つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

第183国会が閉会しました

2013.7.3

国会ブログ

第183国会が閉会しました。
私は、予算委員会での原発ゼロ議論に始まり、東電の調査妨害事件、原子力規制委員会の新規制基準などを追及、さらに歴史認識問題や憲法などで、激しく安倍総理と対峙しました。
すると、なんと安倍総理は私の追及から逃げるために、「ブッシュ大統領との間の日米首脳会談においては、この問題(慰安婦問題)は全く出ておりません」と答弁。
それは事実関係とは違う。私が質問主意書などで追及した結果、菅官房長官がしぶしぶ答弁の間違いを認めました。
河野官房長官談話についても、何度も何度も質問を繰り返し、「継承する」ことを認めさせました。
アジアはもちろん、アメリカとの関係を考えたときも、きわめて大きな外交課題となっていたからです。
法務委員にも就任し、国際的な子どもの連れ去り問題に対応する「ハーグ条約」や、交通事故の厳罰化をめぐる問題など、国民生活に深く関わる重要法案を審議しました。
さて、参議院選挙を控えて、与野党が激しく意見をたたかわせるはずだった終盤国会は、尻切れとんぼで閉会。予算委員会で安倍総理と対決する機会があと2回はあったはずですが・・・・・・
株価が下落し始め、橋下大阪市長の慰安婦発言もあって、安倍政権の歴史認識が国際的な批判を浴び始めたころから、安倍総理は逃げまくり、ほっかむり。まったく国会議論に出てこなくなってしまいました。発言は、フェイスブックか海外での記者会見ばかり。
アベノミクスがこのまま続けば、日本はどうなるでしょう。
物価も長期金利もじわじわ上昇、住宅ローン金利は3カ月続けて上昇しました。
政府は、参議院選挙まではなんとか景気と株価をもたせたいと考えているように見え
ます。ついに、公的年金の運用における、株式の割合を増やすことを決めました。
もともと年金の運用は、株が安いときに買って高いときに売るもの。
大幅に下がるリスクがある今、国民の資産でバクチをうつなんて、選挙のために政策的に「買い支え」していると言われても仕方ありません。
さて、安倍政権の「異次元の金融緩和」で円安が進み、株価が上がったと言われてい
ます。しかし一方、現実経済はどのくらい好転したのか。そして、どれだけ日本の借金が増えたのか。
まず、平成25年度当初予算で発行された国債の額は170兆5452億円で、一見
抑制的に見えます。
しかし、これに補正予算で発行された国債6兆2953億円を足すと野田政権における国債発行額を大きく上回るのです。
そんな小細工をしてまでばらまいた公共事業予算ですが、被災地でも使い切れずにあまっているのが現状。建設特需もすっかり下火となりました。
さらに日銀は、銀行などの保有している国債を大量に買い上げています(これが金融
緩和)。そのお金が市場に流れれば、たしかに実態経済は活気づき、インフレ率も高
まるでしょう。
しかし実際には、企業が設備投資などを控えていることもあり、日銀が国債を買い上げた代金は「日銀当座預金」(民間の銀行などが決済用に持っている、出し入れ自由の「普通預金」のようなもの)にたまっているだけ。
今年3月時点の日銀当座預金は58兆1289億円
5月末の数字が71兆6777億円ですから、差額は13兆1231億円。
野田政権だった昨年11月時点では39兆6612億円なので、差額は33兆2369億円
つまり、安倍政権のやったことは、運用されずただ寝かされているだけの借金を33兆2369億円も増やしたことになります。
しかも、いまの物価高は、安倍政権が狙っていたような「市場にお金があふれるこ
とで起きるインフレ」ではなく、円安による原油や原材料の高騰が原因です。
つまり、企業の設備投資は進まず、生活が苦しくなるという悪循環を引き起こしてしまったのです。
それでも株価が高いうちは、安倍さんは強気だと思います。
でも、人工的につり上げた株価はいつか暴落します。そうしたときに、「国は膨大に借金を増やし、個人も大損する」という最悪の結果が待っているのです。
私は、今年の秋が、日本の大きな転換点になるのではないか、と危惧しています。
現在の日本の長期国債残高は950兆円程度といわれていますから、この調子で借金
を重ねていけば、下手をすると今年の秋ごろに日本の借金は1000兆円を突破。
そんな借金を抱えた日本が、財政再建の明確な意思を示さず、株価維持のためにさらに無理な金融緩和を続けたらどうなるか。
おそらく、G8諸国が問題にし始め、国際的な批判が企業活動に影響を与えることになるでしょう。
そして、国債の大暴落が起きたら? 国家財政の破綻が現実のものとなる危険があるのです。
個人に目を向けても、日銀が「異次元の金融緩和」に乗り出した4月に行われた信用
取引の決済時期が10月ですから、秋に株価が暴落すれば、アベノミクスに期待して
株式投資を強めた国内投資家が、大きな打撃を被ることになります。
実は、海外の禿鷹ファンドは3月時点(株価が1万3000円くらいのとき)で、す
でに日本株で大もうけして売り逃げたという話もあります。
となると、今後株価が下落していけば、損をするのはそれ以降に参入した国内投資家ということに!? 
これまでつっこんだ膨大な税金は禿鷹ファンドに持ち逃げされるなんてことになりかねません。
そこまできたら、政府がまず手をつけるのは社会保障費の削減ではないでしょうか。
高齢者の医療費や年金が最初に狙われたら、貯金や資産などの余裕がないお年寄り
は、たいへんな負担増へ。そして、現役世代の負担増は考えるまでもありません。
安倍さんの描くビジョンは、5%の高額所得者や輸出型大企業がどんどん儲かるしく
みづくりです。その他の95%の人々や中小零細企業は置いてけぼり、とはっきり定
めているのです。
だからこそ、この参議院選挙が日本の未来を決めます。
自民党が大勝すれば、このままアベノリスクは加速され、近い将来日本は本当の危機を迎えます。
私は、原発頼みから自然エネルギーへと経済構造を大転換させ、女性の力を思い切って活かす社会へと舵を切るしかないと思っています。
そして、アジアとの関係を再構築するのです。
安倍総理が逃げたためにできなかった政策論争を、この参議院選挙を通してしっかり
行います。