つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)つじもと清美 公式 参議院議員 立憲民主党(全国比例代表)

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2011年3月9日 国土交通委員会

2011.3.9

議事録

辻元委員

民主党・無所属クラブの辻元清美です。本日は、大臣の所信及び交通基本法などを中心に、日本の公共交通のあるべき姿を皆さんとともに考えたいと思います。

まず初めに、私も、政権交代後、国土交通行政に携わらせていただきました。その中で、私は、国土交通政策は強さと優しさが要るだろうというように考えて進めてまいりましたし、今もそう考えております。やはり今、グローバル化の時代で、このグローバル経済についての賛否は別にいたしまして、国際競争力を一体どのように担保していくかということ、それと同時に、しかし一方、人や国土交通関係で働く人たち、労働者などへの配慮、それから環境、そしてさらには安全に対する配慮、優しさが必要である、そのように考えて進めてまいりました。

大臣を初め政務三役の皆様は、どういう理念で国土交通行政を進めていくべきとお考えか。また、全体的な日本のグランドデザインを切りかえていく時期に当たっているんじゃないかと私は考えております。グランドデザインをどのようにお考えか、まずお聞かせいただきたいと思います。

三井副大臣

お答えいたします。大臣が今、予算委員会の方においでになりましたので、私から答えさせていただきたいと思います。

今、辻元委員からお話がございましたように、大臣所信の中に、「現在の日本は、人口の減少と急速な高齢化、厳しい財政事情、激しい国際競争といった大きな課題を抱えております。」このような状況下におきまして、長期的、総合的な観点から日本の将来の明るいビジョンをしっかりと描いていきたいと。それで、大臣がおっしゃっていますように、その基盤を築きまして、国民の命と暮らしを守る、ここは大変重要なことだと思っております。国土行政におきましては、国民の命と暮らしを守るということを進めていきたいと考えているところでございます。

国民の命と暮らしを守るためには、国土基盤の維持管理、更新を適切に行うとともに、各種の防災あるいは減災対策、耐震対策を進めることが極めて重要であると思っております。このため、現在、地域の活性化や国際競争力の強化とともに国土の保全や暮らしの安全を大きな柱といたしまして、社会資本整備重点計画の見直しを進めているところでございます。

また、人が社会に生きていく上で必要な人と物の移動にかかわる政策を総合的かつ計画的に推進するためにも、今後の交通に関する基本理念と交通政策の全体像を示す計画の策定等を決める交通基本法を昨日、国会に提出したところでございます。

これらを通じまして、将来ビジョンを描きつつ、国民の命と暮らしを守る国土行政を戦略的に進めてまいりたいと思っております。

辻元委員

めり張りをどうつけるか、それから、今の実態がどのようになっているかというところをしっかり点検して、その上でどう変えていくかということ、私も現場におりまして、非常に苦戦をいたしました。

まず、現状をちょっと確認したいと思うんですが、お手元に資料をお配りしております。この資料の「公共投資水準の国際比較」、カラーのものをまず見ていただきたいと思います。

この右側の、これは皆さんもよく御承知のグラフかと思いますけれども、「一般政府公的固定資本形成のGDPに占める割合」。かつては、一九九六年、十五年前で私、初当選のころなんですけれども、このころは、いわゆる公共事業と言われるものにかけるGDPの割合は、フランスやアメリカやイギリスやドイツという国々の割合を全部足しても、日本の方が多いというような状況でした。それが現在は減少をしてきております。かなり予算というかお金をかけてきたと考えられます。

そして二ページ目をあけていただいて、今度は白黒の方なんですけれども、「社会資本整備の国際比較」です。

しかし一方、現状を見てみますと、先ほどから道路の話は出ておりますが、空港にいたしましても、三千メートル級滑走路の本数は、日本は三、韓国は五、イギリスは四となっております。港湾についても、コンテナターミナルの水深十六メートル級の岸壁、日本は六、中国は、大きいですけれども五十、韓国十六、シンガポール二十六。そして公園ですね、緑はどれぐらいかなと。東京二十三区で三・〇、アメリカ・ニューヨークで二十九・一、フランス・パリで十一・八、ドイツ・ベルリン二十七・四、ロンドン二十五・三。非常に予算はかけてきたわけですけれども、一方、町には緑も、なかなか公園も少なかったり、それから競争力を持つ空港や港湾の整備も不十分であった。

原因は一体どこにあるのか、いかがお考えでしょうか。

津川大臣政務官

お答えをいたします。

先生の方から資料を御提示いただきまして、欧米との比較というものを出していただきました。よく欧米とこの国の国土の比較というものが出されますが、正直に申し上げますと、欧米にもいろいろございますから、単純に比較できるものではないと思っております。

ただ、一般的に、やはり我が国は島国でありまして、この国土をつなぐ海峡をいかにつないでいくかですとか、あるいは、いわゆる脊梁山脈によって分断をされている部分が多いものですから、橋梁ですとかトンネルが多い。あるいはまた、地震国でもありますので、そういった耐震性も高めていかなければならない。そういった意味で、GDP比でいいますと、相当多くの公共事業、公共投資を行ってきた割には、残念ながら整備がまだおくれているというのが現状であろうかと思っております。

そういった中で、大変厳しい財政の状況の中でもございますから、現在、社会資本整備の全体像を示します社会資本整備重点計画の見直しというのを進めているところでございまして、それによりまして社会資本整備の目指す姿を国民にわかりやすく提示をさせていただきますとともに、やはり選択と集中というものが必要となってくるかと思います。そういった視点での計画あるいはその実効性を確保するための手法というものもお示しをさせていただきながら、国民の声を広くお聞きさせていただきながら、社会資本整備重点計画の見直しにつきましてことしの夏までに策定を進めてまいりたいと考えているところでございます。

辻元委員

選択と集中という言葉が出ました。実際、かなり予算は使ってきていますけれども、トータルにグランドデザインを考えてこなかったんじゃないかというように私は思うんですね。

やはり今、少子高齢化である、それから低成長の時代である、それからエコロジーへの配慮が要る、そして一方、しかしグローバル経済の時代になっているという、この時代の転換点にどういうグランドデザインをかいていくかということ、これをやはり国交政策で示していくことは、私は日本を大きく変えることにつながると思っています。

さて、そんな中で、もう一方、では公共交通の実態はどうか。最近、公共交通崩壊という言葉も聞かれております。ちょっと幾つかお聞きしたいと思います。

まず、実態です。

生活交通の存続危機地域、非常に公共交通が手薄になってきて、住むのがしんどいなとなってきている方々はどれぐらいいらっしゃると今把握されていますか。