つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

4/12予算委員会分科会で質問しました:原子力規制委員会の事故原因などを調査する有識者検討会の人選について

2013.4.12

国会ブログ

本日4/12、予算委員会第7検討会で質問しました。
有識者検討会のメンバーに選ばれた北海道大学の奈良林直教授は、東京電力から多額の資金提供を受けてきた研究者。
しかも、事故原因を検討するうえで焦点となる国会事故調の報告書について、下記のような発言を繰り返してきました。
以下は東京電力のホームページに「福島第一原子力発電所事故 専門家インタビュー2012/9/6」として掲載されているもの。
福島第一原子力発電所事故 専門家インタビュー
■(国会事故調の報告書について)事実を無視した非常にひどい報告書だという見解を私は持っています。(中略)。国会事故調も政府事故調も原子力の専門家がほとんど入っていないと言ってもいいです。
■国会事故調の記述は、非常に意図的に”結論ありき”で報告書を書いているようにしか見えません。
「月刊WILL」2012年10月号「原発事故調報告の致命的な欠陥」でも、櫻井よしこ氏との対談でこのように発言しています。
■「国会事故調は技術的問題点を指摘できていないばかりか、間違った指摘をしているのです。」
「こうした発言をしっていたか」という私の問いに対し、田中委員長は、「知っていたが、専門性からベターな人選」と答弁。
しかし同教授は、2008年10月に釧路・室蘭・旭川で行われた「ほくでんエネルギー講演会」~プルサーマルの必要性と安全性~にて、
■研究結果により、微量の放射線は体にいい影響を及ぼすことがわかっています。放射能を「怖い」と思う気持ちがあるかもしれませんが、正しい知識を持つことが大切です。日本の原子力発電所は旧ソ連のチェルノブイリ原子力発電所と異なり、原子炉格納容器で守られているため、万一事故があったとしても外部環境に影響を及ぼすことはありません。
と、専門性についても疑問を持たざるを得ない発言をしています。
さらに事故後には、2011年4月3日テレビ朝日「サンデースクランブル」で以下のような発言。
■塩を200グラム取ると、成人男性の方は、致死量というんですけど、半分の方が亡くなられます。200グラムですよ。ところがプルトニウム239の経口致死量、飲み込んだ場合、これは32グラムです。ですから毒性というのは、まあ飲み込んだ場合はですね、塩とそんな大差ないんです。
何より2011/10/14北海道大学特別講義「福島第一原発事故の分析と教訓」で、
■(大本営発表で、国民が「神風が吹けば日本は勝つ」と思い込まされていたことと現在の状況を重ねて)「『戦争は危ない』といっていた人を非国民と呼び非難した。それが日本の社会だった。いま、『原子力は大事です。安全性を高めなければならないです』というと、御用学者だと非難される。私はいま、第二次世界大戦のときとまったく同じ状況ができてしまっていると思います」
と発言しています。私は、「日本の原発は安全だ」という「安全神話」のなかで、原発の危険性を訴える研究者やジャーナリストを締め出していった福島第一原発事故以前の日本のあり方こそ、戦前と同じだと思うのです。奈良林教授は、まさに「原子力ムラ」のど真ん中にいた研究者だったのではないでしょうか。
「これらの発言を知っていたのか」と私が問うと、田中委員長は「知らなかった」と答弁。
原発の再稼働にもかかわる事故原因を検討するのですから、委員がどのような姿勢をもっているのかを考えるのはとても重要。
原発を「安全だ」と推進し、今回の事故ですら反省がみられない「有識者」が入って得られた結論に、国民が納得できるでしょうか。
公正・中立・公開を旨とする原子力規制委員会が国民からの信頼を得るためにも、どういう基準で、誰を委員に選ぶのか、についてはきわめて国民的関心が高いことをしっかり認識すべきだと考えます。