つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2008年4月25日 安全保障委員会

2008.4.25

議事録

奥田政府参考人

お答えします。

マハディ軍に限らず、イラクにおける武装勢力の規模について確定的な数字をお答えすることは困難ではありますけれども、あえて申し上げれば、マハディ軍につきましては、二〇〇六年の十二月にアメリカのイラク・スタディー・グループの報告というのが出まして、そこを見ますと、マハディ軍は六万人に上る可能性がある、このように書かれております。

辻元委員

マハディ軍は六万人、シーア派なんですよ。これは、イランの影響を強く受けていると言われています。大臣、あそこにイランと国境線がありますけれども、シーア派はシーア派なんですよ、考え方は。そうなんだよなと今おっしゃいましたけれども。そこに国境線を植民地時代とか引いたわけですよ。ですから、行ったらわかりますよ、パキスタンとアフガニスタンも、同じなんですよ。国境地帯に住んで、そちらの価値観の方が強いわけです。政治的意思も非常に影響を受けているわけです。

さて、六万人のマハディ軍、これが果たして、先ほど大臣は、私、不見識だと思いましたよ。やくざの抗争とか連続爆破事件を例に出されたでしょう。もしも防衛大臣として、それと今イラクで起こっていることを引き合いに出すことが正当だと思われるんだったら、今すぐ自衛隊を撤収してください。不見識ですよ。

六万人の実力組織というと、どこの国があるか。兵員の数だけでいえば、カナダが五・二万人です。オーストラリアが五・三万人なんですよ。わかりますか。これでも国に準ずる組織でないとお考えですか。考えるならば、その根拠をお示しください。

石破国務大臣

それが不見識とおしかりをいただけば、それはよく反省をしなければいけませんが、私は、危険であるということと戦闘行為が行われているということは違いますよということを申し上げておるわけでございます。

また、そこの答弁で申し上げましたが、六万とか三万とか二万とか申しますが、例えば、人口が二万人しかいないちっちゃな国があって、そこにおいてそれは国なのかといえば、それは国でしょう。そこにおいて本当にちっちゃな船が何隻しかなくて戦車が何両しかなくても、それは国際紛争の主体たり得るということだと私は思っております。

ですから、その数とか実力の多寡において国に準ずるか否かという判断は、私はそれは基準たり得ない。結果としてそうなることはありますが、そのことをもってして国に準ずるという評価をすることはできないと私は思っています。

辻元委員

今私が申し上げたのは、秋山内閣法制局長官のこの御答弁に沿って申し上げているわけです。当事者たり得る実力を有する相応の組織や軍事力を有する組織体だということで、まず数を申し上げました。それだけじゃないとおっしゃいましたね。このマハディ軍は、現在のイラクの大統領以下政府と違う政治的意思を持ち、イランと密接に関係しながら別の政治的主体として活動していると私は理解していますよ。

ここでもう一つお聞きしたいと思います。

では、先ほど、ポル・ポト派のことを申し上げましたけれども、ヒズボラとハマスです。これは、先ほど新宿のやくざとおっしゃいましたけれども、そういうような見方ですか。国に準ずる組織じゃないですか、ヒズボラとハマスは、国際的に見て。いかがですか。評価はどうでしょう、大臣として。

石破国務大臣

これは、防衛大臣としてお答えすることが適当ではないと思います。ただ、新宿のやくざという例えが、それは委員のお言葉をかりれば不見識なのかもしれませんが、私は、単なる武力集団、武力集団といいますか暴力集団という評価は、ヒズボラやハマスに対してしているわけではありません。(辻元委員「国に準ずる者かと聞いています」と呼ぶ)国に準ずるという評価は断定的にはできません。

辻元委員

そうすると、私は、明らかにシーア派のマハディ軍、サドルシティーを中心にしながら、これはいろいろなものを調べてみますと、例えば労働力で百五十万人ぐらい動員できるのではないかと言われているわけです。ですから、大臣は謙虚にとおっしゃいました。今のイラクの現状をもっとしっかり見ていただきたいと思います。

私は、ここは、今大臣は見解が違うとおっしゃいましたけれども、納得していません。はっきりわからないようなことで、なぜ武力行使の一要件として国に準ずる者でないから武力行使とは言えないという論理が展開できるのか、全く今の御答弁では納得できませんよ。

ちょっと先に進みながら、今の点の反論も後で聞いたらいいですけれども、もう一つ、では、バグダッド空港に限るという論理が成り立つのかということですよ。バグダッド空港については、久間防衛大臣が危険だというような御答弁を多々されています。前の大臣はこういうふうにおっしゃっていますね。クウェートから飛び立ってバグダッド空港でおりる、バグダッド空港から飛び立つときもロケット砲が来る危険性と裏腹にあるとか、バグダッド空港の中にあっても外からロケット砲等が撃たれる、迫撃砲等にねらわれるということもあり、そういう緊張の中で仕事をしていると。同じ認識ですか。