つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2009年4月10日 外務委員会

2009.4.10

議事録

辻元委員

では、一点確認させていただきますが、その前提条件になっている辺野古地区への新基地の建設、これはこの国際約束に含まれないという理解でいいですか。

中曽根国務大臣

国際約束、この協定の中で法的義務にはなっておりません。ロードマップという意味では全部関連しているわけでありますが、この協定は、先ほどから申し上げておりますように、グアムへの海兵隊の移転でありまして、そういうことで法的にはなっておりません。

辻元委員

そうすると、一たん締結されれば拘束される、仮に政権交代があっても誠実に履行するという国際約束の中身には新基地を辺野古地区に建設するということは入らないという認識でよろしいですね。もう一度、その点、お答えください。

中曽根国務大臣

いわゆる今回の国際約束には入りませんけれども、政治的な意図と申しますか、沖縄の米軍再編、さらにはその中で負担の軽減とそれから抑止力の維持、そういう大きな意味におきましては普天間の移転というものも、また嘉手納以南の返還というものもあるわけでありまして、そういう意味ではほぼ同時に進行していくことが望ましいわけでありますが、これは海兵隊の移転について規定しているものでございます。

辻元委員

なぜ申し上げるかといいますと、大臣もわかっていらっしゃるように、国際約束がここにあったとしたら、この前に新しい基地をつくれというのがあるわけですよ。そうしたら、どうして、二十八億ドルを出して八千人帰るというのを、わざわざ今みたいなタッチ・アンド・ゴーもわからないしというようないいかげんな認識しかない、新しい基地をつくるということと本協定は切り離さずにリンクしてつくったのか。別にそれだったら、二十八億ドルと八千人帰るという部分だけを切り離して協定をおつくりになってもよかったんじゃないですか。

河野委員長

辻元清美君、質疑の時間が終了しております。手短にお願いします。

辻元委員

最後にこれをお聞きしたいと思います。

というのは、私たちはまだ、これは協定として非常にあいまいですよ。なぜひっついているのか。そして、前提条件が国際約束じゃない、その前提条件が成り立たないようなことが国際約束であるということを、皆さん、そんな協定というのを見たことがありますか。そして、その前提条件についてはどうかといえば、いや、訓練の内容はわかりません、どんな訓練が行くかわかりませんと。こんな協定を私たち日本の国会議員として認めていいのかどうかということですよ。ということを申し上げ、私たちはこの協定を認められない。

最後に、大臣、それだけ切り離してやればよかったじゃないですか。何でリンクする必要があるのか、答えてください。

中曽根国務大臣

ロードマップの中で法的な約束が必要とされるもの、今これは在沖縄の海兵隊のグアムへの移転ですから、これについての真水部分の金額、拠出金等について規定しているものでありまして、普天間飛行場の移転、あるいは嘉手納以南の返還、こういうものもロードマップの中の一つでありますから、それはそれでまた協議をしながら進めていくということでありまして、それはいろいろまた検討すべきこともあろうかと思いますが、今御審議いただいているのは法的ないわゆる署名した協定を御審議いただいて、これをきちっとしたものにしようというものでございます。

辻元委員

納得できませんが、終わります。

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辻元委員

私は、社民党を代表し、在沖縄海兵隊のグアム移転に係る協定について反対の討論を行います。

反対する理由の第一は、実際に移転する海兵隊員の人数がいまだに不明である点です。

審議の過程で、沖縄に駐留する海兵隊員数は現在一万二千四百六十一人であり、政府が言う一万八千人よりかなり実数は下回っていることが判明いたしました。

定員一万八千人から八千人変更され定員が一万人になるだけならば、例えば、現状の実数では二千人余りしか移転しないということもあり得ることが、政府の答弁でも明らかになりました。

外務省発行の外交青書などでは、あたかも実数八千人が移転するかのように沖縄県民の皆さんを初め国民に説明をし、約半数になるのだからと、莫大な二十八億ドルもの資金を拠出する根拠にしてきました。しかし、実数で何人移転するか、そのときにならないとわからないということで、この基本的な根拠が崩れたと考えます。承認ができません。

第二の反対の理由は、辺野古の新基地が進まないと海兵隊は帰らないぞと、新基地建設とパッケージになっている点です。

四月八日の審議には、辺野古地区を初め沖縄からも多数の方々が傍聴に遠くから来られて、沖縄県民の皆さんの関心の高さを皆さんも痛感されたと思います。

この日の参考人の伊波洋一宜野湾市長は、普天間基地の危険性を生々しく証言されました。アメリカ国内であれば、普天間のような基地は存在できないことも明らかになりました。普天間基地は無条件に即刻閉鎖すべき基地だと思います。また、環境学が御専門の桜井国俊参考人からは、辺野古地域が、サンゴやジュゴンの生息を初め、沖縄県の自然環境の保全に関する指針で評価ランク1に指定され、国際的にも貴重な地域であり、ここを埋め立てることによる環境への悪影響ははかり知れないと指摘されました。

四月六日の沖縄視察では、昨年七月十八日の県議会決議とことし三月二十五日の意見書を踏まえ、辺野古新基地建設反対が沖縄県議会議長から改めて表明され、民意を無視して締結された協定には納得いかず、承認を行わないようにという要請がありました。

本日、麻生総理は、知事の声を聞いていれば県民の声を聞いていることになるかのような発言があったことは、一国の総理大臣として残念でなりません。

このように、民意や環境への配慮を無視した新基地建設とセットになった協定を認めるわけにはいきません。

最後に、また、本協定は、アメリカとの関係で片務的な内容になっていることは、与党の皆さんも認識されているのではないでしょうか。今筆頭理事がそれはそうだと首を振られています。これでいいんでしょうか、日本は。

総選挙で基地の県外移設を主張する野党が政権をとる可能性も高まる中で、現政権のうちに協定という縛りをかけてしまえと駆け込み締結されたとの指摘も出ております。

このような状況で、かつ矛盾だらけの内容の協定は、到底承認することはできないと主張し、与党の心ある皆さんの反対への御賛同も訴えて、私の反対討論を終わります。(拍手)