つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

<答弁書>イージス・システム搭載艦の費用に関する質問主意書

2024.2.27

国会ブログ質問主意書

2024/2/15(木)、「イージス・システム搭載艦の費用に関する質問主意書」を提出しました。

→2/27(火)答弁書が閣議決定されました。

https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/213/touh/t213032.htm

 

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イージス・システム搭載艦の費用に関する質問主意書

今般令和六年度の防衛予算案が示され、イージス・システム搭載艦についての建造予算が計上された。政府が、イージス・システム搭載艦の導入を決定したのは令和二年十二月と承知しているが、同年六月に当時の河野太郎防衛大臣が、コスト面も踏まえてイージス・アショアの配備をやめると決断してから、わずか半年の検討期間であった。さらには、陸上用とされる多機能レーダーSPY―7を、コスト増が指摘されているにも関わらず、イージス・システム搭載艦に流用することとし、結果として更なるコストが生じうると指摘されてきた。このほかにもイージス・システム搭載艦には多大な経費が必要になりうると懸念され、国会審議でも多くの質疑がなされたが、なお政府の説明は不十分である。一方で、政府は、令和六年度までにはきちんとした形で費用の話ができるようにする必要があると考えており、同年度予算を要求するに当たり、きちんとした数字を整えて対応したい旨の答弁もあるところ、以下質問する。

 

