つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2006年12月14日 日本国憲法調査特別委員会

2006.12.14

議事録

165-衆-日本国憲法に関する調査…-9号 平成18年12月14日

辻元委員

社民党の辻元清美です。

十二月十二日の小委員会の報告及び補足的発言をいたします。

まず、報道や広告の規制については、報道の自由という観点から望ましくない、報道機関の自主的な判断に任せるべきという基本的な立場は参考人の方々に共通していたと思います。しかし同時に、意見広告を全くの無制限にすることで国民投票の公平さを損なう事態もあり得るという、これも共通の懸念として参考人の方々から提起がありました。

石村参考人は、一律で厳格な放送の規制は好ましくないが、資金量によって放送される賛否の量が著しく偏るようなことがあればこれはさらに好ましくないと述べられ、吉岡参考人からは、放送媒体であれば賛否両方が同時間、新聞であれば同じ回数、字数にする工夫が必要という意見が出されました。近藤参考人からは、自主的に出す有料広告については、広告を受ける側だけではなく、政党を含めた広告を出す側も総量規制などの自主的ルールをつくるべきという提案があり、これは新しい提案であるということで検討の余地があると思います。

また、テレビCMにおいては、制作段階から資金量の多寡が影響してくる点を私の方からも改めて指摘をいたしました。

テレビCMの規制については、以前、民放連の方々が小委員会で、CMの内容によって意見の強弱などを生じた場合、放送法の規定にもある政治的公平の観点からどう考えるべきか、憲法改正案の賛否を視聴者にストレートに問うようなCMが日本の放送媒体になじむのかなど根本的に難しい問題があるという指摘がされたことを私の方から改めて紹介し、現実に民放連としても政党を除いてはなかなか今までも政治にかかわる意見広告がなかったという現状、今後どのように取り組まれるのか非常に難しい問題をはらんでいるという問題提起を改めていたしました。

政党の無料放送枠の是非について、吉岡参考人は、資金力のある者のみがテレビなど影響力が大きい媒体を利用できるのは不公平という立場から、政党以外の市民や団体なども無料でテレビなどを使える工夫や、賛成意見も反対意見も同じ時間が使えるような工夫を凝らされるべき、そして、憲法改正の主体である国民の中においてこそ自由闊達な議論がなされるべきということを軽視しているのではないかという懸念も示されました。

無料広告の割り当ての基準については、近藤参考人が述べられた、国会はあくまでも憲法改正を発議するまでで、発議後は主権者である国民が判断をすることであるという認識がまず議論の基礎になるべきだと私も考えます。

また、石村参考人の、賛否の量がなるべく平等に、放送事業者が基準の一つとしている公平公正が望ましいという意見、これは、放送事業者が基準としている公平公正を意見広告にも厳格に適用すべきだという意見としてお聞きをいたしました。

近藤参考人は、公平性の見地から賛否平等になるように割り当てるべきと述べられ、政党間平等はそのときの政治状況に左右されるため法律の条文としては不適当ではないかと述べられました。

また、議席数案分という考え方の中に民意が既にあらわれているのではないかという意見に対し、近藤参考人は、憲法改正の国民投票は、有権者が人柄などの総合判断で候補者を選ぶという選挙とは違う、将来の国のあり方について国民に問いかけるものという反論をされました。

公報物の内容についても、石村参考人からは、当然賛否の分量は均等、我々報道機関が求められていることとかなり似ている面もあるという意見も述べられ、吉岡参考人は、無料広告の時間や回数などが議員数を踏まえて定められているのは、国会における多数意見、少数意見がそのまま反映されることになり反対という意見が出されました。

広報協議会については、検討の余地が多くあるという意見が大勢でした。

構成については、賛成と反対の意見が平等に割り当てられるように委員を選任すべきと述べられた近藤参考人が根拠とした、憲法改正の賛否を判断するのはあくまでも国民という視点は、基本として何回も肝に銘じられなければならない点だと私も感じました。近藤参考人は、第三者機関として国会の外に置いた方がいいという考え方もさらに示されました。

