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2009年4月8日 外務委員会

2009.4.8

議事録

171-衆-外務委員会-7号 平成21年04月08日
【参考人質疑】

辻元委員

社会民主党の辻元清美です。

きょうは、参考人の皆様、お時間を割いていただきまして、貴重な御意見をありがとうございます。

それでは、四名の皆様に御質問をさせていただきます。

まず、森本参考人にお伺いしたいんですけれども、先ほど、冷戦構造下からグアムの位置づけがアメリカの戦略的に変わってきたというようなお話がありました。基地そのものも老朽化しているし、それから新しいインフラを整備しよう、そのように変わってきたのはいつごろからなんでしょうか。

森本参考人

グアムの戦略的重要性が高まったのは冷戦後になってからだと思います。しかし、グアムの基地の機能を強化するという決定を米国が行ったのはいつのことであるのかということを正確に承知していません。

他方、グアムの基地を見る限り、中を見て、冷戦時代に見たときの印象と見比べて感じることは、少なくとも、中国の海空軍が冷戦後に東シナ海、南シナ海に進出してくるようになり、アメリカ側が、太平洋、西太平洋による米軍のプレゼンスの中で、ディエゴガルシアまでの間に至る一番西側の重要な拠点としての基地機能を持っているということをアメリカが認識し、しかも東シナ海の中で中国海軍が出てき、アメリカがフィリピンのクラーク航空基地、スービックベイの海軍基地から引いてしまった後、グアムというのが西太平洋の中で大変大きな意味合いを持つようになってから、恐らくアメリカ側がグアムという基地を再評価し、これを新たな戦略的な拠点として、いわゆる主要基地機能というんでしょうか、メーン・ベース・オブジェクティブといいますか、という機能に格上げしようとしたのは、米軍が米軍再編というプロセスを通じて行ってきたものであり、これはこの数年のことではないのかなというふうに理解しております。

辻元委員

今アメリカは戦略的に格上げをしていく中で、この海兵隊の取り扱いなんですね。ですから、沖縄の負担の軽減と言いながら、実はアメリカが戦略的にグアムを強化していく、海兵隊の基地もつくりたいというアメリカの意図があって、それに対してこの沖縄から八千人を移すんだ、だから日本にも財政的負担をという、これは沖縄の中でも、実はアメリカはグアムをもっと最新鋭の基地機能を持つ島にしたいという意図があって、ですから、後から、八千人が帰ることが沖縄の負担軽減になるんだというのがついてきたんじゃないかという意見も根強くあるわけですね。私もそこのところは不信感を持っているわけです。

そこで、西原参考人と桜井参考人に同じ質問をお聞きしたいと思うんですが、そこで次に出てきたのがパッケージ論なんですよ。そうすると、沖縄の負担をいち早く軽減したいという意図が先んじるならば、八千人はさっさとお帰りになってもいいわけですね。八千人は帰る、だから日本は上限二十八億ドルまでの負担をしてくださいということを、まず実行することもできるわけです。しかし、本協定を見ますと、辺野古地区に新しい基地をつくらないと八千人は帰ってあげませんよというふうに条件になっているわけです。いわゆるパッケージ論なわけですね。

ですから、最初に、グアムの基地機能もアメリカは強化したかったという意図、これはあったと思いますよ、事実として。負担の軽減を重視するならば、辺野古地区の新基地建設と、八千人が負担の軽減のために、それも日本から予算も支出して出ていくことと、別にばらばらに実行してもいいわけです。どなたに質問しても、辺野古地区に新しい基地をつくらないとグアムに八千人帰れない合理的な理由を私は理解することができないわけです。

このパッケージ論について、西原参考人そして桜井参考人はそれぞれどのようにお考えでしょうか。このパッケージ論を支持されるとすれば、合理的な理由を聞きたいわけです。八千人がグアムに沖縄の負担軽減だよと帰ることと、辺野古に新しい基地をつくる、この関連性が見えないんですけれども、いかがでしょうか。

西原参考人

パッケージ論の中で、私は、重要なキーワードは、日本の防衛に関して米軍が軍隊の配備の一体化ということを使っている、一体化ということだと思うんですね。

海兵隊の全部をグアムへ移した場合の米国が持つ日本の防衛支援力と、一部を残してそれをうまく利用しながら日本の防衛、日本防衛のための抑止ですね、抑止をやるというのでは大分違うと思います。現在、アメリカがそのパッケージとおっしゃる中でやろうとしているのは、一部を残して、それを辺野古基地をつくることによって海兵隊の力を温存し、そしてそれを抑止力として使う、これが私は日本の防衛には非常に必要だと思うんですね。それがアメリカが進めようとしている点だと思うんです。

したがって、普天間基地を閉鎖するということが、これこそもう普天間基地の周辺にこれだけ住宅が密集していることを考えますと、普天間基地の閉鎖そのものが非常に重要であるということを考えますと、私は、辺野古基地が新しく基地として生まれ、そして海兵隊が残るということは非常に重要だと思っております。

それから、沖縄におきましては、北部の方にはまだ海兵隊の訓練の基地がありますから、その辺でも、私は、そのことも考えながら日本の防衛ということを考えるべきじゃないか。だから、抑止力の問題が重要だというふうに思います。

桜井参考人

私は、パッケージ論というのは米軍にとっては極めて好都合な、日本のお金でグアムの基地を整備し、そして辺野古に訓練のための最新鋭の基地を整備するということで、そういう形ではパッケージ論になるわけですが、沖縄の我々にとっては全く必然性がないと考えております。

特に、そもそもこの普天間の基地の移設は、これはぜひとも必要なわけですけれども、その移設が当初出てきたときには、先ほど私が申し上げましたとおり、キャンプ・シュワブにヘリポートをつくるというような極めてささやかな案で始まったはずのものが、いつの間にかここまで肥大化してきたということで、これは米軍にとって、日本の税金でそこまで立派な訓練施設を辺野古につくってもらえる、それが北部訓練場と連携して使えるということであれば、これは願ってもないわけですけれども、それは必然性がなかったものなわけだと思います。

ですから、私は、この間の経緯を見ましても、私ども沖縄県民にとりましては、このパッケージ論というのは全く必然性がないと考えております。