一 防衛省が作成した資料である「令和六年度予算案の概要」には、「イージス・システム搭載艦の建造等」について、二隻分三千七百三十一億円を計上していると記載されているところ、「建造等」の「等」とは何を指し、それぞれいくらの予算を計上しているのか、答弁されたい。
二 防衛省が作成した資料である「令和六年度予算案の概要」には、イージス・システム搭載艦の取得経費について、「既計上分を含めて機械的に積算すれば、取得経費は一隻当たり約三千九百二十億円」との記載があるが、一ドル何円として計算しているのか。また「約三千九百二十億円」のうち、外国に支出をする経費の金額と、外国に支出をする経費のうち、現時点で未払いであり、昨今の円安の影響を受け価格が上昇しうる経費の金額を答弁されたい。
三 イージス・システム搭載艦は、防衛力整備計画期間中においては、取得経費として、二隻で約〇・四兆円を積算していたとされるが、その取得経費は、既に計画策定時点での計画額から、少なくとも約〇・二兆円上昇しているとされ、約一・五倍になっているとされる。上昇の一因は、SPY―7を搭載するため船を大型化する必要があったことと指摘されるが、事実関係を示されたい。
四 FMS調達においては、米ドル建ての契約額に対して、調達額は契約額を契約年度の支出官レートにより換算した邦貨額であり、支払額は支払年度の支出官レートにより換算した邦貨額となることから、契約年度と支払年度が異なる場合、為替の影響を受けることがあると理解している。
政府は、令和五年十一月十日衆議院外務委員会における答弁で、イージス・システム搭載艦の取得経費に関して、令和四年末の防衛力整備計画策定時点の計画額と比べ、約〇・二兆円上昇していることを認めつつ、当該取得経費は、令和六年度予算への計上をもって完了する計画であり、これ以上増加することは想定していない旨答弁しているが、為替の影響を受けても、イージス・システム搭載艦の取得経費は増加しないのか。
五 政府において、令和六年度予算への計上をもって完了し、これ以上増加することは想定していないとするイージス・システム搭載艦の取得経費の中には、今後搭載を予定する構成品(部品)の取得経費は全て含まれているのか。
全て含まれていない場合、イージス・システム搭載艦の構成品(部品)は、イージス・システム搭載艦の取得経費に該当する場合と、該当しない場合があると理解するが、両者はどのような基準で分けられるのか。
六 政府は、イージス・アショアの配備を進める過程で、予算額約三百五十一億円規模で、レーダー(SPY―7)の取得に関する経費を計上していたが、当該経費は全て支払い済みか。また、SPY―7と関連システムに係る経費として、米国と約千八百億円の契約を締結していたが、当該経費は全て支払い済みか。未払いの額がある場合、今般の円安の影響を受け、必要経費が増えることはないのか。
七 イージス・アショアを配備するために契約をし、当該契約を破棄せずに、イージス・システム搭載艦で使用することとなった構成品(部品)は何か。それぞれ取得経費とともに、明確に答弁されたい。
八 防衛省が作成した資料である「令和六年度予算案の概要」には、イージス・システム搭載艦の取得経費について、「既計上分を含めて機械的に積算すれば、取得経費は一隻当たり約三千九百二十億円」との記載があるが、「約三千九百二十億円」の中に、イージス・アショア用に取得した構成品(部品)は何が含まれるのかを明らかにした上で、「約三千九百二十億円」の内訳を金額とともに答弁されたい。
九 令和四年末に閣議決定された防衛力整備計画に積算されている、イージス・システム搭載艦二隻の取得費〇・四兆円の金額には、SPY―7含めイージス・アショア用に取得した構成品(部品)に係る経費は含まれていないのか。
十 防衛力整備計画期間中、SPY―7含めイージス・アショア搭載用に計画していた構成品(部品)の取得に係る経費の支払いが、防衛力整備計画に計上している、歳出総額四十三兆円又は物件費四十三・五兆円を浸食することはないのか。
十一 イージス・システム搭載艦の取得経費以外の経費(ライフサイクルコスト等)も含めた、イージス・システム搭載艦に係る経費は、既計上分を含めて一隻当たりいくらになるのか。SPY―7含めイージス・アショア用に取得した構成品(部品)に係る経費が含まれる場合は、その旨説明し、内訳を金額とともに示されたい。
十二 装備の契約後に活用法を考えるのは順序が逆であるとの指摘がある。陸上用とされるSPY―7の契約を破棄せずに、イージス・システム搭載艦での活用方法を考え、結果としてコストの上昇を招いている政策決定過程について、政府の見解を求める。
十三 令和五年十一月二十七日の参議院予算委員会で、木原防衛大臣は、イージス・システム搭載艦二隻の取得費について、令和五年度予算に計上した約二千二百億円に加えて、令和六年度概算要求に約三千八百億円を計上していることから、防衛力整備計画期間中の計上額は約六千億円となり、防衛力整備計画計上額から約二千億円上昇している旨答弁しているが、「約六千億円」の経費には、SPY―7含めイージス・アショア用に取得した構成品(部品)に係る経費は含まれないのか。
十四 弾道ミサイル迎撃用にSPY―7を搭載するイージス艦は、米国も含め現時点で例がないのか。
十五 弾道ミサイル迎撃用にSPY―7を搭載するイージス艦について、米国も含め現時点で例がない場合、①調達上のスケールメリットが働きにくいこと、②新たなレーダーと組み合わせるイージス・システムの開発・試験・維持などの相当部分を我が国の事業単独で行う必要があること、③イージス艦の乗組員や技術者の教育については、これまでは米国をはじめ各国の知見・蓄積も活用されてきたが、イージス・システム搭載艦には新たに整備していく部分も発生することについて、政府はどのように認識しているか。
十六 イージス・システム搭載艦への搭載が検討されている対HGV新型迎撃ミサイルを含む将来装備について、令和四年末に閣議決定された防衛力整備計画には、その内容や金額は盛り込まれていないという政府答弁(令和五年五月九日衆議院財務金融委員会)があるが、対HGV新型迎撃ミサイル以外で、イージス・システム搭載艦への搭載が検討されている将来装備のうち、令和四年末に閣議決定をされた防衛力整備計画には、その内容や金額が盛り込まれていないものは何か、答弁されたい。
十七 イージス・システム搭載艦二隻分の運用維持費、ライフサイクルコストのうち、令和四年末に閣議決定をされた防衛力整備計画に計上されている経費はあるのか。金額とともに答弁願う。
十八 令和三年四月二十二日の参議院外交防衛委員会において、当時防衛省は、イージス・システム搭載艦のライフサイクルコストの見積りに関して想定される項目を記載し、ライフサイクルコストが一隻当たり四千百六十四億円になる旨の資料を作成していたとも受け取れる答弁をしている。同委員会で言及されている、「イージス・システム搭載艦のライフサイクルコストの見積りに関して想定される項目」を示し、当時想定していた項目ごとの経費を答弁されたい。
十九 令和六年度予算案がまとまった現在における「イージス・システム搭載艦のライフサイクルコストの見積りに関して想定される項目」を示し、項目ごとに想定した経費を答弁されたい。その際に、令和三年四月二十二日時点での想定額と差が生じている場合は、その理由も示されたい。
二十 政府は、イージス・システム搭載艦二隻分の運用維持費、ライフサイクルコストについて試算をしているのか。行っている場合は、試算で良いので内容を示されたい。試算すらしていない場合はその理由を示されたい。
二十一 令和五年十月二十七日に開催された財政制度分科会における財務省資料では、イージス・システム搭載艦二隻について、少なくとも、まや型イージス艦の運用・維持コスト(五千八十二億円)、廃棄コスト(三億円)程度の費用は発生する見込みとされている。イージス・システム搭載艦の運用・維持コスト及び廃棄コストの合計は、少なくとも五千億円は発生するという見解を否定できる事実はあるか。
二十二 令和六年度予算案において、イージス・システム搭載艦の建造経費以外の経費(ライフサイクルコスト等)を含めた、イージス・システム搭載艦に係る予算は、二隻でいくらになるのか。また、その内訳を金額とともに示されたい。
右質問する。