つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

提言型政策仕分け<その3>「もんじゅは大きな前提の過ち」「ハタチのジョブスを見つけられるか」

2011.11.29

国会ブログ

午後、予定を大幅に遅らせて「研究開発」の議論へ。提示された論点は以下の通り。
科学技術(研究開発):研究開発の在り方・実施方法
①研究開発は役に立っているのか?
・平成に入り、科学技術費振興費は3倍に増加。社会保障関係費を上回る伸び。
・予算の伸びに従い総論文数は伸びたものの、「被引用度」で世界トップ10%に入る質の高い論文数は低水準。日本における1論文あたりの予算額は高額。
・施策の評価・検証は十分か。どのような仕組みにより説明責任を全うすべきか。
②民間・産業界との連携が不十分ではないのか?
・大学などが企業から受け入れた研究開発費は国際的にも低水準。
・費用対効果を高めるためにも、民間資金の導入を強化する必要があるのでは。
③研究開発の施策は誰がどのように決めているのか?
・厳正な評価によるメリハリ付けは必要だが、2011年度は86%が「S」または「A」評価になっている。
・研究開発の施策の優先順位付けが十分に行われていないのではないか。各省間の連携を含めた効果的・効率的な施策の実施のため、どのように実効的な優先順位付け等を図るべきか。
「仕分け」本番に先立ち、各省庁からのヒアリングを数回重ねていた。私はその席で、「いわゆる『国策』として進めてきた研究開発はどんなものがあるのか? 国をあげて何をしようとしてきたのか? どんな結果だったのか?」「福島第一原発事故があり、除染や廃炉研究に国際的な関心も集まり、国民世論ともマッチする。研究開発には時代性、社会性が必要なのではないか」と問うていた。仕分け本番での議論も、「研究開発に対する評価やチェックをどうしてきたか」に仕分け人の関心が集中したが、省庁側の説明は「国として必要な研究をやってきた」にとどまり、研究を途中で評価するしくみがないことが明らかになった。
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私は「長期にわたる研究は大事」という前提の上でこう発言。「例えば『もんじゅ』は40年間、1兆円をつぎこんできた。途中で止める議論はなかったのか? 失敗例が『特定できない』というのは今や通用しない。とくに原子力関係では、『税金を使って何やっているんだ』という見方が強い。昨日の仕分けの議論で『事故が起こるのか、そんなに危ないのか、と思われるので原子力事故対応の研究は行ってこなかった』と文部科学省は発言したが、『危ないと思われるからしない』を前提とした研究は、大きな前提の過ちだ」と発言。そして、あらためて「国策研究の失敗例はあるのか」と問いつめた。それに対し省庁側は「中断した例はある」と、15年前の新型転換炉の例を挙げた。階議員が「失敗は素直に認めるべき。そこから改善が始まる」と引き継ぎ、評価の重要性を議論。
イノベーションと生産性の議論のなかで、「アップルを創設したジョブスが何歳で亡くなったか。フェースブックのズッカーバーグはいま何歳か」と仕分け人が問いかけた。「みな驚くほど若いが、総合科学技術会議メンバーの平均年齢はどうか。若ければいいというものではないが、新しい技術を適切に評価できるのか」という指摘。
私は「ハタチのジョブスを見つけられるか、が大事。日本の研究開発には『S・A評価』が多いのに、なぜそういう人材が出てこないのか。判定する人が目利きでない、判定基準が古くなっているということではないか」と問い、「いまは高度経済成長期とは違う。東日本大震災が起きてから、社会は変わった。研究成果が社会の課題解決に生かされてこなかった、という認識を多くの研究者が抱いているように、いまが研究やプロジェクトのあり方を根底から再検討するチャンスだ」と訴えた。
<評価結果の概要>
科学技術予算のあり方については、成長への寄与度などイノベーションに関する指標に重点を置いた検証可能な成果目標を設定したうえで、所管官庁から独立した厳格な外部評価を行うべきである。そのためにも総合科学技術会議から科学技術イノベーション戦略本部への改組に当たっては、構成員及び事務局体制の全面的な見直し、あわせて、事業の優先付けを含めた各省横断的な総合調整機能の強化を図る。なお、独立行政法人による研究開発については、種々問題点が指摘されているところであり、事業の透明性を図るためにも、ガバナンスの強化を図る。
終了後の記者会見で、私は「政治家、専門家、省庁などが集まってオープンな議論ができたことは意味があった。科学技術や大学は誰のものか、と問えば国民のもの。今後もオープンな議論を続けて、その成果を研究開発などに打ち込んでいけたらいい」と発言。
今後「総合科学技術会議」は「イノベーション戦略本部」に改組される。そこでも、今日のように議論をインターネットで同時中継するなどして、フルオープンにしてはどうか。