石破国務大臣
ですから、それは、反省点はたくさんありますが、海上保安庁の方、別に海上保安庁を悪者にするつもりも何にもないんですよ、みんな海保のせいだなんといって、一生懸命捜査をしている海上保安庁に責任を押しつけるようなつもりも全くないのですが、我々として、本当に、ここまで言えます、やはり、これを言っちゃいけませんというのがあるわけです。
私たちにはうかがい知れない捜査のこれはポイントだとか、ここは言ってもいいものだとか、それは海保で調整が済んだか、まだかということも、私は、確認ができた後もずっと言っているわけですね。それがなければ、私たちは言えません。
何度も同じことを言いますが、これを知っているから、確認したから、捜査にどんなに影響を与えようと私しゃべりますということであれば、それはある意味、防衛省はどんどん情報を開示しているといって褒めてもらえるかもしれない。だけれども、海保がそういうことについては言わないでねと言われているときに、言われちゃいけないと言っていることもどんどん出しますということは、私はやるべき態度じゃないと思っているのですよ。
辻元委員
ではもう一点、今先ほどから海保の話がよく出てきまして、海保との調整というのも私たちはわかると言っているんですよ、捜査中ですし、裁判になるかもしれないし。これはもう前回から言っているわけです。それにしても、防衛省の情報の出し方がおかしいんじゃないかというのを、今この経過を例に挙げながら言っているわけですね。
では、もう一問伺いましょう。これは、海保は関係ありませんよ。
大臣が、五時に自民党の部会で、二分前じゃなくて、最初の確認は十二分前だったと訂正されましたね。さっき驚きました。私は、さっきの他の委員の質問で、そのときに、防衛省が記者会見をしていた、報道官はそのことを知らなかったと大臣おっしゃいましたね。防衛省というのはそんな組織なんですか。おかしいと思いませんか。
報道官が正式なブリーフをするわけでしょう。大臣が自民党の部会で、いや、二分じゃなくて十二分前だったと言って重大な変更、それも問題だと思うということは指摘しましたよ、自民党の部会で言うのは。ところが、報道官はそれを知らされていなかった。どんな連携体制になっているんですか。
石破国務大臣
私が、もしそのときに五時から報道官の会見ですということを知っていれば、これはちゃんと報道官は知っているよねということを言っています。責任転嫁をするつもりもありませんが、私、知りませんでした。そういう指示を出しませんでした。知らなかったことも、指示を出さなかったことも、それは私の責任で、報道官の責任ではありません。
辻元委員
そうすると、大臣にも情報を上げ、報道官にもしっかりブリーフィングの前に情報を上げるじゃないですか。その責任者はだれなんですか、防衛省内の。
石破国務大臣
そこは極めて本当は難しいんだと思っていまして、このことの防衛省の全体の責任者というのはいないんです。いないんですと言うと何事だと思われるかもしれません。責任者は最終的に私しかいないんです。つまり、報道が、ちょっと言い方を気をつけなければいけませんが、内局広報、海幕広報というのとありまして、それぞれ、海上幕僚長が責任者であり官房長が責任者でありということになっているわけです。
それぞれがばらばらと記者会見をするときに、本当は情報の共有とか認識の統一とかやらなきゃいかぬのですが、そこがばらばらと行われて本当にいいのかという問題意識があります。ですから、責任者がいないというのは言い過ぎです。それぞれに責任者がおるというふうに言った方がよろしいかと思います。
辻元委員
幕僚とか内局とか、ばらばらだという話をされました。
それで国を守れるんですか。危機のときに、この情報一つも、報道官の言うことが違う、大臣の言うことが違う。そして、二分、十二分、夜のブリーフィングで大臣、知っていたけれども言わないのはこういう理由でと多々おっしゃいましたけれども、今大臣がおっしゃった答弁というのは、防衛省というのは、国を守るとか大きなことをずっと言っているけれども、実際は全く機能しないということを大臣がおっしゃったに等しいと思いませんか。今の情報のあり方、こんなこと一つでもそうですよ、どうですか。