つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2006年11月9日 日本国憲法調査特別委員会

2006.11.9

議事録

枝野議員

まず、そもそも現行の提案している法案でも、ここにある解説という言葉の意味は、御指摘のあった新旧対照表のような話とか、それから現行憲法の参照条文、つまり、変える部分ではないけれどもつながっている、関係している部分をちゃんと示して説明する。それから、国会で発議のプロセスはあるわけですから、何月何日に衆議院でどうこうされて何月何日に議決されてなんという客観的な日誌みたいな話。イメージとしては、我々が法案審議する場合のいわゆる白表紙、参照条文とか新旧対照表とか載っているああいうのがありますね、あれのイメージであります。

が、もしそういうふうに読み取られない、誤解があるんだとすれば、特に解説という言葉が何か価値判断の入るような話に受け取られるというふうな心配がこの間の小委員会でもありましたので、今法制局とも御相談をしながら、この解説という言葉を変えて、むしろ具体的に新旧対照表とか参照条文とかという書き方がいいのかどうか、これはちょっとテクニカルに法制局と相談しなきゃいけませんが、より紛れのない形に変える準備を進めておりまして、そういう意味です。

つまり、あくまでも、パンフレットについていえば賛成枠、反対枠それぞれフィフティー・フィフティーで与えられる枠、これはそれぞれの賛成派、反対派が勝手につくって勝手に出せばいいんです。そこには手を入れない。それ以外の部分ということについては、もともと賛成派、反対派どちらもこれはお互い間違いないですねということで、意見が分かれるということにならない中身しかそこには載せない。そこに裁量の余地は入らない中身にするということを想定しておりますので、そういうことが間違いなく読めるような条文に、必要があれば変えるつもりでいます。

説明会についても同じ発想であります。説明会についても賛成派、反対派が同じ時間を与えられて、それぞれ、我々はこういう理由で賛成である、我々はこういう理由で反対であるということを言う。その前段階として、まさに今のパンフレットの中立部分のところを朗読するようなイメージでやります。問題は、今回、特に小委員会の議論以来、いつどこでやるのかということ。これは確かに裁量の余地がある話でありますので、ここは確かに難しい。御指摘のところは考えなきゃいけないとは思います。

説明会をやらないという選択肢もあるのかなと。つまり、そこのところは賛成派、反対派がそれぞれキャンペーンを張るでしょうから、そうした集会で行われるんでしょうから、いつどこでやるのかということについて裁量の余地がどうしても働かざるを得ないのならば、そこを中立公正に、賛成派も反対派も、では何月何日にここでやる、何時からやる、何時間やるなんということについて、お互いが公正だなんということを納得できるやり方が果たしてできるのかと言われるとなかなか難しいので、これは全く私見で、党内的にも全くだれとも相談していないんですが、もしかすると説明会はやらない方がいいのかなということを含めて検討をしたいと思います。

それから、期間についてでありますが、私は、最短の六十日というのはこれでいいんだと思います。

つまり、みんな憲法改正というと大がかりないろいろなことを考えていますが、いつも申し上げていますが、私は、現行の憲法の条文を読む限りは、裁判官の給料を普通の公務員と同じように社会の給与水準が下がったから減額するという、この間裁判官給与法の改正をやりましたが、あれはやはり現行憲法では憲法違反だろうと思います。裁判官の給与は下げてはいけないと書いてあるところは、あのときに法制局が解釈として言った言葉をちゃんと書くべきであると思うし、私は、現行憲法では私学助成金は違憲だ、これは私は大学の憲法ゼミのゼミ論なので違憲だと信じておりますが、違憲でないという人たちがたくさんいて意見は分かれるので、私はそこは合憲にしか読めないように変えるのには反対するつもりですが、私学助成金は合憲だと思うんだったら、ここのところの条文は変えた方がいいと思います。

こういうかなり技術的な話も十分あり得るわけで、こうしたときに三カ月も四カ月も周知期間が要るとかという話になれば、それはちょっと違うだろうと思いますので、そうした場合には六十日あれば十分ではないか。

私はそれは革命だと思いますが、全面書きかえという革命を現行憲法の改正手続を便宜上使って行うというようなことがもしなされる場合にも、この手続法が便宜上使われるわけですから、そうした場合に果たして百八十日でいいのかということについては、私は、全面書きかえは革命ですから、民主党は革命政党ではないので革命をするつもりはない、つまり全面書きかえをするつもりはないので想定しておりませんが、もしもそういうことを意図する人たちがいるのであれば、まさに革命手続を百八十日ぐらいでいいのかなという疑問は若干あるので、どうしても全面書きかえ、革命をしようという政党があるのであればもうちょっと長くてもいいのかな、こんな感じであります。

以上です。

保岡議員

では、枝野筆頭の今の御説明を受けて与党の方からお話ししますと、忘れないうちに、説明会の問題ですが、これはパンフレットの反対意見、賛成意見を読むイメージだと言われたことは、私は同じような感じで、そういうものではないかと受けとめております。説明会はやらない方がいいんじゃないかという選択肢もあるようなお話でしたが、私は、できるだけ説明会もきちっとして、発議の内容そのものをまず正確に議論の対象として示す機会はできるだけ確保した方がいいと思います。

また、解説ですね、憲法改正案に対する要旨、解説。要旨は、非常に重要なことを簡潔にまとめて、整理して示すという趣旨だと思うんですね。これは必要ですけれども、私は、改正案、条文そのものよりは短くなる、簡潔なものだというイメージです。そうだとすれば、発議の内容を正確に材料として国民に示すためには、やはり解説的な、解説というのは「よくわかるように物事を分析して説明する」というふうに広辞苑に出ていますけれども、そういう趣旨の努力は国会の責任において私はやるべきであって、それはちょっと枝野筆頭と認識が違います。

違いますけれども、しかし、枝野筆頭が言われているように、またいろいろ御指摘を踏まえての御意見ですから、要するに公正中立、客観的な取り扱いをどうやるかという工夫の問題ですから、制度としてもう少しその点が担保できる表現がないかということについては、十二分に検討することは我々も受け入れて努力をしたいと思います。

辻元委員

今の御答弁を聞いておりまして、両案の共通部分にも両提出者による認識の違いが多々あるのではないかということの認識を深めましたので、引き続き慎重な御議論をお願いしたいと思います。

終わります。