つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2007年3月29日 日本国憲法調査特別委員会

2007.3.29

議事録

166-衆-日本国憲法に関する調査…-4号 平成19年03月29日

辻元委員

社民党の辻元清美です。

この間、公聴会があった話は先ほどから出ておりますけれども、きのうの地方公聴会、新潟と大阪に私も参りました。本当に憲法問題、要するに憲法とは何かということも含めまして、しっかり、どっしりとして考え、そして論じられる方が各地にいらっしゃるということを痛感して帰ってまいりました。

特に、憲法そのものとは一体何なのかと。全員がおっしゃったのは、権力を縛るものであるという土台の部分でしっかり共通認識を持っていないとその後の議論が進まないというように、この公聴会でも認識をいたしました。

さて、そこでお伺いしたいんですが、きのうも公聴会に船田提出者も一緒に行っていらっしゃいましたけれども、先ほどからの議論の中で、船田提出者の御意見を伺いたいなと思います。

どこへ行っても、やはり公述人から安倍総理の発言のことが出ました。特に、ことしの初めに総理が、自分の内閣の間に改憲を目指すとか、今国会で国民投票法案の成立を期すという、かなり強いトーンの発言をされたわけですね。その後、ちょっとまずいかなということで期待するとかに変えていらっしゃるようなんですけれども、年の初めの会見などでかなり強いトーンでおっしゃったわけで、この発言は消えないと思います。

船田提出者にお伺いしたいんですけれども、私はやはり、これは何人かの公述人の方も指摘されたように立法府への介入じゃないかというように思います。ですから、この法案に賛成、反対を問わず、護憲の立場、改憲の立場を問わず、国会でやっていることに口出しするなというのが本委員会の立場ではないかと思うんですが、船田提出者はいかがでしょうか。

船田委員

御指名いただきまして、ありがとうございます。

先ほど葉梨提出者からも話をいただきましたけれども、私も同じ考えであります。やはり、安倍総理の御発言というのは、安倍総理の政治家としての見識を述べられたというふうに思っております。もちろん、そのことが国会に影響ないということは、それはないと思いますけれども、しかし、私どもはそういうスタンスでこの国民投票法案の議論をしているとは全く思っておりません。

これまで本当に、五年以上にわたりまして相当、憲法調査会のときから議論をし、そして、調査会の結論におきましても、憲法改正の法手続を整えるということについては多数の意見を占めた、こういう一昨年の報告もしたことであります。そういうことにのっとってこの特別委員会ができ、そして昨年、法案をそれぞれ提出して、真摯に今日まで議論してきております。

そのことに対して、それを急げとかおくらせろとかそういう議論は、もちろんいろいろなところではありますけれども、私たちはそれにこだわらずに、やはりよりよい制度の確立を目指して今日までやっているということでありますので、私は、そういう観点で、安倍総理が御発言になったとしても、我々はそれに動かされないで今日まで議論していることは申し上げたい、これからもそうだというふうにお誓い申し上げたいと思います。

それから、安倍総理が御発言されたからといっても、あるいは憲法の改正をするというためといっても、実は、公正なルールをつくることによって、憲法改正、どういう点をどう改正するか、あるいは改正しないかということについて、国民の皆さんが主権者として判断をする、その大事な道具をつくるわけであります。

ですから、国民の皆さんが、これはだめだ、この改正はだめだとすれば、それは反対をすればいいわけであります。これはいいなと思えば、それは賛成票を投じればよい。すべては国民の皆さんにゆだねられる、そういう投票の結果になる、こう思っておりますので、憲法を改正するために、あるいは我々自民党の憲法改正草案を実現させるためにこれをやっているということでは決してない。

三分の二という条項もあります。発議要件として三分の二がございますから、少なくとも現時点においては、自民党だけが原案をつくり、そしてそれを通すということには決してならない、そういう前提で私どもは議論をしております。

以上です。

辻元委員

今の御発言の中に、急げとかおくらせろという、今のところはそういう声がありますがと御発言されたんですが、どこからあるんですか。

船田委員

それはさまざまな議論でございますし、公聴会、中央公聴会でも地方公聴会でも、急ぐべきである、急ぐべきではない、両方の議論があるというふうに思っております。

辻元委員

きのうの地方公聴会でこういう発言がありました。立法過程は政治そのものであると。それから、特に、憲法を扱う懸案、今回の法案は特に慎重であらねばならぬという趣旨の御発言がたくさんあったと思うんですね。

私はかばうことはないと思いますよ、船田さん。本音で答弁された方がいいと思うんです。そうじゃないと、国会って一体何なんだということになりますよ。だって、一般の方々も、公述人、専門家の方もそうですけれども、いろいろなところで、安倍総理が介入しているじゃないかと、ちまたでも言われているわけですね。

ですから、私は、提出者として堂々と、これは国会の議員立法なんだから総理大臣が一々口出ししてくるのはおかしいとおっしゃったらどうですか。それの方が重みがあります。