つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2005年10月7日 安全保障委員会

2005.10.7

議事録

163-衆-安全保障委員会-2号 平成17年10月07日

辻元委員

社会民主党の辻元清美です。

先ほどから出ております普天間米軍基地の整理縮小に伴います日米の米軍再編の問題につきまして、防衛庁長官を中心に御質問したいと思います。

実は、私は一九九六年に当選いたしまして、九年前でした。十二月二日にSACOの合意ができた三日後に当安全保障委員会が開かれまして、私が国会議員になりました初質問が、このSACOの問題についての初質問だったんです。その後、九年間、ずっとこの問題についてはフォローし、そして先日も辺野古の現場に行ってまいりました。一体どうなっているんだろうということを自分の目で確かめたいと思い、調査にも行ってまいりました。

さて、九年たったんですけれども、やはり沖縄の県民の皆さんは、なかなか進展しないということで、非常な怒りと失望というものがあるというふうに受けとめて帰ってきております。そういう中で、この間、非常に緊張した状況が続いている中での当委員会であるというように理解しています。

さて、そこで、防衛庁長官、先日の御発言で、沖縄県民の過重な御負担を軽減するために頑張っていきたいというような趣旨の御発言をされました。この過重な負担の軽減という中身、どのように御理解されているんでしょうか。

大野国務大臣

九六年からずっと安全保障問題、いろいろ御熱心にお考えいただきまして、ありがとうございます。

今回、我々が取り組んでおりますトランスフォーメーション問題、言うまでもありません、一番は抑止力の維持、そして、それに伴って地元、特に沖縄の負担の軽減を図っていく。負担じゃなくて、やはり日米協力し合いながら日本、極東の平和と安全を維持していく、この面もある、このことをまず申し上げたいと思います。

その上で、まず、SACO合意によりますと、沖縄の負担というのは、日本全体の基地の七五%が沖縄に集中している、こういう現状はやはり打破していかなきゃいけない。仮にあのときのSACO合意を着実に達成したならば、例えば日本全国全体の基地の七〇%ぐらいになるはずでございます。まだまだSACOの延長線上で努力していかなきゃいけない問題があります。一例でいいますと、北部訓練場の早期返還の問題が大きな問題として残っているわけであります。

それから今、今回のトランスフォーメーションで、これは具体名を言うのは御勘弁いただきたいのでありますけれども、やはり基地の統合とか共同使用とか、こういう問題で考えていかなきゃいけない、こういう問題があります。したがいまして、基地を共同使用する、お互いに一緒の場所でいろいろな運用を考えていく、こういう問題から出てくる問題であります。

さらに言うなれば、騒音とか、それから危険性の問題、こういうこともあるわけでありますから、総合的に考えて、単に基地だけの問題じゃなくて、基地の面積だけの問題じゃなくて、危険性とか安全性とか自然環境の問題とか、いろいろな問題から総合的に考えていくべき問題であると考えております。

辻元委員

今、自然環境という話が出まして、辺野古に参りまして、私は、本当に美しい海で、あそこに基地をつくるというのはちょっと悲しい、人間として悲しい気分になりました。そういう中で、辺野古の縮小案ということも今出てきているという話も出ていましたので、まず辺野古の問題から検証したいと思うんです。

防衛庁長官は、こういう裁判が行われていることを、ジュゴン裁判と言われていますけれども、御存じかどうか、まず伺いたいと思います。

これは、辺野古沖に施設を建設することについて、日米の環境保護団体、日本人、そしてジュゴンも原告になって、ラムズフェルド国防長官を被告として、サンフランシスコの米連邦地裁に裁判が提訴されました。これは、ラムズフェルド長官はかなり意識されていて、僕はジュゴンに訴えられている、先日、小池環境大臣がワシントンに行かれたときにそういう発言をされたということなんです。

なぜかといいますと、これはアメリカ連邦法の歴史保護法に基づいて争われることになるんですけれども、アメリカでは、米国以外においても、米国と同様の制度で指定されたものに対して、米国政府の事業が悪影響を及ぼす場合には、担当部局は、その事業に同意するより前に悪影響を防止し、または軽減するために当該事業の影響を考慮しなければならないと定められていて、アメリカの国内であかんことは海外でもあかんやないかというような、はっきり言いましたら、そういうような法律だと私は理解しています。

この日本のジュゴン、日本のというか沖縄のジュゴンが、このアメリカで言う歴史保護法に基づくものに指定されるかどうかというところが一つの争点でした。

ラムズフェルド国防長官の方は、海上施設の建設は日本政府が行っていることである、米政府が直接関与していないということと、それから、ジュゴンがこれに当たるのかという争点を出して却下の申し立てをしたんですが、先日、三月二日にサンフランシスコの地裁は、ジュゴンは沖縄県民にとっての文化財、歴史的な重要性からこのアメリカの法律が適用されるということで、この裁判が始まりました。ラムズフェルド国防長官の却下の申し入れが拒否されたんですね、棄却されました。

これは、アメリカでもこの裁判の行方というのは非常に注目されております。この裁判そのものへの証拠開示がこれから進んでいくわけですけれども、この裁判の行方次第では非常に大きな、辺野古ライトの問題も含めてなんですけれども、影響が出ると私は思うんです。

この裁判そのものについては御存じだったでしょうか。

大野国務大臣

ジュゴン裁判というのは報道で存じておりました。その後、勉強させていただきまして、今、辻元先生がお述べになった粗筋については理解しておるつもりでございます。

辻元委員

これは、アメリカの国内でもちょっと静かに火がついていると言ったらおかしいんですけれども、弁護士やそれから環境団体が非常に注目しております。なぜかといいますと、既にアメリカの連邦最高裁の非常にこういう厳しい判決が前に出ております。

それは、国内の問題だったわけですが、一九七八年六月十五日に、アメリカの連邦最高裁の裁判において、これはテネシー川に百億円以上の経費をかけたダムをつくろうとしたんですけれども、おおむねこのダムができかけていたときに、十センチほどの小さなスネールダーターという絶滅危惧種が発見されてこの公共事業はストップしたという判決がアメリカの中で出て、これ以降、この判決は非常に重く受けとめられているわけです。こういう、連邦最高裁は、種の絶滅はどのようなコストがかかろうとも防止しなければならないというのが連邦議会の明確な意思である、絶滅危惧種は連邦政府の主要な任務よりも優先順位が高いという判決が出ております。

ジュゴンが果たしてこれに当たるかどうかというところもまた一つの裁判の争点になるかと思うんですが、水産庁の方に聞きたいんですけれども、ジュゴンは絶滅危惧種と言われるものであるかどうか、お答えいただけますでしょうか。