つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2005年10月20日 日本国憲法調査特別委員会

2005.10.20

議事録

辻元委員

その基本的なルールの一番の基本を、理解度が低い中で国会だけ盛り上がって、いや、来年手続を決めてしまうんだとかそうなってしまったら、勝手に手続決めはったんちゃうんとなって、国民投票そのものや憲法への議論に対してむしろいい影響を与えない可能性もあるという意味において、私は、急いで決める必要はないと申し上げているわけですね。というのは、前の委員会でも、かなり温度差があるということが指摘されたからなんです。

今、メディアの話が出ました。メディアについてもいろいろな委員の意見も出ていまして、吉岡参考人に、メディアの中で働いていらっしゃいまして、規制は自由であるべきであると私も思うんですね。その中で、今回の選挙なども、三時間以上テレビを見ていた人はある一定の投票行動に出たなんという調査などもあるという中で、今井さんはメディアに問題があるという指摘がありましたけれども、自由な言論活動をきちっと保障していくということはもちろんなんですけれども、今のメディアの問題点というのをどのようにお考えでしょうか。そこに対する不信感があるものだからいろいろな、まあ規制の議論が出たりとかするんですけれども、いかがでしょうか。

吉岡参考人

メディアの問題を一言で言うのは本当に難しいんですけれども、おっしゃるとおりに、とりわけ影響を与えるのはテレビです。今井参考人も御指摘のとおりですね。

テレビの番組のことについて言えば、白黒はっきりしてわかりやすく、しかし、余り長くやっているとみんなに飽きられちゃうから、なるたけ短くという番組のつくり方がますます加速していることは間違いないわけですね。それがある民意を一斉に誘導していくということも、これは当然あります。けれども、そのことについても、大分みんな視聴者は気がついてきていると私は思いますね。

例えば、数年前にサッチー騒動というのがありましたね。多分もう皆さんだれも忘れていますでしょう、委員の皆さんだって。では何のためにあんな大騒ぎをしたんだろうかと思って振り返ってみるとちょっと恥ずかしいような感じがするような騒動が、次から次へとテレビの中で繰り返されているという現実があります。

今、テレビの業界というかメディアの中で議論されているのは、メディアの公共性とは何なのかということが、これはNHKだけではなくて民放の中でも、盛んに、本当にここ一年ぐらいですけれども、公共性をめぐっての議論がされるようになりました。それが具体的にまだ、もちろんきちんとした、最初に申し上げましたけれども、視聴者と政府なり権力なりというものの間にあって、きちんと公共空間をつくるものとして、議論が行き交うようなきちんとした場としてメディアが機能しなければならないという意味で公共性が大事だということが言われるようになったんですけれども、それが反映して今どれだけの番組があるとかというところには、まだ至っていないと思います。

しかし、メディアの人たちが、この投票法案であれ、それから憲法を改正するしないの問題であれ、どれだけきちんと伝えることができるか、しかも、それは単に条文だけの問題ではなくて、その歴史的背景から国際的な広がりまで含めてどうやってきちんと伝えることができるかということは、本当に大きな、左右する問題だと思います。

皆さんのお顔を拝見しますと、テレビにたくさん出られている方もいらっしゃいますので、短くしか言えないよとか、短く七秒しか言えませんよとかいうふうにおっしゃらずに、難しいことはきちんと長く時間をとって説明するという気風をテレビの中に、皆さん御自身が当事者ですので、つくっていただければというふうに思います。

辻元委員

もう一つ吉岡参考人にお伺いしたいんですけれども、きょうのお話の中で、深い議論を当委員会でも望むという言葉があったんです。果たして私たちは深くやっているかということの自戒の念も込めてというか、この深い議論に期待すること、それを最後にお聞きしたいと思います。

保岡委員長代理

辻元清美君の時間が来ておりますので、簡単にお願いいたします。

吉岡参考人

これまで、当委員会の議事録なども私は読ませていただきました。きょうこういう形で皆さんとも今お話をしているわけですけれども、深い議論というのは、この場でもって、例えば投票の方式が一括なのか個別なのかとか、何日間置くのかとかいうやや技術的なことは大体方向性が見えてきたのかなというふうに思うんですね。

しかし、先ほど今井さんも強調されていましたけれども、国民投票の意義であるとか、つまり、有権者が本当に初めて、間接民主主義としてではなくて、直接的に自分の意思、有権者としての意思を表現できるのはこの機会なんですよというふうな意味での周知徹底ですね。つまり、国民投票という形の仕組みはどうあれ、この意義というものについては、まだこの委員会からはうまく発信されていないのではないか。むしろそういうことをしないと、ここでどれだけすばらしい法案ができたとしても、法制ができたとしても、相変わらずこの距離は広がったままだろう。それには多分、時間がかかると思います。それを周知徹底していく。あるいは、自分たちは委員会でこれだけ議論してきて、こういうことを話をしてきたんです、国民の皆さんどう思いますか、有権者の皆さんどう思いますかということをぜひ皆さんがきちんと、選挙区に戻られたりとかあるいはメディアを通じて周知徹底する努力をしていただきたいというふうに思います。

辻元委員

ありがとうございました。