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2008年4月25日 安全保障委員会

2008.4.25

議事録

169-衆-安全保障委員会-6号 平成20年04月25日

辻元委員

社民党の辻元清美です。

私は、自衛隊のイラク派遣差しとめ訴訟判決について質問をしたいと思います。

四月十七日、名古屋高等裁判所民事第三部、青山邦夫裁判長、坪井宣幸裁判官、上杉英司裁判官は、自衛隊のイラク派遣差しとめ等を求めた事件の判決において、航空自衛隊がイラクで現在行っている米兵等の輸送活動は、他国の武力行使と一体化したものであり、イラク特措法二条二項、同三項かつ憲法九条一項に違反するとの判断を下しました。また、それに加えて、判決では、平和的生存権は、すべての基本的人権の基礎にあってその享有を可能ならしめる基底的権利であるとして、単に憲法の基本的精神や理念を表明したにとどまるものではないとし、平和的生存権の具体的権利性を正面から認めたと私は考えております。大臣は、私がこの判断を評価しているということは御理解いただいていると思います。

大臣、先ほどから、裁判所の傍論だとこれを切り捨てるのはやめた方がいいと思います、日本の防衛大臣として。

なぜかと申しますと、イラクに派遣する自衛隊、陸上、航空をめぐりまして、この国会の中でも賛否両論、議論がありました。国民の中にも賛否両論、議論がありました。派遣のときは反対の方が多かったこと、御承知のとおりです。その理由は、まさしく今回裁判所が判決の中で書き込んだこの論理とほぼ一致した理由で、イラクに自衛隊を派遣するのはおかしいじゃないかと、国会の中でも議論が二分されたわけです。

ですから、これは単なる裁判所が傍論として書いたにすぎないじゃなくて、私は、この国会の中の議員諸氏、そして国民の声、半分はこの声があるというように御理解されて、謙虚に受けとめられるべきだと思います。立場が違いますので、では今すぐこれは認めてと、それはおっしゃらないということはよくわかっているわけです。しかし、これは防衛大臣として謙虚に受けとめるべきだと思うんです。

私が申し上げたいのは、日本の防衛大臣として、大臣、過去に日本は失敗していますね。私は、戦後の防衛をつかさどる方としては謙虚な姿勢が必要だと思います。そのときには、間違ったら間違ったと認める、間違ったときは引き返すという、これができなかったから、戦前は大きな間違いをして多数の犠牲者を出したんじゃないですか。

ですから、傍論だと切り捨てるのではなくて、やはり国民の中には同じような声があるということを謙虚に認められて、そして、今後防衛の最高責任者として仕事をしていきたいというような姿勢を示していただきたいと私は思いますが、いかがですか。

〔北村(誠)委員長代理退席、委員長着席〕

石破国務大臣

私は、切り捨てるというようなつもりはありません。無視をするというつもりも全くありません。

私自身は、この判決文というものを何度も何度も読み返してみました。ある意味、イラク特措法をつくりますときも、私は、詭弁とかいろいろな御批判をいただきながらも、なぜイラクに特措法が、またイラクにおける活動が憲法九条第一項に反しないかということを御説明してまいりました。今もその立場に変わりはございません。

したがいまして、この判決、ある意味、私に対して向けられたものであるという認識も私は個人としては持っておるところでございます。したがいまして、私は、何度も読み返してみて、自分の議論が間違っていないかということは常に常に考えながら今日まで来たつもりでございます。

したがって、謙虚にこれを受けとめるということは、それはあらねばならないことだと思います。しかしながら、この立場に私は全くくみするものではございませんし、この論理には賛同いたしかねるということは申し上げておきます。

辻元委員

三権分立の意味というのは多々あると思いますけれども、お互いの権力の濫用を牽制し合うという意味があると思います。

ですから、先ほどから他の委員の方から、繰り返し繰り返しなぜこのような議論が起こるのかわからないと、午前中御発言もありました。なぜ繰り返し起こるかといえば、日本は立憲主義に基づいた法治国家だからですよ。そうじゃないですか。ですから、私は、これは健全なあるべき姿だと思いますよ。いかがですか。

石破国務大臣

そういう評価は可能だと思います。私は、これを不健全などと思っているわけではありません。ただ、委員と私は立場は違いますが、どうすれば戦争が起こらないかということについて委員が真摯に考えておられることは、私はよく承知をいたしております。

私は、戦前の失敗の一つの理由は、やはりきちんとした言論が行われなかったということが大きな理由だと思っております。そして、三権分立の仕組みの中に、あるいは報道の自由、言論の自由の中にあって、いろいろな議論が闘わされる、何を言ってもそれは自由である、それが戦前の失敗を繰り返さない大きなシステムとしての機能を果たすものではないかと私は思っております。そして、為政者が常に謙虚であらねばならない、批判に対して、それを等閑視するようなことがあってはならないということは、そのとおりだと思います。

辻元委員

先ほど私、大臣の本音がちらっと出たように思いました。他の委員への答弁なんですね。この判決が特措法の期限が来たときに影響なしとは言えないんだよなという、ちょっと懸念を示したような口調でおっしゃられました。どのような影響がありますか。