つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

活動報告・国会質問・質問主意書

「安保法制特別委員会」で防衛相は立憲主義を軽視。法案の撤回を迫りました

2015.6.5

国会ブログ

6月5日、本日の「安保法制特別委員会」。
私は質疑の中で、昨日の憲法審査会で与野党の参考人から「違憲である」という指摘を受けた安保法制を撤回すべき、と迫りました。
それに対して中谷防衛大臣は「現在の憲法をいかにこの法案に適用させていけばいいのかという議論を踏まえまして閣議決定を行った」「行政府による憲法の解釈としての裁量の範囲内である」と答弁しました。
また、武力攻撃事態の切迫事態と存立危機事態における「明白な危険」について質疑したところ、中谷大臣は「両者の関係について一概にお答えすることは困難だ」と答弁。いつ武力行使をするか、について「そのときにならないとわからない」ということを認めました。

 

150605

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以下、委員会でのやりとり(抜粋)です。

辻元 私は、自衛隊も含めまして、宣誓をするときに、「日本国憲法及び法令を遵守し、」これが宣誓に入っております。そして、「事に臨んでは危険を顧みず、身をもつて責務の完遂に務め、もつて国民の負託にこたえることを誓います。」。自衛隊も、身をもって、身を賭して任務に当たるときに、「日本国憲法及び法令を遵守し、」と。ところが、この日本国憲法、そして、法令が違憲という声が、多数どころじゃないですよ、今。
今、この集団的自衛権の行使をめぐる法案審議をめぐっても、半数以上が反対と。その大きな根拠が、憲法九条違反じゃないかということが根拠になっているということを、中谷大臣は御認識されていますか。
(略)
皆が、これは頑張ってほしい、憲法にも合致しているというものであればいいが、その根幹が揺らいでいるわけですよ。

違憲かもしれない、または違憲だと断言されている、政府は合憲だと言い張っておりますけれども、そんな状況で、自衛隊員に、命をかけて戦えとか、命をかけて、我が国が攻められていなくても、他国のために戦えとか行けと言えますか。
私は、昨日の憲法審査会を受けて、三名が違憲と言われたことを受けて、本法案は一回、政府は撤回された方がいいと思いますが、いかがですか。

 

中谷大臣 政府といたしましても、さまざまな角度から御意見を頂戴し、また、現実に、安保法制懇談会という非常に著名な、見識を持った方々に参画をしていただいて御意見をいただきました。そして、その後は、やはり政府としては、国民の命とそして平和な暮らし、これを守っていくために憲法上安全保障法制はどうあるべきか、これは非常に国の安全にとって大事なことでございますので、与党でこういった観点で御議論をいただき、そして現在の憲法をいかにこの法案に適用させていけばいいのかという議論を踏まえまして閣議決定を行ったわけでございますので、多くの識者の御意見を聞きながら真剣に検討して決定をしたということでございます。

辻元 これは中谷さんの御著書です。

『右でも左でもない政治 リベラルの旗』という御著書の中で、「憲法の拡大解釈は限界に達している」という章でこうおっしゃっています。

「現在、各政党で憲法議論が行われている。憲法を改正するかどうか、改正しなくても解釈の変更を行うべきだとの議論があるが、私は、現在の憲法の解釈変更はすべきでないと考えている。解釈の変更は、もう限界に来ており、これ以上、解釈の幅を広げてしまうと、これまでの国会での議論は何だったのか、ということになり、憲法の信頼性が問われることになる。」
(略)
集団的自衛権の行使についての今お話がございましたけれども、当時は、中谷さんは、集団的自衛権の行使について、なぜ日本国憲法のもとで行使できないとお考えだったんですか。

 

中谷大臣 当時は、集団的自衛権と申しますと、他国を防衛することも含めた、いわゆる国際的な定義による集団的自衛権であったと考えていたからでございます。
しかし、この閣議決定までの議論もいたしましたけれども、昨年の閣議決定というのは、これまでの憲法九条をめぐる議論との整合性を考慮したものでございまして、行政府による憲法の解釈としての裁量の範囲内であると考えまして、私は、これをもって憲法違反にはならないという考えに至っているわけでございます。

 

辻元 こうもおっしゃっているんですね。これは二〇一三年ですから、ちょうど八月ですから、まだ二年もたっていないですね。なぜ今憲法改正が必要なのかという対談をなさっています。
ここで、「政治家として解釈のテクニックで騙したくない。」、大臣、「騙したくない。自分が閣僚として「集団的自衛権は行使できない」と言った以上は、「本当はできる」とは言えません。そこは条文を変えないと……。」こうおっしゃっているんですね。今までそう言ってきた限り、本当はできるとは言えませんとおっしゃっています。これは一年ちょっと前の話なんですね。
(略)
今までは、急迫不正の侵害ということで、日本が攻撃されたという明白なときのみであると。しかし、それがはっきりしなくなった、基準がわからないと、自民党が推薦された参考人が基準がわからぬと言っているわけですよ。どういう基準なんですか、何を目安にするんですか。もう一度答えてください。

 

中谷大臣 (略)武力攻撃事態の切迫の明白な危険と存立危機事態の明白な危険は、危険の内容や評価の視点が異なるという意味においては前提が異なるものでございまして、両者の関係について一概にお答えすることは困難だということでございます。

 

辻元  今まさしく、両者の関係について一概に答えられない、それが武力行使の基準ですか
と自民党が推薦した長谷部教授が言っておるわけですよ。
では、大臣、あなたが自衛隊を出動させるかどうかを決める役ですよ。一概に、そのときにならないとわからないということですか。

 

中谷大臣 そのとおりでございます。

 

なお、今日の委員会の模様が、今日の新聞夕刊各紙に掲載されています。

メディア掲載のコーナーにアップしましたのでご覧ください。