つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

2023年11月15日 参議院憲法審査会 発言・質疑テキスト:参議院議員の選挙区の合区問題

2023.11.16

国会ブログ速記録・議事録国会質問

 

 

○辻元清美君 この度、立憲民主党の筆頭幹事、そして、本審査会の会長代理を務めさせていただくことになりました辻元清美です。どうぞよろしくお願いをいたします。

さて、一票の較差の最高裁判決について、まず法制局長にお伺いをいたします。
結論は令和2年判決と同じですが、内容の相違点はあるのか、また、判決を受けて、立法府への要請は何か、見解をお願いいたします。

 

○法制局長(川崎政司君) お答えいたします。
令和2年判決は、選挙区選挙において定数2増などを行った平成30年改正の評価を行った上で、著しい不平等状態にあったとは言えず、合憲との判断を示しているのに対し、令和5年判決は、令和2年判決と同様の判断枠組みに立ちつつ、令和4年選挙が改正のないまま実施されたものであることから、較差の拡大防止等にも配慮して4県2合区を含む定数配分規定を維持したことをもって合憲と判断しているものと理解しております。

また、令和5年判決は、較差の更なる是正を図ること等は喫緊の課題とした上で、立法府への要請として、より適切な民意の反映が可能となるよう、現行の選挙制度の仕組みの抜本的な見直しを含め、較差の更なる是正等の方策について具体的に検討した上で、広く国民の理解も得られるような立法的措置を講じていくことを求めるとしております。

 

○辻元清美君 今の御説明のとおり、この最高裁判決が国会に投げかけたメッセージ、これを重く受け止めて、我が会派も、あるべき選挙制度の議論を真摯に行ってまいりたいと思います。

お手元の参議院法制局資料にも記載されている歴代の最高裁判決が示しているように、二院制の下、衆議院とは異なる参議院の独自機能や役割を位置付けて選挙制度に反映させることは、国会の合理的な裁量権の行使として許されるものであると解して、これを踏まえた根源的な議論が必要であるというように提起をしたいと思います。

また、現在、参議院議長の下の参議院改革協議会の選挙制度専門委員会で二院制における参議院の在り方などの議論が行われていますが、その内容も踏まえつつ、本審査会でも参議院の選挙制度の議論を深めてまいりたいと思います。

さらに、現行憲法は、国会は、全国民を代表する選挙で、選挙された議員でこれを組織するとされてきました。よって、合区問題などを議論するに当たっては、参議院の在り方、当該地域を含む地方の声などだけではなく、都市部も含めて全国民的議論が必要であるとも考えます。

そして、最後に一言、憲法の在り方について申し上げます。

岸田総理は、10月23日の所信表明演説で、改憲について、条文案の具体化など積極的な議論をと、条文案の具体化という言葉まで言及をされました。行政府の長たる総理大臣は、現行憲法を遵守する立場にあり、総理大臣が衆参本会議で条文案の具体化を促すような発言をすることは、これは幾ら何でも越権行為と言わざるを得ないと指摘させていただきます。

また、総理の発言とまるで平仄を合わせたように、11月9日の、衆議院憲法審査会会長が海外派遣の中で、議員任期延長を始めとした国会機能維持策について、速やかに議論を詰めていかなければならないと発言されました。この発言は、全体のコンセンサスもない中、公平公正な委員会運営とは言えないのではないかと私は元衆議院の審査会委員として危惧いたしました。

そんな中で、中曽根会長におかれましては、このような動きとは一線を画し、大会派、小会派に、少数会派にかかわらず、常に公平公正な運営に努めていただいていることに改めて敬意を表したいと思います。

最後に、この選挙制度の在り方も含めまして、参議院の本審査会では参議院の独自性を生かした落ち着いた議論がなされるように呼びかけさせていただきまして、発言を終えます。

ありがとうございました。