つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2005年10月13日 日本国憲法調査特別委員会

2005.10.13

議事録

163-衆-日本国憲法に関する調査…-3号 平成17年10月13日

辻元委員

社民党の辻元清美です。

きょうは、お二人の参考人の方々、ありがとうございました。

まず、高見参考人にお伺いしたんですが、本年の九月十四日の大法廷判決について、これを重視しての御発言だったと思います。私もこの判決には非常に注目しておりまして、といいますのは、国民の固有の権利とは何か、民主主義の発する根本とは何かという非常に深い意味をはらんでいると思うから注目しておりました。七月十三日に、大法廷での口頭弁論に傍聴に参りました。

まず、そういうことも含めまして、この九・一四の判決と国民投票との関係について二問お伺いしたいと思うんですね。

この判決では、「国民の選挙権又はその行使を制限することは原則として許されず、国民の選挙権又はその行使を制限するためには、そのような制限をすることがやむを得ないと認められる事由がなければならないというべきである。」ということから、ずっとさまざまなことが述べられておりまして、「既に昭和五十九年の時点で、選挙の執行について責任を負う内閣がその解決が可能であることを前提に」法律案を国会に提出しております。このことにも触れられておりまして、そのことを「考慮すると、同法律案が廃案となった後、国会が、十年以上の長きにわたって在外選挙制度を何ら創設しないまま放置し、本件選挙において在外国民が投票をすることを認めなかったことについては、やむを得ない事由があったとは到底いうことができない。そうすると、本件改正前の公職選挙法が、本件選挙当時、在外国民であった上告人らの投票を全く認めていなかったことは、憲法十五条一項及び三項、四十三条一項並びに四十四条ただし書に違反するものであったというべきである。」というふうに判決には出ております。

私は、前回の当委員会の発言でこの問題を取り上げて、これこそ立法不作為に当たるのではないかという指摘をいたしました。

私は、国民投票の議論を始めていくと、国民投票のあり方を論じようとするのであれば、立法府の責務として、この違憲ということを示された状況を、この九・一四判決に出た状況を解消するということをまずすべきであるというように考えるんですが、いかがでしょうか。

〔委員長退席、保岡委員長代理着席〕

高見参考人

ちょっと質問の御趣旨がわかりにくいところがあるんですけれども、質問というか、確認してよろしいですか。

保岡委員長代理

わからなかった点を指摘していただければ、また御質問があるでしょう。

高見参考人

立法の不作為状態にあって、今違憲状態にある、そこを解消するのが先決であるということですね。

これは、こういうことですか。つまり、今回の九・一四判決の中で確認されたことは、次の国政選挙までに、もちろん比例部分は選挙できるわけですが、選挙区選挙及び小選挙区については在外国民が投票権を行使できないので、その制限を解除する措置をとらなければ、その違憲状態は解消しないということでありますので、したがって、もちろん国賠という話は別に出てまいりますけれども、国会としては当然、これは公職選挙法の附則の八項になるんでしょうか、これを削除してそういう状態をなくす、そういう立法措置をとることが求められているのは当然のことであります。

辻元委員

今なぜその質問をしたかと申しますと、先ほど参考人が、やはりこの判決というのは国民投票をどういう形でどの範囲で行うかということと関連して論じられた点が非常に重要であるというふうに考えたからなんですね。

この判決によって、例えばこの判決には、「侵害を受けた後に争うことによっては権利行使の実質を回復することができない」として、選挙権を行使することができることの確認を求める訴訟は適法であるというようなことも示されました。

これは、例えば国民投票を考えた際に、これは公職選挙法におけることが問題となっていますが、国民投票の権利ということを考えた際にも、その国民投票の権利が何らかの形で侵害される場合には、事前にそのような国民投票法の無効の確認を求める訴訟というものが許されるというように考えられるかどうかという点については、高見参考人、いかがお考えでしょうか。