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2009年6月9日 議院運営委員会

2009.6.9

議事録

171-衆-議院運営委員会-41号 平成21年06月09日

辻元議員

社民党の辻元清美です。

私は、憲法調査特別委員会の委員を務めました経験から、本日、立法府が二年前のような事態、私たちから見れば立法府の過ちだったと思うんですが、繰り返してはならないという観点から発言をさせていただきたいと思います。

ちょうど二年前、二〇〇七年の四月十二日に国民投票法案の与党修正案が委員会室が騒然となる中で強行採決されたことは、皆さん、御記憶にあると思います。

当時の世論調査でも、与野党のコンセンサスがないまま強行採決することはおかしい、慎重審議という声が圧倒的に多くありました。そしてさらに、与党推薦の公述人の方からも、強引に進められることへの懸念が示されました。にもかかわらず、そういう中での強行採決だったわけです。直後には、「廃案にして出直せ」「手続き法でこの有り様では」時期も運びもむちゃくちゃだという見出しの社説が掲載され、強行採決が批判されました。

当時の総理大臣は安倍晋三さんで、私の内閣で憲法改正を目指すとの発言を繰り返していらっしゃいました。憲法を最も守らなければならない立場の総理大臣が憲法改正の音頭をとるような発言は不見識だという声が、憲法改正に賛成の自民党の議員からも出されるありさまでした。しかし、憲法とは何かという基本認識もお持ちでないような総理大臣の思い込みに引っ張られるようにととられても仕方がないような形で強行採決がなされました。

二年前のこの経験は、賛成、反対の立場にかかわりなく、立憲主義の国にとって、私たち野党は恥ずべき行為であると抗議をいたしました。私は、まず、皆さんにこのときを思い起こしていただきたいと思います。

特別委員会の公聴会では、憲法は社会の安定装置であるという意見が出されました。憲法は、多数の横暴を防ぐものであって、政権次第でころころ変えるものではなく、賛否が激しく分かれる事項を憲法改正の対象に浮上させることは社会を不安定にするという、憲法を論ずるに当たっての基本的な問題提起もなされました。

特別委員会では、欧州にも調査に参りました。どの国も、憲法にかかわる事項の取り扱いは極めて慎重でした。とりわけ、憲法改正にかかわる事項については、主権者である国民の民意としての多数の賛成と議会内でのコンセンサスが何よりも大切であるという指摘が各国の専門家や政治家からなされました。この二つを満たさないまま強引に進める憲法改正に向けての動きは失敗するという指摘を、憲法改正推進の立場の委員も神妙な顔でお聞きになっておりました。

にもかかわらず、唐突に強行採決が当時なされたのです。議会内の与野党のコンセンサスがないまま憲法にかかわる事項を一方が強行するというのは、これは国際的に見てもない行為だと思います。

今、私たち立法府のなさなければならないことは、立憲主義に基づく憲法に関する事項はどのように取り扱うべきかという認識を深めることだと私たちは考えております。

野党の反対の中で今回の会期は延長されました。そしてさらに、衆参両院での調整もなく、衆議院が単独で先走ったような形で、しかも、この衆議院の任期はあと最大三カ月余りという時期に憲法審査会の規程を強行してしまうことは、私は、立法府として、二年前は一体何だったのかと考えることこそ立法府としての責任を果たすことであり、同じ過ちを繰り返すことであり、しかも、同じ過ちを繰り返すということは、前以上に愚かな行為になりかねないということを皆様に強く訴えさせていただきたいと思い、この場に座っております。

憲法審査会規程の採決は、行うべきではないと思います。立法府の良識を皆さんと一緒に取り戻したいということを呼びかけさせていただきまして、私の意見陳述を終わります。

御清聴ありがとうございました。