つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2008年12月12日 安全保障委員会

2008.12.12

議事録

渡部政府参考人

お答え申し上げます。

先ほど申し上げましたように、基本的防衛政策を明らかに逸脱するような意見ということでありますと、当たる可能性があるという、先ほど申し上げたとおりでございます。

辻元委員

当たるとはっきりおっしゃった方がいいと思います。

さて、そういう中で、鵬友とそれから「翼」にほぼ全部目を通しました。

鵬友、これは私的サークルの刊行物と言われておりますけれども、この発行目的を見ますと、大臣、こうなっているんですよ。相互啓発、意見交換、そしてさらに思想統一に資するためとなっているわけですね。そうしますと、これは私的サークルで、思想統一に資するためと「「鵬友」への転換と展開」というところに書いてあるんですが、そしてさらに、この鵬友を見ますと、隊内だけではなくて、国会図書館への寄贈はもとより、鵬友の寄贈先の拡大ということで、関係の深い大学、研究機関に寄贈を拡大していこうとなっているわけですね。こうなってくると、私的サークルの刊行物ですというだけでいいのかと私は思います。非常に公的な色彩を帯びてくる。

かつ、私たち、例えば外国の、あの国の軍が、幹部がどういう考えをしているかなと、その国のさまざまな資料を取り寄せますね。鵬友や「翼」も、例えばアメリカでもいいですよ、どこでもいいですよ、自衛隊の幹部などがどういう意見を表明しているのかなと取り寄せて読みますよね。

私的サークルの刊行物、思想の統一に資すと書いてあるわけですが、いかがですか、それだけでいいと思われますか。

浜田国務大臣

今先生の御指摘のあった、いろいろなところに、各関係機関、大学にもという話がありましたが、これは送る方は勝手に送っている部分もあるわけで、一概にはこれを取り寄せてということではないわけで、勝手に送りつけるのは、我々のところにもいろいろなものが送ってこられるわけでありますし、公的なというのは、要するに私的と公的の変わり目というのはやはり運営の仕方が、自分たちのお金でやっていたりとか、そういったところもあるわけで、我々、機関外のところでやっているから私的と。だから、公と私の区別の仕方がそこにあるのではないかなと私は思っておるわけでございます。

そしてまた、鵬友の発行の趣旨等を見てみますと、やはり相互啓発、そしてまた研究論文等を紹介して、内外の軍事の考え方をまた出していくということを目的としてというふうに書いてございますので、公的な見解ではないということを趣旨の中にも書いてあるわけでありますので、そういった意味においては、先生が今おっしゃったようなお話というのも、誤解をされやすいのは事実かとは思いますけれども、私的な部分でやっているのは間違いがないのかなというふうに思っておるわけであります。

辻元委員

ほかに、きのうは「翼」というのも話に出てきましたね。私、これを読みまして、例えば「翼」では、いろいろな御意見を民間の方もお書きになっているんですね。

大臣は、バランスが大事とおっしゃいましたよね、あらゆること。それは歴史教育も同じだと、自衛隊員の中のバランスと。しかし、拝見しますと、私の目から見たらバランスを欠いているわけですよ、過去の歴史認識とか憲法との関係でいいますと。そこは問題じゃないかと私は考えているわけです。

先ほど申し上げましたように、私的といえども、今国際社会ですから、単なる自衛隊の中だけで見ているわけではなくて、あらゆる情報の、そしてその発行元の真価が問われるわけです。ですから、私、言論の自由は守らなきゃいけないと思うし、これで自衛隊の皆さんが萎縮してはならぬと思いますよ。しかし、活字にしたり、発行元を明らかにして出す、お金は別から出しているというのは、ちょっと通らない国際常識が今あるわけですよ。ですから、これは基準を決めるなり、何かこの際やはり検討してみることが必要じゃないかなと思っています。

