日本政府も、ライドシェアに関し、利用者の安全確保に問題があるとの認識を示し続けており、平成三十年四月二十日には、当時の菅義偉官房長官が内閣総理大臣臨時代理として、牧山ひろえ参議院議員の質問主意書(第百九十六回国会質問第七〇号)に対し「自家用自動車ライドシェアは、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに、自家用自動車の運転者のみが運送責任を負う形態を前提としており、このような形態の旅客運送を有償で行うことは、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があると考えている」と答弁した(答弁一)。

 

菅内閣時の、令和三年五月二六日の衆議院国土交通委員会では、道下大樹委員の質問に対し、赤羽一嘉国土交通大臣は「海外ではどういう判断をしようとも、我が国は、自動車による旅客の運送におきましては、安全、安心の確保が最重要、大前提だというふうに認識をしております。ライドシェアにつきましては、(略)運行管理ですとか車両整備等についての責任を負う主体を置かないまま、自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形を前提とした旅客運送を有償で行うということは、安全の確保、また利用者の保護等の観点から問題があるため、認めるわけにはいかないという考えは全く変わっておりません」と答弁している(答弁二)。

 

また令和五年四月二十日の参議院国土交通委員会では、森屋隆委員の質問に対し、斉藤鉄夫国土交通大臣は「いわゆるライドシェアは、運行管理や車両整備等について責任を負う主体を置かないままに自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としており、安全の確保、利用者の保護等の観点から問題があると考えており、この考えは従来から変わっておりません」と答弁し(答弁三)、森屋隆委員の更なる質問に対しては、政府参考人として堀内丈太郎・国土交通省自動車局長が「特区という形でもライドシェアを認めるということは考えておりません」と答弁している(答弁四)。

 

なお、国土交通省においては、軽井沢スキーバス事故を受け、平成二八(二〇一六)年六月三日に「安全・安心な貸切バスの運行を実現するための総合的な対策」を取りまとめ、「今回のような悲惨な事故を二度と起こさないという強い決意」のもとに、①運転者の技量チェックの強化、②運行管理の強化、③車両管理の強化といった対策を決定したところである。以下質問する。

一 政府は、世界各国で、ライドシェアの利用に関連して発生した、暴行・傷害・殺人・強盗などの利用者が被害にあった犯罪行為についてどのような実態があるか把握しているか。政府の把握している内容及び件数を全て明らかにされたい。

二 政府は、世界各国で、ライドシェアの利用に関連して発生した、暴行・傷害・殺人・強盗などのライドシェアドライバーが被害にあった犯罪行為についてどのような実態があるか把握しているか。政府の把握している内容及び件数を全て明らかにされたい。

三 邦人に対する注意喚起について

1 現時点で、ライドシェアが禁止されていない国・地域において、現地の日本国機関が邦人に対し、外務省発行の手引き等で「ライドシェアに関する注意喚起」を行っている事例があるか。あれば国・地域における注意喚起の文言を、邦人に対して行っているとおりに示されたい。

2 外務省発行の手引き等で政府が注意喚起した理由は、現地の日本国機関が把握したライドシェアの利用に関連した犯罪行為等に類する危険が、邦人に及ぶ可能性があると認識したことで間違いないか。

四 OECD加盟国でライドシェアを禁止していない国と、その割合を明らかにされたい。

五 前記四で答弁した以外で、現在、ライドシェアを禁止していない国・地域はどこか。政府の把握している国・地域を全て明らかにされたい。

六 前記答弁一~三は、いずれも自家用車ライドシェアを「安全の確保、利用者の保護等の観点から問題がある」とし、政府として認めない考えを示しているが、この方針には変わりがないか。

七 前記答弁四の通り、政府は「特区という形でもライドシェアを認めるということは考えていない」との見解を示しているが、この方針には変わりがないか。

八 軽井沢スキーバス事故を受け、国土交通省がまとめた対策では「今回のような悲惨な事故を二度と起こさないという強い決意」のもとに、①運転者の技量チェックの強化②運行管理の強化③車両管理の強化といった対策が明記されている。人命の保護こそが全てにおいて優先されるべき公共交通機関として、タクシー事業においてもこの対策は適用されるのか、政府の見解はいかがか。

右質問する。