つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2011年11月17日 憲法審査会

2011.11.17

議事録

辻元委員

民主党・無所属クラブの辻元清美です。

本日は、中山参考人、橘参考人、貴重な御意見、ありがとうございました。

私は、最初に憲法調査会が立ち上がったときのメンバーで、そして憲法調査特別委員会の議論にも毎回すべて発言をしてまいりました。少数の立場にも非常に尊重した運営をしていただいたので、ぜひ踏襲していくべきだと思っております。

その間の議論で、私たちが憲法を議論するに当たって共通認識を持った方がいいということがあると考えますので、最初に御提起させていただきたいと思います。

この憲法の議論の中では、立憲主義という言葉が各党の議員から出てまいりました。日本は立憲主義の国である、この立憲主義という意味は何なのかという共通認識が必要だろう。

一つはやはり、憲法の中の九十九条の意味、憲法擁護尊重の義務を私たちは負っている中での憲法論議である。

憲法というのはよく、国民が守らなきゃいけない最大のルールであるというふうに勘違いをされている方もいらっしゃるわけなんですけれども、私たち国会議員が、または為政者が縛られているというか、為政者が守らなければいけないルールを国民の方から提示されているのが憲法であるという共通認識をまずしっかり認識した上で、私たちがどうするべきかということを議論していかないといけないという指摘がたくさんなされました。

これは最後の議論の中で、混乱と言われましたけれども、政局だけではなかったと思います。当時の、時の総理大臣は安倍晋三総理大臣でしたが、総理みずからが改憲の旗を振ることに対する是非だったと思います。憲法を最も守らなければいけない義務がある行政の長が改憲を公約的に発言することに対して、これは当時の本会議でも枝野さんが大激論をいたしましたけれども、やはり問題視したというところもありますので、単に政局絡みの話ではなかったと思います。

私たちの日本の立憲主義のあり方そのもの、意見は賛否あるかと思いますが、戦後ずっと続いてきた憲法と、政治、そして国民との関係の根本をどう見るかというところにかかわる議論が当時なされたと思いますので、立憲主義の意味をしっかりととらえたこの委員会になるべきではないかと思っております。

それともう一つが、これも多く出た、先ほど中山前会長からも報告がございましたけれども、憲法は国民のものであるという論点です。

ヨーロッパに私も何回も派遣をされて参りました。その中で、憲法改正をした国々も多数ございました。その中での御意見は、国論を二分するような問題は憲法改正にはなかなかなじまないという御意見もございました。

憲法のここを変えてほしいとかあそこを変えてほしいというのは、国民から沸き起こって、さまざまな国民から、ここを変えてもらわな困るわというような意見が沸き起こった上で、立法府としてその国民の声にどうこたえるか、そういう姿勢でいかないと、先走って、特に微妙な問題を憲法改正に付すると失敗することが多いというような発言もございました。非常に政治が不安定になってしまう。

最後になりますけれども、先ほどから、硬性憲法、九十六条の議論もございました。そういう中で、これは一つの論点でありますけれども、賛否あると思います。

どういうことかといいますと、政権交代の時代になっておりますので、憲法を変えやすくするハードルを低くするということは、政権がかわるたびに、争点になった主張によって憲法がころころ変わるようでは、またこれは政治が安定しないというような議論も、一つの焦点として、かなりこの間さまざまな発言があったということを紹介いたしまして、この審査会は、世界じゅうから、さまざまな憲法論議の中でたえ得る立憲主義の国としての議論にしてまいりたいと思います。

以上です。