例えば、「翼」を見ますと、いろいろな方に寄稿をいただくのはいいんですけれども、結局、憲法を捨てよ、停止させろというような論文が延々と載っていたり、きょうお手元にお配りいたしました漫画、「押しつけ憲法呪縛の巻」、国会議員の方にも同じようなお考えを持っていらっしゃる方のお話もよく聞きますよ。しかし、「中身のないワクだけのユーレイ憲法に固執!」とか「だがマッカーサーのマインドコントロールのとれない連中」とか、それからアメリカに対してもかなりのことを言っていますね。これは寄稿されたものだと。私はちょっと、それでこのまま進んでいくことは問題であるんじゃないかと思います。

それから、もう一点指摘したい。ほかにもいっぱいあるんですよ、ほぼ全部見ましたので。もう一つの方ですよ。資料を見ていただきましたか。女性の裸の絵があってとか、それからさらには、驚きましたのは、「ジュリアナギャル 大いに踊る」、七月十三日水曜日と十四日の二日に開いて、入間基地クラブはジュリアナギャルを招いてディスコダンスパーティーを開催したという、ほぼ裸に近い記事が出ていたり、それから最後の、これは小松基地の新聞に出ている漫画の挿絵らしいですけれども、これをまた「翼」で紹介しているわけですよ。

セクハラ案件というのも私、自衛隊、女性隊員もおりますし、取り上げてまいりました。今、人権とかセクハラ含めての男女平等という概念は、国際的に非常に厳しいわけですね。大臣、これを見てどう思いますか。私的サークル雑誌だから、自衛隊の連合幹部会という幹部会が発行しているわけですよ。率直な御感想をお聞かせ願いたいんです。

浜田国務大臣

私的サークルだからといって、そういう指摘があるのは当然、見れば思われる方もいらっしゃると思います。逆に言うと、公的だったらこういうふうになっていないというのもあるわけです。

その意味では、確かにその内容を見ればいろいろな御意見が出てきてしまうというのは少々問題なのかなとは思いますけれども、そこのところも含めて、常識の範囲内というのもあるわけで、そういった意味では、これがいかにも公的と思われるようなことがあってはならないとは私自身思っておりますので、まだもう少しいろいろ考えさせていただければと思います。

辻元委員

熟慮していただきたいと思います。

「翼」はどこが発行しているかというと、連合幹部会というのが発行しております。連合幹部会とは何かといいますと、連合幹部会は、航空自衛隊の基地及び分屯基地に所属する幹部隊員で構成される基地幹部会及び分屯基地幹部会の連合体。要するに、自衛隊の幹部の皆さんの集まりが発行元の雑誌なんですよ。

それで、この「翼」に書いてあります。これはだれが入っているかというと、ほぼ強制です。どういうことかといいますと、編集後記にこう書いてあります。

以前、「連合幹部会の会費を払いたくないと言う人がいますがどうしましょうか」という電話がありました。連合幹部会の規約では正会員は幹部自衛官及び幹部配置にある事務官とあり、幹部は全員が会員であることが前提になっています。それはなぜでしょう?

三十五年前、大きな監察があり、幹部教育が最大の指摘項目となりました。どげんかせんといかんと対策委員会ができ、幹部教育についての空幕長通達が発出されました。その中に幹部会のあり方について言及されています。「幹部は、すべて幹部会に加入させること」「幹部会は、今後更に幹部の組織に対する帰属意識を高め、部隊等の長を核心とした強固な団結を図るとともに、幹部相互の研鑽により、その資質向上に果たす役割は極めて大きいと考えられる」

幹部会というのが通達によって構成されたわけです。そして、その幹部会の集まりが連合幹部会なんです。会費を払いたくないという人はだめなんです。自発的じゃないんですよ。全部入ることになっているわけです。

そうすると、幹部というのはどれぐらいいるかというと、千人超えます。自衛隊の中に公的な顔をした幹部の集団と、こっちは幹部会という。でも、通達によって幹部会があり、連合幹部会があるわけです。連合幹部会でやっているときは、ああ、私的でございますからと。幹部ですよ。先ほど指摘したような女性の裸身も含めて……