組織については、上村参考人が、国会内部のみで議論すべきことではなく、外部の意見を広く受け入れる組織なり機会を設ける配慮は必要と、これも提起を受けました。

石村参考人は、広報協議会での決定が出席者の三分の二になっていることから、国会議員だけで構成されると当然憲法改正に賛成の意見が多くなると、公正さを欠くことへの懸念を示されました。

参考人の方々からは、外部の有識者などから成る専門部会の設置や外部委員を入れるという提案が多く出されました。これは、広報協議会の役割やあり方について、両案から想起される姿と国民がイメージするものとの間に大きな開きがあるのではないかと、私はこの御意見などを拝聴しながら強く思いました。

石村参考人は、広報協議会の役割が単に賛否両方の公平性を担保するものならば第三者機関にすればいいと述べられ、国民にいかに活発に改正論議の賛否を問うかを基本に、どうやったらそれが周知徹底でき、活発な議論ができるのかという点を議論の中心に置くべきとの問題提起がありました。

菅沼参考人は、数の優位をそのまま持ち込むのではなく、それぞれの問題点を洗い出して国民に考えてもらうための材料をどうつくるかが主要な役割であり、委員構成はまだまだ議論が必要という御指摘でした。

さらに、国民投票運動の規制についても御意見をいただきました。

吉岡参考人からは、憲法改正手続においては公職選挙法の手法による規制がなされるべきではなく、いかに主権者である国民が萎縮することなく自由に意見表明ができるか、憲法改正の最終決定者である国民がいかに自由闊達な議論ができるかが特に重要であるという基本の指摘をいただき、公務員、教育者の地位利用による国民投票運動の禁止については、「地位を利用して」という概念が極めてあいまいなため、公務員や教育者が憲法改正についての意見表明や活動をすることはすべて地位利用に該当するという運用、解釈がなされるおそれがあり、教育者などの意見表明や活動を萎縮させる現実的危険性があるという指摘を受けました。

さらに、吉岡参考人は、公務員がその地位を利用して賛否いずれかの投票を強制した場合は職権濫用罪その他既存の法規制にも抵触すると述べ、憲法改正手続に規定を置く必要はないと指摘を受けました。

教育者についても、学校において憲法改正についての議論がタブー視される、そして、本来これからの社会を担っていくべき学生たちこそ議論してほしい憲法問題が学校では議論されないという現象すら生じかねないと大きな懸念が示されました。

両案提出者からは、これに対していろいろな理解を示す答弁がありましたけれども、まだまだこの点についてはいろいろなケースを想定して議論が深められるべきだと思います。

また、組織的多数人買収・利害誘導罪の創設について、吉岡参考人は、そもそも憲法改正国民投票に関して買収や利害誘導などがなされ得るのか、また罰則で禁止することは投票についての自由な活動を阻害しないのかなど、罰則規定を設けること自体に疑問が呈されました。

最後に、憲法審査会についての参考人の意見も紹介します。

吉岡参考人は、国民の間の関心はまだまだと思うので、憲法調査会を直ちに提出権がある審査会に改めるのはいかがなものかと疑問が呈されました。また、菅沼参考人は、本当の意味での広範かつ総合的な調査を行う必要があったのではないかと述べられ、議案提出権を持たないという前提でつくっている調査会を審査会にという連続性があるような立法はいかがなものかと疑問が出されました。

この日のお話を聞きながら、テレビCMの広報のあり方についてはまだまだ議論しなければならないと深く感じました。また、発議後は中立にあらゆる面で取り扱ってほしいという国民から見た視点と、そして、国会からどのように広報協議会などのあり方をつくるかという点については、まだまだ視点の違いによる溝があるなというふうに強く感じました。

こうした専門家の疑問に対して十分まだ答えられていないなという率直な感想があり、まだまだ議論を深めていくべき論点をたくさん出していただいたので、これから本委員会で議論していきたいと思います。

以上です。