つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

6/27(木)早稲田大学政治祭「どうする!?僕らの憲法!」に参加してきました

2013.6.28

国会ブログ

母校、早稲田大学にて、「早稲田大学政治祭」に参加してきました。
お昼の12時から夜20時過ぎまで、6部構成でおこなわれたこの「政治祭」。
私は夕方の第4部、「どうする!?僕らの憲法!」というセッションで、自民党の中谷元議員とジャーナリストの高野孟さんとともにパネルディスカッションをおこないました。
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司会の高野孟さん
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終了後、主催の早稲田大学鵬志会のみなさん、中谷議員と記念撮影。
スーツ姿できびきびと運営をおこなっていた学生のみなさんの姿は頼もしかったです!

中谷議員は元防衛庁長官、私はNGO出身。二人の立場は違うけれど、国会の安保委員会などで、日本の安全保障の議論をリードしてきました。
憲法問題もこの10年間、衆議院の憲法調査会のスタートの時から議論を積み重ねてきました。
当日のパネルディスカッションの概要を報告します。
高野さん;9条の議論はそれはそれで重要だが、憲法そのものをどう捉えるか。憲法を挟んで権力のあり方と国民の関係をまず議論しないと、ということをこれまでずっと話してきた。
中谷議員;湾岸戦争で国際社会における日本の役割が問われた。この問題について辻元さんとケンケンガクガクやってきた。9.11のときに私は防衛庁長官だった。辻元さんが国会で「総理、総理!」と言ったときに小泉総理が私を指差したけれども、辻元さんに「あなたじゃない、総理だ」と言われた。
辻元;32年前に早稲田大学教育学部に入学。大学時代、’83年にピースボートを立ち上げた。平和は祈っていても作れない、積極的な草の根運動をしたり紛争の予防や仲介をしていかないと平和は作れないということで、船で世界を訪問して活動していこうと、早稲田の4人で立ち上げたんです。
辻元;阪神淡路大震災のときにボランティア活動をして、その翌年、土井たか子さんから国会議員への出馬を勧められ、初当選。ずっと憲法問題に取り組んで来た。
辻元;よく勘違いしている人が多いが、憲法は国民が守るべきルールではない。戦後、日本国憲法ができて、集会結社の自由が盛り込まれた。このことが盛り込まれていなかったら、今の集会もできなかったかも知れない。憲法は権力者の暴走を縛るもの。これが立憲主義と言われているもの。
辻元;憲法改正はどういうときにするか。憲法調査会でも中山太郎会長のもと、憲法改正した国々を視察した。どの国でも、憲法は国民のものだから、国民の大多数の「ここを変えてくれないと困る」という声が上がってきて初めて変えられていた。今、日本でそういう声は高まっていない。
高野;立憲主義、憲法に従って政治を行おうというのは、実際には歴史的文脈の中では特別の意味を持っている。絶対王政、王侯貴族が好き勝手やっているときに、近代ブルジョワジーが旧体制に対して権力の横暴をいかに抑えるかとなった。
高野;つまり国民主権の現れ、権力を抑える武器としての憲法が近代国家の始まり。このことについて自民党の憲法草案は、国民を縛る条項がある。自民党は立憲主義についてどう議論しているのか。
中谷議員;現行憲法の原案はGHQが作ったが、民主主義、国民主権、平和主義はもちろん大事にしたい。しかし戦後66年経って、時代が変わってきたのに対応していない。バブルがはじけ、地方と都市の格差も生まれた。ここでもう一度国家を見つめ直す必要があるのではと多くの人が思っている。
中谷議員;国民主権というなら、国民の意志に従い、国民の考えている憲法を作るというのが本当の立憲主義だと思う。最終的に判断するのは国民。国民に判断するチャンスを与えるべき。
高野さん;これまで日本の憲法は、制度的に変えにくいから変わらなかったのか、それとも国民が変えたいと思っていない、よくできた憲法だから変わらなかったのか。
高野さん;アメリカは日本よりずっと改正のハードルが高いが、それでも何度も憲法改正している。小林節さんもまさにその点を指摘していて、「憲法は自分も変えたい。でも変えるなら堂々と議員の2/3の賛成をとって発議すべきだ」と。
中谷議員;自民党内にも1/2という点には反対意見もあったが、「2/3を1/2にする」と提案することで議論を喚起すると考えた。日本は憲法に関する重みや期待が希薄。なんとなく平和だからいい、という感覚。私はまず提案をすることが大事だと思う。国民が判断する手続きを一度やるべきだ。
