つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2006年4月11日 行政改革に関する特別委員会

2006.4.11

議事録

164-衆-行政改革に関する特別委…-9号 2006年04月11日

辻元委員

社会民主党・市民連合の辻元清美です。

私は、きょうは、公益法人のあるべき姿は一体どういうことだろうということを中心に質問させていただきたいと思います。

まずは三つに分けまして、安倍官房長官には、公益社会といいますか、活力あるさまざまな社会活動が行われる社会というのはどういうことだろうという総論で、そして中馬大臣には、今回の法案の中身について確認させていただき、そして谷垣財務大臣には、税制も非常に大事ですので、特に、谷垣大臣はきずなということを言っていらっしゃいますので、このきずな実現のためにも非常に大事な議論ではないかと思いますので、分けて質問をさせていただきたいと思います。

私自身も、二十代からいろいろな国際交流のNPOの活動などをしてきました。その経験からも、いわゆるNPO法を議員立法でつくる折も、その立法者の一人として、民法三十四条とNPO法との関係など、さまざまなことを考え悩んでまいりました。

その中で痛感したのは、日本では、公益と国益の概念の違いとか、それから公益と非営利、これは本委員会でも大分民主党の市村議員が議論したようですけれども、この概念をどう切り分けるか、そこのところが十分議論されないまま制度設計されてきたので、自発的な社会活動が育ちにくかったのではないかというようなことをNPOの立法過程でも痛感いたしました。

まず、公益と国益というところから入りたいんですが、安倍官房長官にお伺いしたいんですけれども、公益と国益の違いをどのようにお考えでしょうか。

安倍国務大臣

公益と国益の違いということでありますが、国益は公益の中に含まれることもございますし、公益というのは、一般に、国家であったり、あるいは社会であったり、不特定多数の利益というふうに我々は考えているわけでありますが、もちろん国家の利益イコール公益ではないということではないか、こう思っております。

辻元委員

国家の利益イコール公益ではないという御発言だったんですけれども、先日、ドイツの市民社会団体の役割についてという研究者たちとの国際シンポジウムがありまして、私も参加してきたんです。そこで、こういう切り分けがありました。

いわゆる日本で言う社団や財団、それからNPOなど、広い意味で、私は社会活動とあえて申し上げれば、四つのタイプがある。政府がまだ認識していない問題などを先駆けて提起し行動し、政府を刺激するという先駆けタイプというタイプ。それから、次は補完者として、次はパイプ役として、次は対抗者として。二点目の補完者というのは、補助金などで政府の補完的な問題に取り組む。

例えば先駆けというのは、この国会でもドメスティック・バイオレンスに関する法律などもつくりましたが、あれは、最初はなかなか理解されなかったことが、国際的な女性団体などを中心に社会活動が広がって、各国が法律をつくっていった先駆けだったと思います。

それで、補完的な問題、二つ目。これは、介護とかそれから町づくりとか、いろいろな場面で行政などとも協力してやっている。

そして三番目が、外交や利害衝突の解決のために政府がやりにくいことをパイプ役として行う。これは、北欧などで、例えば紛争の予防や解決に、いきなり政府が乗り出していくとうまくいかないところを、さまざまな社会活動の団体が先に入っていって、人道支援とか学術団体とか、それぞれの対立する派と協力関係や信頼関係を結んだ上で紛争の仲介役として活躍していくとか、そういうような活動も今広がっております。

そして最後に、政府の批判者として問題を提起し行動する。例えば、今まで公害の問題とか労働者の人権、あるときは激しくぶつかり合ったりしながらも、しかし、最終的には環境政策が充実していく、または労働者の人権が充実されていくことで高度経済成長も担っていったように私は思います。

そのように、それぞれの分類があると思うんです。

それで、日本の風潮を見て思うんですけれども、この委員会でも、NGO参加拒否問題があったかなかったかという、数年前には随分大きな議論もありましたが、どうも、お上に盾突くとか、それから政府の方針と反している場合は反政府というレッテルを張ってしまうというような風潮が今まであったのではないか。特に、これから、私たち政治の場でそういうような風潮があると、自由濶達な社会活動は広がっていかないと私は思うんですけれども、そういう、レッテルを張ったり、政府の意見と合わない批判者であるということも非常に大事な公益活動の中に入ると私は思いますが、安倍官房長官、いかがでしょうか。

安倍国務大臣

私が先ほど申し上げました国家というのは、いわゆる政府とイコールではないという意味の国家であって、例えば、国民、地域、社会、総体としての国家という意味でも申し上げたわけでありますが、今回の改革におきましても、いわゆる官という意味において、官がすべて公益を担っていく、官こそ公益を担っていくということにおいて、許可についても官が全部見て許可をしている、この公益法人を。その考え方を根本的に変えていこうというのが今度の改正であるわけであります。

基本的には、今委員がおっしゃったように、予防外交においても、例えば、かつてイラクのクルド地区においても、政府として支援できない段階においてNGOの方々が支援をしていた、それが結果として、現在のクルド地域の人たち、あるいは今度大統領になった方との関係においても、これは大きな財産であったということも事実でありますから、そういう意味においては、大体辻元委員のおっしゃったとおりではないだろうか、こう思っております。

辻元委員

今回の改革の中に、それぞれ所管の省庁の恣意的な判断、社団や財団、そこが入らないようにするというのは一つの大きなポイントだったと思います。それは、先ほど申し上げましたお上意識といいますか、政府に反するような団体なのに補助金をつけるのはおかしいとか、それから公益法人にするのはおかしいという風潮がやはりあったから、それを改めていこうということだと思うんですね。

ただ、最近の風潮を見ていますと、先ほどのNGO参加拒否問題なんということで、あった、ないというので、この国会でもさまざまな議論があったり、例えば男女共同参画で、ジェンダーという言葉などをめぐっても、いろいろな議論が飛び交っている中で、一部の行政が、その中の関連する言葉を使いかねない講師の人を呼ぶのを行政がやめるようにというように持っていったととられかねないような現象が起こったりしているんですよ。

ですから、むしろ、自由濶達にというよりも、何か一つの基準を決めて一部に従わせようというような動きが、この法案の趣旨とは反して、風潮が広がっているんじゃないかという懸念を私は持っているんですが、安倍官房長官、いかがですか。