つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2006年3月9日 日本国憲法調査特別委員会

2006.3.9

議事録

164-衆-日本国憲法に関する調査…-3号 2006年03月09日

辻元委員

社会民主党・市民連合の辻元清美です。

まず初めに、前回、ヨーロッパの調査報告でも各党御意見がございました。その中にも随分たくさんそういう観点が出たのではないかと思われるんですが、国民投票制度、国民投票を考える際に何が大事かというところで、議会内のコンセンサスと強い民意の後押しというようなことは各党認識されて、ヨーロッパから帰ってきたのではないかと思います。きょうは、この点について保岡委員を中心にいろいろ御意見をこの際伺いたいと思います。

その中で、議会のコンセンサスということなんですけれども、国民投票制度をつくるに当たって議会内の各党の意見ということでは、社民、共産は反対しております。そういう意味では、十分全党のコンセンサスができた状況ではないということをまず申し上げたいと思います。

それからもう一つは、国民との意識の乖離ということを私は随分懸念しておりますけれども、国民の強い後押しがあるか、そして、この国民投票制度というものが憲法改正にどのような形で必要なのかということについての認識も、本委員会との間では随分温度差があるのではないかということは多々指摘してきました。

その立場に立ちまして、これは、日本国憲法改正国民投票制度及び日本国憲法に関する件ということをこの委員会で取り扱うということで、先ほど保岡委員の方から与野党の協議というお言葉をお使いになりましたけれども、まだこの案件についてどういう議論が必要かということを各党が意見表明している段階であるという認識を私は持っておりますし、社民党としては、その認識の上にここに座らせていただいておりますことをまず一言申し上げたいと思います。

その上で、国民との意識の乖離ですね、保岡委員も随分そこは懸念なさっていると思います。確かに、この委員会で議論されている方、またはその一部の方はかなり盛り上がっているんですけれども、外に出ますとなかなか盛り上がりに欠けるし、かつ、具体的な調査でも、昨年市民団体が行った調査でも、国民投票の改正の手続について、知っているという人が三四・七%、知らないという人が六五・三%、その中でも正確に答えた者は一六・三%という結果は、これは保岡委員も見ていらっしゃると思いますけれども、随分私は乖離があるという意識ですが、いかがですか。

保岡委員

憲法改正にしても、その手続を定めるところの法律にしても、国民の後押しが必要だという辻元議員の御見解は私も共有するものなんですが、ただ、憲法改正というのは、国民にとって日本の長い歴史の中で初めての経験であります。

ましてや、その手続がどのように行われるかということについて、まだ国民の中に周知徹底されていないこともあろうかと思いますが、だからこそ、憲法改正の賛否をきちっと国民が歴史的に判断していく環境条件をどう整えるかということについては、精力的に各政党が真摯な努力をすべきではないだろうか、この議会の場は、そういう公正な国会という大切な場だというふうに考えております。

辻元委員

そういう意識は共有していただいているというふうに私も受けとめました。真摯な議論が必要なので、そこの乖離については特に懸念を表明しているわけです。

そういう中で、先ほど保岡委員が、直接民主制、要するに一般的な諮問的国民投票制度について、ヨーロッパでの見聞も含めまして劇薬というお言葉を使われました。劇薬だという指摘があった。私もその発言を現場で一緒に聞いております。思ったよりもヨーロッパでは国民投票に慎重だなという印象を持って帰ってきたわけですね。

そうすると、一方で劇薬である、そして、今、初めての国民投票の経験に対してどのようにルールづくりをするかという話がありました。そうなると、非常に慎重な意見があるからこそ、日本国憲法という国の最高法規であるものに国民投票をいきなりどんとやって、それも、先ほどから十八歳という、投票権者の年齢のことも議論されておりますけれども、下げ、そしていきなり最初の国民投票が憲法であるというのは、直接民主制の危険性ということからかんがみても、私は、憂慮すべき事態が想定されることは排除できないと思うわけですね。

ですから、そういう意味では、枝野委員から、直接民主制、要するに諮問的な国民投票についての提案もありました。まず、国民投票で幾つかの政治課題について投票できる、そういうことの経験を踏み、そして投票権者についても、十八歳については、国政選挙十八歳からの参加を認めるのであれば、それを適用して何回か選挙というようなものの経験を経た上で国の最高法規についての意思を問うというような、かなり慎重なプロセスを踏まないと、先ほどおっしゃった劇薬という言葉もございますので、一番最初に憲法憲法と急ぐのは、住民投票についてある方が民主主義の誤作動という御意見を出された方もいらっしゃいますけれども、非常に大きな誤作動につながりかねないという危険性を私は感じております。

ですから、保岡委員にお伺いしたいのは、やはり一般的な国民投票や直接民主主義のあり方についてきちんと議論し、その経験も踏まえるということが私は大事だと思うが、いかがかという点が一点目。

もう一点、ちょうど今岩国では米軍基地の問題についての住民投票のキャンペーンの最中です。これは自公、公明党の立場はわかりませんが、自民党を中心に国民投票制度を推進しようという声が大きいように私はお見受けするんですが、この岩国の投票については、政府・自民党を初め、この結果を尊重する必要はないというような意見まで耳にする機会がありました。一方で住民投票についてはネガティブで、憲法については国民投票制度を早くつくろうというような姿勢には、非常に大きな矛盾を感じます。

ですから、一つ目は、いきなりの国民投票ではなく、広く一般的な国民投票制度についても一緒に考えていく、そういうお気持ちはあるのかどうか、そしてもう一点は、今の岩国の事例の矛盾に対してどのようにお考えでしょうか。二点です。保岡委員にお願いします。

保岡委員

憲法の改正の国民投票に先立って、一般的な国民投票制度の方を先行して論議したり制度化したりしていくべきじゃないかというお尋ねですけれども、私は、憲法九十六条の改正国民投票は、これは憲法のある意味で義務的な、決定的な基本的な法だと私は思うんです。ですから、これをまず整えるというのは我々国会の責任だと。先ほど船田さんも言われたように、立法がこれに対応しないことは怠慢だと言われてもやむを得ないという性質のものだと思います。

一方、一般的な国民投票というものは、これは間接民主制をとる我が国の憲法とどういうふうなものとして調和させたらいいか、そのルールはどうしたらいいかなどは、今後検討すべき重要な課題だと存じますが、それを先行させていかなければならないということにはならないと私は考えております。

また、住民投票のあり方については、この岩国の基地の住民投票がどういう形で問われているか、私は必ずしもつまびらかではないんですけれども、しかし、国の安全保障のような国策の基本にかかわることを住民投票に付すことが適当であるかどうかということなども含めて、これは、住民投票のあり方についてはこの憲法の調査会でも議論を重ねてきましたが、いまだいろいろな意見があって、我々自民党は多少慎重にこの点については対応しておりますが、今後、議論を深めて、しっかりした住民投票に対する制度の構築についての考え方をまとめていくべきだと考えております。

辻元委員

最後に一言だけ申し上げまして、終わります。

憲法はその安全保障をも含めた大きな国の最高法規であるというふうに自民党も位置づけていらっしゃると思います。ですから、今の御答弁ではそこの矛盾は解消されないと思います。

それともう一点、私たちは九月十一日に当選した議員が集まり、十月、十一月と特別国会、そして、まだ本国会も始まったばかりですので、私は、まだまだ広い観点からの議論が必要、そして、国民のコンセンサスをどのように得ていくのかという点については懸念がたくさん残っているということを申し上げて、終わります。

ありがとうございました。