辻元;中谷さんは実は心の中では96条改正には反対なんじゃないかと思うんですけど(笑)。「0増5減法案」は三銀でみなし否決され、衆議院で再可決されたが、3分の2の賛成が必要。憲法が法律よりも簡単な発議ができるというのはおかしい。
辻元;今は政権交代時代。小泉さんが郵政選挙で圧勝したとき、民主党政権が来るとは誰も思いもしなかった。96条が改正されると、政権が変わるたびに憲法が変わることになってしまう。
辻元;イラク戦争のときに自衛隊はサマワで給水活動をした。9条があるからそれしかできなかった。イギリスは前線にかり出されてたくさんの人を殺した。日本はイギリスのような役割はすべきなのか。
中谷;これから日本がどうやって自国の安全を守り、沖縄の基地問題を解決するか。いつまでも自立出来ずアメリカを頼っているのか。どうやって国際貢献をしていくのか。
辻元;国民との今のコンセンサスは専守防衛だと思う。日本は集団的自衛権を認めて、イギリスと同じようにアメリカと一緒に戦う覚悟をするのか。イギリスはあの戦争を反省している。国を守るというのは総合力だと思う。実戦に踏み切るという意志を示したらアジアの国々との緊張が高まる。
辻元;アメリカも今、安倍さんに対して警戒心を持っている。アーミテージさんもそう発言している。日本もアジアの他国と仲良くしてほしい、とアメリカですら慎重な態度を取っている。
中谷議員;私が心配しているのは、今、海外で日本人が危険な状態に遭ったときに救出に行けるかどうか。
辻元;今の話しは非現実的だと思う。相手の国に軍隊を入れるというのは相手国の同意がなければ入れない。主権国家はたとえその国の救助であっても、武器を持って入られるというのはほぼ認めない。
辻元;たとえば今、日本でテロが起こったら、他国の軍隊が自分の国の国民を救出するために入ってくるのを受け入れるか。仮に主権国家の中で他国の軍隊が入って発砲したら、大きな国際問題になる。
高野さん;もう一度96条に立ち返って、今、憲法をどのように国民的議論をしてどう国会に反映させ、煮詰めていくのか。憲法議論の進め方をおふたりにお聞きしたい。
中谷議員;憲法は誰かが考えて作ってくれるものではない。国の基本である憲法をみんなで考えるべき。一度国民投票にかける必要があると思う。自民党の草案はあくまで議論のためのドラフト。国民のみなさんからの提案を聞いて考えていきたい。
辻元;東日本大震災の被災地をずっと回っていたときに常に頭にあったのは憲法25条。最低限の暮らしができていない現実を目の当たりにして、とにかく自分たち国会議員は25条を実現する政策をおこなわないといけないと思っていた。
辻元;世界のどこでも、丸ごと憲法を作り直す国というのはない。各政党がまるごと「今の憲法はいかん。こう変えないと」と出すというのは他の国に信用されない。今の憲法に従ってしっかり政治をし、差し支えがあるところがあれば変えようというのが国際的スタンダード。
会場からの質問;国民投票があるから大丈夫、というが、日本の国民投票法は、投票した人の過半数になっていたと思う。投票率が2割だったら1割の人が賛成したら改正されてしまう。外国なら台湾が最低投票率70%と決めている。
中谷議員;1票1票は国民に等しく与えられた権利で、どう行使するのかは個人の権利で意思表示であると考える。
辻元;最低投票率に関してはずいぶん議論されてきた。また話し合ってもいいと思う。
会場からの質問;自民党の方は「押し付けられた憲法」と言うが、日本の人権活動家の草案が非常に考慮されたものである。軍隊を持たないという部分は押し付けられたことになるかもしれないが、日本にとって有効に働いている。自民党はちゃんと勉強してほしい。
辻元;歴史の古い国はすでに憲法があるが、アフリカなど独裁国家が独立して新憲法を作るときに、自分の国で作れずに日本国憲法を参考にしたという例もある。
高野さん;ベトナムでも憲法改正に取り組んでいるが、日本の教授が諮問委員会に入っていたりする。
中谷議員;自衛のための軍備も持たないということを、吉田茂が言ったとき、共産党の議員が「そんなことはありえない」と言ったという。実際には昭和27年ごろに自衛隊を作ったが、戦力ではないとしている。そのように現実と乖離している点は改めていかなければならないと思う。
中谷議員;立憲主義とは何かというときに、権利もあれば義務もある。義務も他の国の憲法で書かれている。権力を縛り付けるだけが立憲主義ではなく、国を維持するためのきまりもあるので、国の財政も破綻しているし、自分たちで国を支えるという面もあることを考えていただきたい。
辻元;立憲主義というのは権力を縛ることを意味する。国民に対して憲法尊重義務を課している憲法は、中国やロシアなど旧共産国にはみられるが、近代立憲主義の主要な国家にはない。
司会;まだまだ話しは尽きませんが、時間がまいりました。パネリストの皆さんに大きな拍手を。